メルマガからの部分転載です。

 


 

【1.アヤナムシャについて】

今日はアヤナムシャについて詳しく解説しようと思います。
皆様、基本は分かっていると思いますが、復習がてら、どんな種類があるか見ていきます。

さて、西洋占星術はトロピカル方式を使います。
トロピカル方式では、春分の時の太陽の位置を牡羊座の開始点(0度)とします。そこを基準として、各星座に30度ずつを均等に割り当てています。

この春分点は72年に1度の割合で毎年少しずつ逆行しているため、占星術に用いる星座と実際に夜空に見える星座の位置がかなりずれています。(実際に夜空を見ると、魚座の中間ぐらいが牡羊座の始まりとなっています)

一方、インド占星術はサイデリアル方式を取り、ある恒星の位置を基準として各星座それぞれに30度ずつを均等に割り当てています。この方式は、動きのない恒星の位置を基準にしているため、星座が空間に固定され、夜空に見える星座と占星術に用いる星座がかなりの部分が重なっています。(星座にもいろいろな大きさがあるため、若干ですが見た目に外れているところがあります。)

この、トロピカル方式とサイデリアル方式の天文座標の間に生ずる差(角度差)をアヤナムシャ言います。

さて、このサイデリアル方式も研究者により基準とするものが異なり、いくつものアヤナムシャがインドにあります。しかし、今日では公式政府を認可されたラヒリのアヤナムシャが最も広く使われています。ただし、声高に自分の見解が正しいと主張する研究者もいます。

角度的には1~3度程度の小さな違いですが、星が星座の境目にある人や高分割図などを見るときには、多少の違いでも命取りです!

いろいろなもので試して研究・検証してみるといいですね。(KP占星術を使う人はクリシュナムルティのアヤナムシャを使用する方が、もしかしたらいいかもしれません。)

 

ちなみにJagannathaでは、

Preferences→Related to calculation→Ayanamsa

でアヤナムシャを選ぶことができます。(下記図参照)

ジャガンナータ・アヤナムシャ

下記にいろいろなアヤナムシャを載せておきます。

※注)下記は1900年1月1日におけるアヤナムシャです。
72年に1度進むので、2015年ですと、
(2015-1900)/72= 約 1.597(10進法)=約 1:36(60進法)
を足して使用してください。(例えば、2015年1月1日のLahiriのアヤナムシャは24.0575°(10進)=24度03分37秒(60進))

 

名前 アヤナムシャ

(10進法)

アヤナムシャ

(60進法)

参照
Lahiri (Chitra Paksha) 22.46047 22:27:37.7 恒星スピカ(Chitra)を天秤座を0度とする
De Luce 26.41305 26:24:47 Zeta Piscium (Revati)を基準とする
Raman 21.01444 21:00:52 B.V. ラマンによる計算
Ushashashi 18.66096 18:39:39 定義は知られていない
Krishnamurti 22.36389 22:21:50 クリシュナムルティの計算
Djwhal Khool 26.96310 26:57:47 西暦2117年に春分点が水瓶座へ移動するとした地点
Sri Yukteswar 21.08222 21:04:56 神聖な科学
JN Bhasin 21.36556 21:21:56 定義は知られていない
Fagan-Bradley 24.04204 24:02:31.4 恒星スピカ(Chitra)を乙女座の29:06:05度とする

 

中にはかなり角度の違うものもありますね。(←Ushashashiとか)

「あるヨギの自叙伝」で有名なスリ・ユクテスワは21度04分56秒のアヤナムシャを使っていたようですね。(ラーマンと似ています)

ちなみにラオ先生はインド公認の「ラヒリ(Lahiri)」を推奨しています。

ラオ先生はラーマン先生のことを非常に優れた占星術師と言っていますが、彼のアヤナムシャだけは間違っており、彼の分割図は使い物にならないと言っています。

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