久々の占星術記事です。

今日から、分割図を何回かやりますので、その前に分割図の概要についてやります。

以前に、分割図基礎ということで概要を紹介しましたが、各分割図の説明が1行、または単語数個のみでしたので、もうちょっと掘り下げて、詳しい説明をしたいと思います。

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【1.分割図の概要】

分割図には、重要なものをまとめたグループというものがあります。
最も重要な6つの分割図を『シャド・ヴァルガ』といいます。
また、パラシャラが重要性を述べた16個の分割図を『ショーダシャ・ヴァルガ』といいます。他にもいろいろ組み合わせがあります。

以下に重要な組み合わせを述べます。

 

シャドヴァルガ(Shadvarga)
「シャドヴァルガ(Shadvarga)」は文字どおりに、「6つの分割図」を意味しています。シャドヴァルガは以下のグループです。

〇分割図

(1) ラーシチャート
(2) D-2
(3) D-3
(4) D-9
(5) D-12
(6) D-30。

 

サプタヴァルガ(Sapta varga)
「サプタヴァルガ(Saptavarga)」は「7つの分割図」を意味しています。サプタヴァルガは以下のグループです。

〇分割図

(1) ラーシチャート
(2) D-2
(3) D-3
(4) D-7
(5) D-9
(6) D-12
(7) D-30

 

ダシャヴァルガ(Dasa varga)
「ダシャヴァルガ(Dasavarga)」は「10つの分割図」を意味している。ダシャヴァルガは以下のグループである

〇分割図

(1) ラーシチャート
(2) D-2
(3) D-3
(4) D-7
(5) D-9
(6) D-10
(7) D-12
(8) D-16
(9) D-30
(10) D-60

 

ショーダシャヴァルガ:Shodasa varga
「ショーダシャヴァルガ(Shodasavarga)」は「16つの分割図」を意味している。ショーダシャヴァルガは以下のグループである

〇分割図

(1) ラーシチャート
(2) D-2
(3) D-3
(4) D-4
(5) D-7
(6) D-9
(7) D-10
(8) D-12
(9) D-16
(10) D-20
(11) D-24
(12) D-27
(13) D-30
(14) D-40
(15) D-45
(16) D-60

 

以下に、パラシャラご推薦の、基本となる16個の分割図、ショーダシャ・ヴァルガについて解説します。


 

1. ラーシ、出生チャート(D-1:Rasi/Birth chart)
これが占星術の分析の基本となるものであり、すべてを総合的に見ることのできる非常に重要なチャートです。他の全ての分割図チャートは、この出生チャートの見積もりを前提として、影響を示さなければなりません。要するに、すべての分割図チャートは、出生チャートの補足となるものです。より正確な分析のために他の分割図チャートを参照することは、常に望ましいです。

 

2. ホーラ(D-2:Hora)
通常、その人が持つであろう富の大きさ、またその獲得の方法について情報を知るために参照されます。男性の惑星が太陽のホーラにあると有益であり、女性の惑星が月のホーラにあると有益なものとみなされます。
多くの惑星が太陽のホーラであるならば、その人がお金を稼ぐのにハードワークが必要と言われます、しかし、富の量は良い場合もあります。
月のホーラが優位を占めるならば、富を得ることは比較的簡単です。しかし、これは、ホーラ・チャートで作られるダーナ・ヨガに寄ります。

 

3. ドレッカナ(D-3:Dreshkona)
通常、ドレッカナはその人の兄弟に関することについて参照されます。
また、ドレッカナは健康や寿命の分析にとって非常に重要になります。第22番目のドレッカナの支配星がその人の健康と長命に良くないと言われます。また、サルパ・ドレッカナ(Sarpa Dreshkona)とパシャ・ドレッカナ(Phasha Dreshkona)に存在している惑星は、その人に良くありません。

 

4. チャトゥルタムシャ(D-5:Chaturthamsha)
通常、その人の幸福と主に不動産(固定資産)を持つ可能性に関して参照されます。
また、このチャートは、外国への出国の可能性、または居住の変更(引っ越し)について参照されることもできます。また、女の子の子供の結婚についても、この星占いから読むこともできます。(←通常、女の子は結婚に伴い、住む家を変えることから)

 

5. サプタムシャ(D-7:Saptamsha)
これは子供たちについて、そして子供たちを持つことに由来する喜びの情報を見るために参照されます。子供のカラカと出生チャートにおける5室支配星、サプタムシャの5室と5室支配星を考察しなければなりません。

 

6. ナヴァムシャ(D-9:Navamsha)
これは、最も重要な分割図です。ナヴァムシャは、惑星の実際の強さを見るのに用いられます。出生チャートで高揚の惑星も、それがナヴァムシャで減衰するならば、あまり良い結果を与えないか、または、その影響は薄められます。しかし、ヴァルゴッタマを得ることによって、または、ナヴァムシャで高揚することによって力を与えられている惑星は、良い結果を与えます。
これは別として、ナヴァムシャは、その人の配偶者、または晩年について知るのに用いられるチャートです。予測占星術上のいくつかの物事は、この分割図チャートに隠されています。通常、未来予測は、ナヴァムシャからも、それを確かめなくてはいけません。
月から第64番目のナヴァムシャの支配者は、寿命とマラカ・ダシャー(Maraka dasa)の計算にとって非常に重要になります。

 

7. ダシャムシャ(D-10:Dashamsha)
このチャートは、通常、その人の職業の詳しい状態を得るのを見られます。出生チャートの第10室支配星の配置と状態(アヴァスタ)は、ここで重要です。またラーシとは別に、この分割図チャートの第10室から、職業とその成功・失敗を考察しなければなりません。他の分割図と同じように、この分割図チャートはラーシ・チャートとコラボレイト(協力)して使用されなければなりません。

 

8. ドワダシャムシャ(D-12:Dwadashamsha)
このチャートは、両親から生じている利益・不利益を見るために参照されます。また、両親のそれぞれの寿命は、このチャートから知ることができます。このチャートは、その人の前世の功徳(Purva Janma Punya)を明らかにするとも言われています。
ここでは、(すべての分割図チャートの場合のように)、生来的なカラカの状態は、見られなければなりません。ここでは、太陽は父を表します、そして、月は母を表します。ここでは、9および10番目のハウスへの影響は、考慮しなければなりません。
また第88番目のドワダシャムシャの支配星は、寿命分析において重要です。またこのチャートは、その人が両親から遺伝的な病気を受け継いでいるかどうかを明らかにすると言われています。

 

9. ショーダシャムシャ(D-16:Shodhasamsa/Kalamsa)
これは、その人の乗り物、更には乗り物による事故について参照することができます。これのために、4室の支配星と第4室への傷は、金星の傷とともに検討しなければなりません。特に出生チャートでも同様の傷が見られるならば、これはひどい事故に至ります。

 

10. ヴィムシャーンシャ(D-20:Vimshamsa)
このチャートは、その人の精神性の高さを知るために参照されます。このチャートは、その人の信仰(upasana)とその人の好ましい神に関して手掛かりを与えるとも言われています。このチャートの5および9室目に在住する惑星は重要です。全体的な惑星の高揚または減衰は、精神的にその人の全体的な成長を理解することに役立ちます。

 

11. チャトゥルヴィムシャーンシャ(D-24:Chaturvimshamsa /Siddhamsha)
このチャートは、個人の教育に関して、より詳細な情報を与えると言われています。考慮されるハウスは、第5室です。さらに、第5室に対する影響は、出生チャートの5室の支配星の状態とともに見られなければなりません。6、8および12室支配星と5室支配星の絡みは、その人の教育的な障害と変更をもたらすと思われます。しかし、そのような惑星に吉星の影響があるならば、教育の変化がその人とって好ましいものとなるでしょう。

 

12. サプタヴィムシャーンシャ(D-27:Saptavimshamsha/Bhamsha/Nakshatramsa)
このチャートは、その人の一般的な強さと弱点を理解するのを見られます。それは、個人のスタミナ、持久力と体力の情報を得るのにしばしば用いることができます。

 

13. トリムシャーンシャ(D-30:Trimshamsha)
このチャートは、通常、特定のその人のために惨めさ、困難と病気を確かめるのを見られます。女性のチャートでは、その人の性格を示すとも言われています。トリムシャーンシャで火星が高揚しているならば、女性の場合には、彼女がいかがわしい性格(questionable character)であると言われます。
また、一般的ではないですが、このチャートは、男性の場合にも性格を確かめるために使用することができます。

 

14. カーヴェダンシャ(D-40:Khavedamsha/Chatvarimsamsa)
これは、通常、その人の縁起の良いことと不吉なことの情報を得るために参照されます。しかし、数秒の時差さえラグナは変わる可能性があり、予測において、このチャートがあまり使われることができない点に注意されなければなりません。完全にレクティファイされたチャートだけで使われなければなりません。

 

15.アクシュヴェダンシャ(D-45:Akshvedamsha/Pancha-chatvarimsamsa)
これは、その人の性格、そして、各事象の一般的な吉凶を確かめることについて参照されます。ここでは、上記の場合と同様に、このチャートは非常に時間に敏感になります。そして、予測をしている間、それを考慮に入れることを難しくします。占星術的にレクティファイ(出生時刻調整)されたチャートに関してのみ使用されなければなりません。

 

16. シャスティヤーンシャ(D-60:Shastiamsha)
聖者パラシャラは、このチャートに多くの重要性を与えました。このチャートからは、あらゆる事象について参照されなければなりません。このチャートは読み解くことを興味深くして、分析を正確にします。しかし、また、この分割図の制限は、それが占星術的にレクティファイ(出生時刻調整)されたチャートに関してのみ使用されることができるということです。

 

さて、概要が終わりましたので、次回はホーラをやります。

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