お久しぶりです
その節は何とも行き過ぎたアヤスケの独り言にお付き合い下さりありがとうございました
またお声がけいただけて大変光栄に存じます
ではでは
なるほど「ナディムシャ」ですか
アヤスケも誠に些末な端くれ見習いにつきD150という分割をどのように計算して配置を出されたかはその正誤を判別できかねるのが正直な立場にございます
お示しの配置を一応正解とする前提でアヤスケなりの「査読」を試みることとします
悪しからず <(__)>
それでは先ずはより正確なD60から参ります
<シャスティアムシャチャート> 【魂の全履歴】
ラグナ…双子座(ラグナロードは水星)
→ラーフが在住
※おさらいとして…アートマカーラカ(もう一つのラグナロード)は 木 星※
2室…蟹座
→在住惑星なし
3室…獅子座
→在住惑星なし
4室…乙女座(ラグナロードのもう一つの支配星座)
→月・火星が在住
※月と火星のコンジャンクション『チャンドラ・マンガラ・ヨーガ』※
5室…天秤座
→太陽が在住 ※減衰の配置※
6室…蠍座
→土星が在住
7室…射手座
→ケートゥが在住
8室…山羊座
→金星が在住
9室…水瓶座
→在住惑星なし
10室…魚座
→木星が在住
※ケンドラの自室にて定座/『パンチャ・マハープルシャ・ヨーガ:ハンムサ・ヨーガ』※
11室…牡羊座
→水星が在住 ※4室在住の火星と【星座交換】※
12室…牡牛座
→在住惑星なし
さて
双子座ラグナでは火星がどこに住んでどの部屋へアスペクトするかが重要です
ジョーティッシュにおける11室という部屋は死(12室)の直前の生き方を表して12室から12室目に当たるために12室の本質が逆に最も現れてくる部屋だからです
即ち「失うこと」を否定(12室)し今よりも更に所有する行為に執着する態度となってそれは形になります
11室の直前の部屋である10室はカルマとも言うべき自己実現に取り組む経験を示しその結果として受ける経験が11室という部屋の意味です
ですから11室には吉星が住んでも凶星が住んでも長い目で見れば問題ありません
吉意をもたらす惑星なら努力した以上の評判や報酬に恵まれます
凶意を与える惑星なら第三者から覚えのない不本意な批評を受け余計な未練を持てなくなります
最も重要なのは11室をどの星が支配するかです
太陽と月は一つの部屋しか支配しないので純粋に11室の象意だけがそれらの住んだ部屋で働きます
しかしそれ以外の惑星が11室を支配する時に一定の順番で必ずドゥシュタナ(困難をもたらす悪い部屋/6室・8室・12室)が対になる組み合わせとなります
このパターンの場合はそれが生来的吉星(水星・木星・金星)であっても働き方自体は凶意を与える惑星です
そして
ちょびさんのD60の火星は11室と同時に「苦難」の6室を支配して生来的にも機能的にも悪意を持った忌むべき星となっています
この火星は確実にチャートに含まれる他の吉意を傷つけます
この火星は11室の単純な「周囲からの恩恵」という意味に本人(ちょびさん)にとっての争いや苦役を伴わせる星です
つまり双子座ラグナの火星は利己的で闘争心から行動する挑戦者や難敵という姿でその凶意を見せてくるのです
11室は死に向かうまで育ち続ける欲望の象意でありそれを6室の悪意を持った火星が受けることで「自らの意志と目的(11室)のために他者に平然と戦い(6室)を挑む野心家」へと火星が結実します
(なお火星は生来的に6室の表示体としての象意を持つ上に11室は6室から6室目であり6室の本質を宿す部屋でもある)
この火星が7室以降に住んだ場合は間違いなく敵対者の出現によって公私の人生が傷つけられます
ちょびさんは4室という自分自身の心にこの火星を受けています
同居する月は4室にとって最も相性が良く4室は月を星座とは関係なく高揚(最高位)と同じ強さにする部屋です
(ジョーティッシュでこれを「ディグバラ」と言います)
なので月は火星の凶意に傷つけられない強さを持っているはずですが「闘志(6室)と利己的な意欲(11室)」が4室の平安を乱すことは避けられないとも言えます
世界の古今で成功した偉人に見られるヨーガがまさにこの「チャンドラ・マンガラ・ヨーガ」でありその代償は人としての公徳や人望だと言われています
なおかつこの吉凶相反するヨーガの対向ハウス(10室)ではちょびさんの最良のカルマが実った姿であるアートマカーラカのマハープルシャ・ヨーガが成立しています
ハンムサ・ヨーガの特徴としては
「学識・美徳があり上品さや優美さ・威厳をもたらす」
「知識欲や探求心が強く男性の場合は美しい妻に恵まれる」
「徳が高く豊かな体つきを持つ」
といった影響を本人に与えます
木星は現代に続く長い歴史が生み出した深い教養と悟りの表示体でありジョーティッシュでは最高位の吉星です
木星がカルマを実践させる10室と対人運の7室も支配してケンドラハウス(1室・4室・7室・10室)でヨーガとしても最大の吉意が生まれる部屋の10室に定座しています
これがちょびさんの魂そのもの(アートマカーラカ)であり直前までの過去生の姿形といっていいのです
10室だけを見ればちょびさんは哲学者か宗教家として一時代を築いた先駆者だったかも知れません
10室はまさに「宗教」を表意する魚座が占めており木星は人間関係の7室射手座を同時に支配するからです
(そもそもカルマの痕跡を伝えるD60でカルマの部屋にマハープルシャ・ヨーガを持つのでちょびさんはお世辞抜きで史実に登場する偉人の一員であると思われます)
つまり今生で木星が悪い部屋(ドゥシュタナ)を支配するラグナの天秤座にちょびさんが生まれて
なおかつ今生の本質を示すナヴァムシャでも木星が減衰する山羊座ラグナとなるように生まれた理由は
ここにあったようです
また次に気づく過去生の軌跡は魚座と乙女座でヴァルゴッタマになるラーフ・ケートゥの配置
まさにちょびさんの過去生(D60)にて歴史を積み重ねたのはこの4室(チャンドラ・マンガラ・ヨーガ)と10室(ハンムサ・ヨーガ)のせめぎ合いで生まれる葛藤による行いと学びだったと言えます
その魚座(10室)にケートゥがラーシ(D1)でもナヴァムシャ(D9)でも住んでいることは大いに納得できます
ケートゥは住む部屋の象意やその支配星を極限まで弱めるように働いてそれらが意味する物事を「諦める」ように仕向けるカルマの表示体です
またナヴァムシャのラーフは木星的な経験値を少しでも忘れられるように水瓶座ラグナで悟りをもたらす金星(「心」の4室と「哲学」の9室を支配)が減衰する乙女座にその金星と同居しています
なおこのD60のラーフ・ケートゥはラグナと7室の軸に置かれケートゥのみ火星からアスペクトを受けるだけの配置
思想的なリーダーとしてがむしゃらに取り組んでいた姿が想像できます
ただしそれが「哲学」と呼べる取り組みではなく自他に厳しい「修行」であったことは太陽の支配室と太陽自身の配置から伺えます
太陽は双子座ラグナで3室(言葉と身体を用いた自己表現)を支配しています
そして3室から3室目でその本質が現れる5室(努力による達成)に住んで逆に減衰してしまっています
これは言葉に頼った訓練や実践を徹底して「避けた」ことの痕跡であり他者に対する能動的な言行を意識して控えていた人生が見て取れます
また双子座ラグナの金星は太陽の住む5室と「非現実な世界」という意味の12室を同時に支配します
この金星は一切のアスペクトを受けずに8室に住んでいます
象意として現世的な解釈では芸術や音楽といった抽象表現の才能と考えられますがちょびさんのD60では木星がまさに宗教の表示体となって強く働くのでこの金星もまた「瞑想」や「祈念」に励んだ軌跡であるようです
8室は2室の「生来的な自由と能力」の象意と相反する部屋であり「現実において受け取る全ての経験」を意味します
人間関係の7室から2室目でその結果が実るカルマの部屋としても働く8室に神秘と夢想を伴う金星が孤立するように住んでいます
しかも7室はケートゥだけが住んで2室から火星が凶意のアスペクトを与えています
やはり他者との親睦を強く拒みより深い自我へ向かおうとする自主的な内省感覚が滲んでいる配置
そして何より金星の配置で考慮すべきはそのディスポジター(金星の在住室の支配星)です
双子座ラグナでは火星に次いで土星の配置も重要な問題となります
土星はこのラグナであらゆる困難の8室とその経験に呼応した悟りの9室を同時に支配します
もし土星が5室に住めば9室から9室目で土星の良い成果が高揚する配置(天秤座)として現れます
しかしちょびさんの土星は苦労と忍耐を意味する6室に住んで自室の8室へアスペクトバックしています
避けられない困難(8室)をわざわざ常日頃の努力として労働(6室)するかのように受け入れていた様子です
これはジョーティッシュでは「ヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガ」と呼ぶ凶意の二重否定の形であり苦しみがまた別の苦しみを打ち消す結果をもたらします
どちらかというと「甘えを断ち切り自らを叩き上げたい」という意志の表れと読めます
苦行そのものが目的になっているようで何やら悲しげな印象が浮かびます
(ただし10室で定座のとても強い木星がこの土星にアスペクトするので本人は得心を以て取り組んでいる)
最後に11室の水星について述べます
ラグナロードが吉星で11室に住む配置自体は「自他共に敬意を実感する」状態であり周囲に支持者が必ず在るような概観
11室に住む水星は知的な努力の実績が称賛を受けるような特定の地位に座する様子を示しています
ちょびさんのこのD60では仲間達に対する悟りの発露といえる姿
しかしこの水星は重要なラグナロードでありながら2室で月と同居する凶意の火星と『星座交換』しています
それは4室と11室の深い関わり合いであり「堅い覚悟」の志(4室)とそれに対する畏敬の念(11室)といった結び付き
つまりあくまでも「媚びず退かず顧みず」に私信を強く念じ続けていると言える厳しい水星です
そしてその水星が対向で減衰する5室の太陽にアスペクトするのでまさに「不言実行の修行者」といえる様相を表しています
アヤスケによるD60の分析は以上です
いやぁ…
全く私ごときがさぞ偉そうに人様の過去に講釈を垂れているなんて夜郎自大も甚だしい
それでもこれほどまで奥ゆかしい魂の歴史を拝察できたことに改めて感謝申し上げます
<(__)>