インド占星術は「カルマの法則」がその根底に流れており、運命というのは、過去のカルマから成り立っているとされます。

カルマの法則とは、簡単に言ってしまえば、『与えた物は、良かれ悪かれ、その人に返ってくる』 という法則です。

 

すなわち、今、私が受けている苦しみは、過去に、誰かに、私が与えた苦しみで・・・

今日、誰かに与えてしまった悲しみは、いつの日か、私が受けるであろう悲しみです。

 

この思想は、仏教・ヒンドゥ教などのインドの思想だけでなく、今やいたるところにカルマ側があることを主張する人がいます。

例えば、エドガー・ケイシーは、リーディングの中で

「永遠なる法則である根本法則は、蒔いた種はいつか必ず刈り取らねばならないということである」

と、繰り返し主張しました。

 

与えた力が返ってくるというのは、物理法則的に言えば、「作用・反作用の法則」です。

物理法則の世界では、「作用反作用の法則」は厳密・正確に成り立ちます。(※1)

カルマの法則というのは、「作用・反作用の法則」の精神世界バージョンと言えるかもしれません。

 

 

さて、物理法則には、また「質量保存の法則」や「エネルギー保存の法則」、「運動量保存則」というものがあります。

「~の保存の法則」とは、その量が一定であり、消えたり、増えたりすることがないという意味です。

 

もし仮に、カルマも定量化でき、物理法則と同じぐらい厳密に成り立つなら、それは保存される(量が変わらない)という仮定が成り立ちます。

 

例えば・・・

誰か(A)の苦しみは、過去世に悪いことをした結果だったということになり、別の誰か(B)がその人(A)を苦しめることによって、その人(A)のカルマを(B)が引き継いだことになります。

そうやって、その人(A)のカルマは消え、次はその誰か(B)に受け継がれる・・・

そうして、また彼(B)を害する人(C)が現れて、その人(C)が彼(B)のカルマを引き継ぐ・・・

そうやって人から人へ引き継がれ、それは常に消えることも増えることもなく、保存され永遠に存在し続けていく。

 

そう考えれば、「質量保存の法則」、「エネルギー保存の法則」と同様に、「幸・不幸量保存の法則」または「カルマ量保存則」なんてのもあるのかもしれません。

仮にその法則が成り立つと仮定すると、この世界という閉鎖系を考えた場合、その中の良いことも悪いことも常に一定量・・・バランスを保っていることになりますね。

 

 

(※1:唯一、電磁気学の世界では、力関係は見かけ上成り立たないように見える系がありますが、電磁波まで入れると成り立つとされます)

 

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