メルマガのコラムからの転載です。


 

ichiさんが、研究掲示板で『鑑定していて思う事』・『インド占星術をどこから学ぶか』について投稿してくれてますので、私も少し、鑑定していて思う事や学び方について少し言及したいと思います。

 

皆様、鑑定していて、読み取るのに悩むのはどういう時でしょう?

おそらく、一番苦慮し、読むのが難しいのが、吉凶混合の場合じゃないかと思います。
そして、覚えた技法の数が多いほど、吉凶混合が激しくなりやすいです。
言い換えれば・・・皮肉なことに、勉強すればするほど、判断が難しく、迷いが生じることになります。

例えば、結婚や恋愛を見る時、初学者は7室しか見ません。
7室に木星があれば、「お!結婚運いいぞ!」という事になり、土星や火星があれば「良くないですね!」という事になります。
判断のパラメーターが一つしかないので、判断もどちらか1つになり、迷うことはありません。

それが例えば、ちょっと学習して、支配しているハウスも覚えると、「7室に木星だけど、8室支配星だぞ。どうなるのかな?」とか、「7室に土星だけど、9-10室支配星だぞ!?」とか、吉凶混合が出てくるわけです。
要するに、ここで、良いのか悪いのか、迷いが生じるわけです。

勉強が進み、アスペクトやコンジャクト、星座の特徴も覚えれば、それらも考慮しなければならなくなるでしょう。
そして、さらに学習が進み、結婚や恋愛運について、金星の状態、月ラグナの7室、金星から7室、それぞれの星の強さ、ナヴァムシャ、他の分割図、ウパパダ、ナクシャトラや互いの相性、アシュタカヴァルガ・・・と見ていくと、全部良かったり悪かったりする場合はほとんどなく、どうしても吉凶混合にならざるを得ません。
こうなってくると、非常に判断が難しくなります。

そして、非常に残念なことに、これらの吉凶の混合時の読み取り方については、テキストでも詳しく解説がなされていません。
テキストに書かれている技法は、「こうなると良い」「こうなると悪い」というのがほとんどで、じゃあそれが両方あったらどうするの?というのはほとんど書いていません。
(※他にも例えば、テキストでも鑑定例など取り上げられることはありますが、例えば結婚のいい例・悪い例、仕事のいい例・悪い例など、成功した例、悲惨な例など、両極端の物が多く、どっちつかずの微妙なものは、鑑定例として取り上げられることは稀です。)

この吉凶混合時にどう判断するか、またどう細かく読み取れるかが、プロとアマの差、もしくは経験の差なんだと思います。
言い換えれば、読んだ様々なことを、統合し、読み取る能力が問われるという事です。
そして、これらはテキストに書いていないので、自分で研究していかなければならず、個人の資質・才能による部分が多いと言わざるを得ません。

この統合の仕方も、「良いことも悪いこともあるから、運勢は中くらいです」、というのは簡単ですが、塩と砂糖を合わせても、無味になるわけではありません。
良いことも悪いこともたくさんあり、プラマイで中くらいというのと、良いことも悪いことも何もなく中くらいというのでは、同じ中くらいでも訳が違います。

ポイントとしては、パラメーターをたくさん持つこと・・・
「良い」と「悪い」だけでは、パラメーターが一つしかありません。
出てくる結果は、良いか悪いか中くらいしかありません。

むしろ、「良い」と「悪い」という言葉を使わずに、多面的に見る・・・これが重要なのではないかと思います。

例えば、『牡牛座ラグナで金星と月が1室。7室・土星だけど、土星はRKY強い。7Lが11Hで魚座在住で、その7Lに2-5Lの水星(定座)のアスペクト、8室に木星定座、ナヴァムシャでは星回りが良い』とします。

初学者は「良いことも悪いこともあるから、中くらいです」としか言えません。

これが中級者になれば、
「晩婚だけど、お仕事系で知り合い、相手は年上か老け顔で、ロマンチックな結婚で、相手はお金持ちで幸福な結婚になる」とか・・・

さらに上級者になれば、もっと多角的に読み取ることができるようになるでしょう。(←上級者でないからわかりません)

技法を多く学ぶと、混乱しやすくなります。
初学者のように、基本だけを忠実に見ていく方が当たると言われるのは、そういうことも要因であると思います。
でも、技法が多ければ、細部まで細かいところが見ていけることも事実です。

学んだ技法が、足を引っ張らないように、統合する力・多角的に見る力を養っていくことが重要かと思います。

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