【1.AmKとチャラ・ダシャー】

前回、ラーシ・ダシャーでの基本法則をやりましたが、今回はカラカによる見方をやります。

ジャイミニ系&チャラダシャーで、特に重要な役割を担うのがアマティア・カーラカ(AmK)です。今日はAmKの見方をやります。

ちょっと復習ですが・・・

  • アマティア・カーラカは2番目に度数の高い星です。
  • アマティヤは言葉上では「大臣」という意味で、実際上は援助者・アドバイザーを指します。
  • 基本的には2室の象徴となります。2室の基本象意である「富」は家族のような人的な富も含まれ、そこから支援者・サポーターという意味も出てきます。
  • アマティア・カーラカは仕事の成功や、金運を見るときに非常に重要になります。
  • 富・経済・言葉・家族など、2室を象徴しますが、成功や仕事など、5、9、10室の象意も含みます。

 

〔アマティア・カラカ(AmK)の見方〕

アマティア・カーラカには以下のような法則があります。

 

【成功の有無の見方】

以下の場合は成功しやすい星回りとなります。

① AmKがケーンドラかトリコーナ、あるいは11室に在住している時

② AKとAmKがお互いにケーンドラにあるとき

(とくにAmKがAKから見て1室(=同居)や10室目にあるとき)

③ AKとAmKが(ジャイミニ)アスペクトするとき

④ GKや凶星、8LによりAmKが傷ついていない時

⑤ AmKが定座、または高揚している時

⑥ 上記の①~⑤がラーシとナヴァムシャの両方で多数見られる時は成功が約束される。一方のチャートにしかできていない場合は、必ずしも結果が伴わない。

 

〔その他の原則〕

① AmKが凶星で配置やアスペクトが悪いとき、よい時期には勢いがありますが、対外的なイメージはあまりよくありません。あるいは、そのようなチャートの持ち主は専門技術者になる傾向があります。

② AmKが吉星で、しかも吉星と絡んでいるが、その吉星のひとつが減衰していたり、8 室などの凶ハウスを支配していると、よくない時期になると仕事で挫折したり悪いイメージがつきまとうなどする。

③ AmKと6 室が絡み、それに8 室の支配星が絡まなければ、戦い抜く能力を示すので、よい時期では努力することができる。もしこのようなAmKに木星がアスペクトしているとき、あるいは高揚の惑星が絡むとき、成功し、知性や芸術、文芸、占星術などの分野で秀でる。

 

〔成功の時期の見方〕

① 成功、つまり仕事上における上昇は、AmKが在住する星座のマハーダシャー期あるいはアンタルダシャー期に訪れる傾向がある。(要はその星座から1室目)

② マハーダシャー期またはアンタルダシャー期の星座から数えて、AmKが9室、10室、11室に在住するときにも成功しやすい(特に10室について当てはまる)。

③ AmKのアスペクトを受けている星座のマハーダシャー期・アンタルダシャー期も、弱いながら成功が期待できる。

④ AmKが重大なラージャヨーガと絡んでいるとき、あるいはAmKが出生図やナヴァムシャにおいて最高星位や定座に在住して強いとき、この傾向は特に顕在化する。

 

〔鑑定例:ビル・ゲイツ〕

それでは、分かりやすいように鑑定例に行きます。またビル・ゲイツさんの登場です。

星座期 開始 終了 主な出来事
Ge: 1955/10/28 1958/10/28
Ta: 1958/10/28 1963/10/28
Ar: 1963/10/28 1968/10/28
Pi: 1968/10/28 1975/10/29  ハーバード大学入学
Aq: 1975/10/29 1979/10/29  マイクロソフト創設
※天秤座9室目
Cp: 1979/10/29 1982/10/28  MS-DOS開発
※天秤座10室目
Sg: 1982/10/28 1990/10/28  WINDOWS開発
※天秤座11室目
Sc: 1990/10/28 2000/10/28 WIN95発売
独禁法違反・会社分割
結婚1994年Sc-Cn期
長者番付1位1995年~
Li: 2000/10/28 2012/10/28  長者番付1位~2007年、2009
ビル&メリンダ・ゲイツ財団設立:2000年
※天秤座1室目
Vi: 2012/10/28 2024/10/28 2014年会長職を引退
長者番付1位:2014年、2015年
Le: 2024/10/28 2034/10/29
Cn: 2034/10/29 2038/10/29

前回やったように、ビルゲイツの天秤座にはAmKとAK(5Lと9Lも)があり、その金星は定座、土星は高揚と、非常に良好なラージャ・ヨガがあります。

 

【チャラダシャー】

チャラ・ダシャーでは、水瓶座期(1975.10~1979.10)、すなわち天秤座が9室に入ったころより彼は成功しています。

また、水瓶座は、天秤座のAmKとAKからの強力なアスペクトを受けています。

この水瓶座期に彼はハーバード大学を中退し、マイクロソフトを創設しました。

山羊座期(1979.10~1982.10)は、山羊座から見てAKとAmKは10室に在住しています。この時期、マイクロソフト社が劇的に発展する時期でした。

この時期に、ビル・ゲイツはIBMに新しいOSであるMS-DOSを納品し、それはやがて業界標準となりました。この成功でビル・ゲイツとマイクロソフトは巨万の富を築き、ソフト業界で不動の地位となりました。

その次の射手座期(1982.10~1990.10)です。AKとAmKは11室に在住しています。

この時期マイクロソフトはGUI環境のWindows を開発。Windows 3.0を1990年に発売し、大ヒットします。Windowsは事実上OSの標準の地位を確立しました。ビル・ゲイツの個人資産も膨大になりました。

次の蠍座期(1990.10~2000.10)はAmK・AKは12室に在住してますが、マイクロソフト社はWindows95を発表し世界的にヒット!さらに拡大を続けます。しかし、それが仇でアメリカ政府から独禁法違反で提訴され、会社の分割が言い渡されました。

2000年から天秤座期(2000.10~2012.10)に入ります。AmK・AKは1室となります。乱立していたオフィス系ソフトも淘汰が進み、このころからWord、Exel、PowerPointなどは業界標準になりました。WinXPは安定で、OSのシェアを伸ばしました。ビルゲイツは個人資産で1995年から2007年まで13年連続の世界一となりました。

 

次回はチャラダシャーの解釈-その②をやる予定です。

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