辛口のインド占星術関連の書評です。

 

「基礎からはじめる インド占星術入門」 本多信明 著

最初、この本を図書館から借りて、勉強を始めました。基礎を抑えていて、初心者には非常にいい本だと思います。一方で、ジャイミニ占星術やプラシュナ、ムフルタなど、基本以外の技法は載っていません。その辺は、ちょっともの足りない。でも、導入には、最適な本だと思います。

 

 

「ラオ先生のやさしいインド占星術 入門編」 K. N.  ラオ 著

本格的なインド占星術の本です。入門といっても、結構難しい本に当たると思います。詳細な内容や鑑定例も多いので、基礎を学んだ後の、基礎固めにいい本ではと思います。

ただ、“寸止め”みたいに書かれているところが多いです。特に鑑定例は、全体を通しで行うわけでなく、一部・ポイントのみだから、分かりにくいところも多いように感じます。「もうちょっと、ここを詳しく~!」と叫びたくなるところも多々あり。

例えば、

「・・・の分析も重要です」で終わっちゃうとか。

「・・・の弱点は様々な形で出てきます。」で終わっちゃうとか。

「・・・アシュタカヴァルガでも検討してください」で終わっちゃうとか。

え?そこで終わっちゃうの?そこが重要だろうが!そこを教えんかい!と、たまに叫びたくなります。

インド占星塾の閉鎖とともに絶版になったんで、中古市場で値段がつりあがっています。

 

 

「ラオ先生のインド占星術 運命と時輪」 K. N. ラオ 著

ダシャー・未来予測関連が詳しく、非常にいい本です。事例も豊富です。必読の書です。多くの法則があり、何度も読まないと覚え切れません(特に例外則など)。読み返すたびに、「ああ、こんな法則あったな」と思い出すことになります。

前はオンラインで半分ぐらいは読めたのですが、インド占星塾が閉鎖して、読めなくなりました。

こちらも、インド占星塾の閉鎖とともに絶版になったんで、中古市場で値段がつりあがっています。

 

 

「あなたの運命を変える ジョーティッシュ占星学」 宮坂晶子 著

マハリシ・ジョーティッシュの本。実際に最初に読んだのは、これとは違うマハリシ・ジョーティッシュの本(←図書館で借りた)だったけど、ほぼ同じ内容のこれを買いました。

○星が○星座、○星が○ハウス、○ハウス支配星が○ハウス在住が載っており、分かんない時のあんちょこ本として使えます。でも、たまに解釈がおかしくない?っていうのもあります(←私がおかしいのかもしれませんが^^;)。

コンジャクト、アスペクト、ヨガ、星の強さで解釈は変わってきますので、あくまで一般側としてしか使えません。

 

 

「インド占星術の秘法」(上・下) M.Ramakrishna Bhat 著  ミス・ペルセフォネー 編集

非常に詳しいが、非常に難しい。計算とかが多い。読んでると眠くなる。上級者向け。部分的には非常に使えます。まだ全部読みきってないです。

基本原則から、クンダリー作成法、ダシャー、ヨガ、子供、結婚、ドレッカナ、死、職業、ゴーチャラ、アシュタカヴァルガなど・・・テーマごとに詳しい説明がなされています。

ただ非常に分かりにくい。3分の1ぐらいは、何を言ってるんだか分からない。また、訳がおかしいところがあります(※「火星の主星」とか「月の主星」とか・・・惑星に主星があるのか?意味分からん)。また、古典をそのまま訳したような感じで、現代には当てはまらないところもあり(牛を得るとか、王になるとか)。また、流派の違いなのか、ラオ先生の本とは解釈が異なるところがあります(逆行だと星が強くなるとか・・・)。

鑑定してて分からないところを、辞書代わりに使ってます。

 

 

「実践 インド占星術」 本多信明 著

インド占星術入門にプラスアルファした感じの本。共通の部分が多々あり、実質半分ぐらいが新しい内容。残念なのは、誤植が多いです。個人的にはあまり参考にならなかった。

 

 

「大結婚 ヒンドゥー占星術 本当にこの人でいいの?」 秋月智朱 直江峰聖 著

ナクシャトラでの相性占いです。ただ、インド占星術のナクシャトラの相性とかなり違う部分あり(評価が合わない時が多々あり)。おそらく、この本における相性の点数が、“自分のナクシャトラから何番目か”ということしか考慮していないところを見ると、一般のナクシャトラ占いにおける項目の一部しか使っていないと思われる。

もしくは、インドでは子供の価値・点数割合が大きいから、先進国にも合うように、性格の相性のみの観点になるよう意図的にいらない項目を省いた可能性も考えられるが・・・

また、各ナクシャトラの恋愛傾向の説明や各相性の説明は、この著者が想像に任せて適当に書いている感がぬぐえない。「いったい何を根拠に言ってるんだ?ちゃんと調べた上で書いてるんか?」と問いたくなる。

書いてあることは、いまいち信じられない本でした。

 

 

「インド占星学」 春日秀護 著

ジャイミニ占星術が詳しいです。星座もトロピカルとサイデリアルでの見方や、名前のナクシャトラ、相性占い、パダなど、結構マイナーな技法が多く、一般のインド占星術の本とは違った切り口で書いてくれている。星座やハウス、ナクシャトラの説明も、一般的な説明でなく、この春日氏が経験的に培ったものの中から説明してくれているような印象で、読んでいて非常に面白い。本の半分は天文暦ですが、今はソフトで出せるので、ページがちょっともったいない。でも、買って損はないです(絶版で高いけど)。

 

 

まだ続きますが、今回はこのへんで・・・m(__)m

 

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