【テーマ研究】:職業・適職について
さて、相性にも飽きたので、今日はお仕事系を取り上げたいと思います。
鑑定依頼で多いのが「私の適職はなんですか?」という質問ですね。
先日、りょうさんがブログのコメント欄に来て、適職を聞いていましたが、個人的に言えば、インド占星術は適職を探すのが難しいと感じます。
就いている職から分析して、チャートでその理由を見つけることは比較的簡単ですが、
逆(=チャートから、適職まはた現在の職を当てること)はかなり困難なように感じます。
理由はいくつかあると思いますが、一番は候補がたくさん出過ぎてしまう事です。
10室と10Lとそれにアスペクト・コンジャクトする惑星、それをラグナと月ラグナとナヴァムシャと分割図(D10)で見ていけば、絡む惑星・ハウスが多すぎて、なかなか一つに限定できないという事があげられます。
もう一つは、時代性と職業の多様化・複雑化があげられると思います。
昔はシンプルな生活・制度だったため、職業の種類があまりありませんでした・・・江戸時代は士農工商、インドでもブラフミン、クシャトリヤ、バイシャ、スードラと4つに分類です。
4つのうちのどれかなら、当てるのも比較的簡単かもしれません。
しかし、現代は、この分類には当てはまらないものがたくさんあります。
また、仕事も複雑化していて、コンピュータも使って、車も使って、物を作って、それを売ってというような人もたくさんいます。
また、昔と違って、現代は転職が当たり前で、職種がガラッと変わる人もいます。副業をやる人もいます。
このあたりのことを考慮すると、チャートから適職を見つけるというのは非常に難しくなってきていると思います。
私が考慮するのは、以下のようなことです。(※だいたい上にある方が優先順位が高いです)
〔適職鑑定において着目する点〕
ラーシ、D9、D10において、ラグナ・月ラグナ、太陽ラグナ、ダシャナータ(ダシャー支配星)で下記について見る。
- 10室に在住している惑星(惑星の種類・支配しているハウス)
- 10室支配星の在住するハウス
- 10室支配星の在住する星座
- 10室支配星の種類
- 10室支配星がコンジャクト・アスペクトされる惑星(惑星の種類・支配しているハウス)
- 10室支配星のディスポジター
- 形成しているヨガ(※例えば、ケダーラ・ヨガは農業、スーリヤ・グルは教師、シャカタ・ヨガが車関連など)
- その人の星回りで、強い星や強いハウス、強い絡みのある惑星やハウス(※才能・人生のテーマより読み解く。特に、ラグナ重視・・・例えば、1室・太陽なら、独立・起業・社長・役員・政治系など)
- 10室支配星の在住するナクシャトラ
- 10室支配星の在住するナクシャトラの支配星の在住する星座・ナクシャトラ
- その人のラグナやジャンマ・ナクシャトラからの適職
- カラカムシャからの適職
上記を考慮するにしても、何か明確な優先順位をつけないと、判断が難しいですね。^^;
「Journal of Astrology 2000年 4-6月号」にラオ先生の執筆した職業に関する記述がありますので紹介します。(※以下、破線内の記述は大森一氏の訳です。インド占星塾の記事より抜粋。)
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【原則:その1】
①まず最初に10室を検討し、そこに在住する惑星とそれにアスペクトする惑星を検討する。
②10室の支配星を検討し、それとコンジャンクトあるいはアスペクトする惑星を検討する。
③最後に、出世図とナヴァーンシャの10室支配星をナヴァーンシャの上で検討する。
以上を総合し、鍵となる惑星によって示される特徴をつかむ。
【原則:その2】
①月とラグナを比べて、どちらが強いかを調べる。
②次に、月とラグナから見た10室の支配星を比べて、どちらが強いかを見る。
③最後に、ナヴァーンシャで月とラグナから見た10室の支配星を比べて、どちらが強いかを見る。
【原則:その3】
3つめの原則は、最初の原則の拡張です。まずは、以下の内でどれが一番強いかを調べます。
a アセンダント
b 月
c 太陽
① 上の中でもっとも強い惑星から10室の支配星を、出生図とナヴァーンシャで調べる。
② これまでに見てきた解析手法を当てはめる。
これ以上、例証はしない。これらの原則だけでは、職業を明瞭に読み解くことができないからだ。
この混乱から逃れる方法として、簡単なジャイミニ式占星術が使える。
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とのことです。
また、ペルセフォネ―先生の「インド占星術の秘宝」には、
ラーシでの10室支配星が、ナヴァムシャにおいて、どの星座に入っているかがその人の適職を示すと書かれています。これは、上記の原則1-③に対応します。(また本には確実ではないとも書かれています)。
ラグナ、月、太陽の強い星に着目ということなら、ある程度、絞れるかもしれませんね。
以下に、無料鑑定掲示板に鑑定依頼に来た人の中で、職業系が分かっている人の例をいくつか示します。(※私が鑑定した人のみです。職業運が悪くて、適職とみなせない人は省いてます。)
上記の法則を念頭に置きながら見てください。
また、まず腕試しで、チャートだけを見て自分で鑑定し、職業を推測してから解説を見るようにしてください。(※チャートと解説の文章の間に、2~3行の空白を設けますので、チャートが出たらページのスクロールを止めて、まず解説を見ずに鑑定してください。)
〔例1.プシュアさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=1649;id=#1649
親の残した会社を、弟が社長になり、補佐・お手伝いの様な形で仕事をしているとのこと。
・弟の3Lと自分の1Lが富の2室でコンジャクトし、定座の2L(富)とも同居。
・仕事の10Lは遺産の8H で、8Lとコンジャクトで、8室と強く絡みつつ、富(2L)・弟(3L)・自分(1L)と相互アスペクト。
・遺産の8室は土星・8L定座+ヴァルゴッタマで非常に強い。
かなり典型的です。
〔例2.Y.Oさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=217;id=
こども関係のお仕事をされているようです。(未就学児さんやその保護者様を対象にした参加型コンサートとのこと)
今後、ベビーヨガ・ベビーマッサージ・リトミックイベント(参加型音楽表現のイベントです)・子育て初心者のママさんカウンセリングなどを行っていく為、資格取得をめざし勉強中とのこと。また、未就学児向けオリジナルミュージカルなども考えているそうです。
・5L(子供)の月が、1-10L(自分・仕事)の木星とフルアスペクト。
・ガジャケーサリー、かつ、ウパチャヤ、ドシュタナを含まない良質の1-5-10のラージャヨガがあり。
・さらには、月がバラニーで、子供が関わる仕事を示唆。
http://indian-vedic-astrology.com/nakshatra.html#n2
・また、表現・芸術の3室支配星かつ、美や芸術、文化を示す金星が1室(自分)に入り、高揚してますので、芸術・文化系・コミュニケーションの才能もありそうです。
・仕事の星(10L)が、8室に在住。さらに、1-8で星座交換、かつ8Lが1Hで高揚。1-10の木星が8室在住、かつ5Lの月のアスペクトがあり、ガジャケーサリー、ラージャヨガがあります。8室は恐ろしく強いです。
この方は、ふうりんさんという名で再投稿しています。
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=1084;id=#1084
霊感が強く、タロットを始めるとのことです。
将来的に、占い師などになるかもしれません。
〔例3.みぢんこさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=929;id=#929
彼は大工をしています。株式投資もしているそうです。
・ラーシで4室(家・不動産)支配星が10室(仕事)に在住。
・ナヴァムシャでも10L→4Hで、アスペクトバック。
・土星は「構築」を示しますが、これが4室に入って、10室をアスペクト。
・水星・10L(仕事)→2H(富)で、8L(不労収入)の月が定座(8H)で相互アスペクト。おそらく株式投資を示していると思われます。
※仕事が4室が関わり、それに土星と火星が関わると、高確率で建設・大工系の仕事が多いそうです。上記は火星の絡みはありませんが。
〔例4.アヤスケさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=820;id=#820
会社役員してて、5月に社長になったということです。
自社製のランチ(弁当)を配達しているそうです。
かつては葬儀とパーティに特製料理を仕出しする業務も兼ねていたそうです。
・1-10Lの水星が10室・定座でかなり良い。
・アマラヨガに、バーダラヤナヨガを形成し、さらに良い。
・D-9では5-6-9-10のラージャヨガ、グルマンガルヨガがあり。
・3-8L火星のアスペクトは仕事上のトラブルや困難も示唆。
また12Lの太陽とコンジャクト、太陽はD-9で減衰・・・太陽期には仕事を変えるかもしれない。
・太陽10室なんで、役員・管理者・社長を示唆。
・ナヴァムシャでは、月は蟹座の1度ですが、おそらく双子座の可能性が高いです。この場合、月が10室在住となり、もしくは販売を示します。この月は2室支配なんで、食べることに関わり、弁当の販売はドンピシャとなります。
〔例5.non.iさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=673;id=#673
着付けのお仕事です。着付けはスタジオに派遣されたり、個人の出張着付けをされている方のお手伝いをしているとのこと。また、着付けだけでなく、ヘアメイクの勉強もしているとのこと。
あと、旦那さんの健康食品販売の仕事を手伝っているとのこと。
・10室に4つ惑星集中、Ve+Me+Saは非常に良い組み合わせ。
・しかし、火星のアスペクトもあって、MaSaCoもあり。
・1-2-3-5-6-8-9-10+Keで、ラージャヨガも多数。
・10Lの水星定座。
・3室(表現・芸術)と5室(創作)、6室(サービス業)、金星(美・芸術)が10室在住。
・健康食品系は、口・食べ物の2室系、あと、医療系の6室や8室支配星が10室在住。図は示してませんが、D10では、7-10L→10Hで、旦那が関わります。
・ナヴァムシャでは6-10の星座交換で、どちらも減衰(例外側)・・・6室はサービス業。
・ナヴァムシャで10Lに3L(表現・趣味)の金星(芸術)のアスペクト+1Lで高揚の土星のアスペクト。
〔例6.そめいさん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=533;id=#533
整体の仕事を個人経営で行っています。整体、ヨガ、インド占星術、アーユルヴェーダ、海外物販にも興味ありとのこと。
・8室(生命・医療系)が強い。木星・8L→1Hでディグバラ・友好星座。6Lの土星とコンジャクトで、不完全(←ドシュタナ以外の室)ながらヴィパリタ・ラージャヨガ。
・月12L→8Hでヴィパリタ・ラージャヨガ(←アスペクトありで不完全)かつヴァルゴッタマ。この月がRYKの火星とアスペクトで、チャンドラ・マンガラ・ヨガを形成。12室・8室系のことでの成功が期待されます。よって、整体、ヨガ、インド占星術、アーユルヴェーダは適合します。
・また、D9において、10室にラーフ(海外)+月(販売)。10Lは12Lとコンジャクト。ラーシの12室のRaも海外っぽい。月は両方魚座・レヴァティ。海外物販の興味はこの辺りからか。(※転職が多いとも読める)
・10L→10Hで金星定座・マーラヴャ・ヨガ。
・2-11L→11Hで定座・ヴァルゴッタマ、1L→11Hでダーナヨガ・・・金運は良いかも。
〔例7.ちーぴーさんの娘さん〕
http://indian-vedic-astrology.com/bbs-consultation/c-board.cgi?cmd=one;no=121;id=#121
まだ職は決まってませんが、現在は体育の教員になろうとしています。希望校を体育大学にすることはほぼ決定。
「教員になれなければ、人のために体を動かす介護職の可能性は大いにあると思います」とのコメント
・6-10室の星座交換。6室は競争・競技(スポーツ)・医療(病気)・奉仕
・10Lの太陽はアシュビニー(医療系)で高揚
・3-5室の星座交換。(5Lは減衰。例外則。)・・・3室は訓練・元気・努力。5室は教育。
〔例8.ISOP(私)〕
研究職やってます。主に、磁性体・磁石の研究です。
また、インド占星術師で、占星術系の副収入も少しあります。
また山伏ですが、こちらの収入はなし
・10Lは火星で、8L(研究)の土星のアスペクトあり。(火星+土星は技術・理系)。
・10L→2Hで、9L→8Hの木星のアスペクトがあります。(グル・マンガル、ラージャ・ヨガ)
・1室に太陽は、機械や石工を示すとのこと。(一応、磁石は石かもしれません^^)
・D9では、木星が10Lで、10L→3H。3-8L→9Hの金星のアスペクトを受けてます。
以上です。
いかがでしたでしょうか?
解説を見ずに行った自分の鑑定は当たりましたか?
ある程度、法則には則っていると思います。
何を考慮するのか、何が優先されているのかをよく見て、適職探しの参考にしてください。
テーマ研究記事 適職編ありがとうございます。
私も正直チャートから適職を当てるって、相当難しいと感じます。
自分のチャートで、ヴィムショッタリダシャーを見ながら10室などが強く絡む時期を精査しても
あぁ・・・んーー? という具合で
まぁ、確かに言われてみればそれっぽいかなぁ・・・くらいです;
インド占星術に対する興味が失われない限り
一生、チャートやダシャーと睨めっこしていそうな気配がいたします。
発芽玄米さん、こんばんは。
コメント、ありがとうございますm(__)m
また機会があったら、いろいろテーマ研究してみたいと思います。
適職難しいですね!^^;
うちゃさんも以前にブログでそんなことを言っていました。
プロの方々はどうやってるんですかね?
見るときの優先順位とか、明確に分かる方法とかあればいいですが・・・
清水先生あたりに、一度聞いてみたいです。
ただ、チャートを見なくても適職は分かります。
適職とは、『誰からも「やれ」と言われないのに、自然にそれをしてしまうこと』なのだそうです。
こんばんは、目から鱗が落ちるとは、このことをいうのでしょうか。
誰からもやれと言われないのに、自然にそれをしてしまうことですか~・・・。
おぉぉ・・・。(しばし、宇宙の彼方へ)
ISOPさん、何かが少し掴めたかもしれません。
ありがとうございます。