インド占星術用語集
 
日本語表記 ローマ字表記 説明
ア行                                       占星術用語集へのリンク
アスペクト Aspect 惑星は、他の惑星やハウスに影響を与えあいます。お互いにある特定の位置関係にあるときに、その影響の度合いが大きくなったり小さくなったりします。これをアスペクトといいます。

インド占星術では、一般には、惑星は在住するハウスから数えて第7番目のハウスとそこに在住する惑星の両方に影響を与えます。これをアスペクトするといいます。火星と木星と土星は、7番目以外のハウスと惑星にもアスペクトします。火星は4番目と8番目、木星は5番目と9番目、土星は3番目と10番目です。
アートマ・カーラカ
Atmakaraka 真我の表示体。どの星座に在住するかを問わず、もっとも度数の高い(もっとも30度に近い)惑星をアートマ・カーラカと呼びます。アートマ・カーラカは、特にジャイミニ占星術で重要視されており、アセンダントの支配星のように重要な役割を担うとされています。(参照:カーラカ
アシュタカヴァルガ Ashtakavarga アシュタカヴァルガとは、各グラハ(Grahna)とアセンダントとの距離を判断して、惑星の好ましい位置・好ましくない位置を決めるシステムです。アシュタカヴァルガは、数値的にその位置の吉凶を決め、それは各星座におけるトランジットの吉意を決めるのに使うことができます。また、チャート上の12ハウスの吉意を調べたり、寿命の計算のベースとしても使うことができます。
アセンダント Ascendant ASC、ラグナあるいは上昇星座と呼ばれる。生まれた瞬間の東の地平線と黄道が交わるポイントで、日本語では上昇宮、インド占星術ではラグナといいます。占星術では最も重要な個人の感受点となり、このアセンダントが位置する星座が第1室になります。
アタルヴァ・ヴェーダ Atharva Veda 祭官(バラモン)が祭祀に用いた宗教文典の一つ。幸福を願ったり、他人を呪ったりする為の呪詞が集録されています。
アヴァスタース Avasthas 惑星がその周期に及ぼす影響を決めるのに役立つ惑星状態。●バラディ・アヴァスタ(Baladi Avashta):惑星を5つの熟成状態の1つに位置付けるアヴァスタ(avasta)。5つとは、バラヴァスタ/Balavastha(幼児期)、クマラヴァスタ/Kumaravastha(幼年期)、ユヴァヴァスタ/Yuvavastha(青年期)、ヴリッダヴァスタ/Vridhdhavastha(老年期)、ミリタヴァスタ/Mritavastha(死)である。幼児期の状態にある惑星は25%の影響しか及ぼさず、幼年期の場合は50%、青年期の場合はフルにその影響を及ぼす。老年期に惑星の影響力は小さく、死の状態にある場合は全く影響を及ぼさない。このアヴァスタは、ある惑星がどれくらいの影響を及ぼせるのかを決めるのに便利です。●ディープタディ・アヴァスタ(Deeptadi Avastha):惑星の物理的・精神状態を決めるアヴァスタ。これらのアヴァスタは、惑星の品位(最高星位、最低星位、本来の星位等)、コンバスチオン、惑星戦争、凶星との結合、及び逆行に基づいています。●ジャグラダディ・アヴァスタ(Jagradadi Avastha):惑星は睡眠、夢見、覚醒のいずれかの状態に分類されます。惑星は覚醒状態の時にその影響をフルに及ぼし、夢見の状態の時は中位の影響を、睡眠状態の時は全く影響を及ぼしません。●ラッジタディ・アヴァスタ(Lajjitadi Avastha):惑星が、その配置されているハウスにおいてどれくらいの影響力を持つのかを決めるのに役立つアヴァスタ。惑星がキシュディタ(Kshudhita)若しくはクショビタ(Kshobhita)・アヴァスタにあるようなハウスは苦しみます。●シャヤナンディ・アヴァスタ(Shayanandi Avastha):ある惑星が及ぼせる特別な影響を決めるのに役立つアヴァスタ。時にはその影響も、その惑星本来の性質とは逆な場合があります。特段シャヤナーディ・アヴァスタ(Shayanadi avastha)における凶星は、実際のところ入っているハウスに対して利益を与えることができます。
アヤナーンシャ Ayanamsha

トロピカル星座帯サイドリアル星座帯の度数による差異。

西洋星学で使用されている星座の位置は、毎年の春分点を牡羊座の起点(0度)としています。かつては実際の星座の位置と対応していましたが、地球の歳差運動のために、毎年少しずつ(およそ72年に一度ずつの割合で)星座の位置が逆行し、現在では実際のそれよりもおよそ24度近くズレているとされています。つまり、現在の春分点は、牡羊座0度ではなく、魚座6度付近にあることになります。この星座をトロピカル星座(移動星座)と呼び、実際の星座をサイドリアル星座(固定星座)と呼んで区別しています。西洋星学では、主にトロピカル星座を使用しますが、インド占星術ではサイドリアル星座を使用します。そしてトロピカル星座とサイドリアル星座の差異、すなわちおよそ24度を現在におけるアヤナーンシャ(Ayanamsa)と呼んでいます。

問題は、アヤナーンシャの精度にあります。かつてトロピカル星座とサイドリアル星座は一致していたと言いましたが、実はそれは紀元200年から600年頃と考えられ、実に400年もの幅があります。その理由は、春分点が牡羊座0度にあった時期がいつであったかに関して専門家の間で意見が別れているためです。71.61〜71.67年に1度ずつトロピカル星座とサイデリアル星座の間にズレが生じるので(これもどの時期を指すかにより、あるいは専門家により若干異なるが、違いの影響は無視できる程度に小さい)、たとえば71.67年に1度ずつズレが生じているとして1970年におけるズレを計算すると、これまでの1370〜1770年間に19.1〜24.7度のズレが生じたことになります。つまり1970年におけるアヤナーンシャは平均して21.9度となりますが、最大値と最小値の間に実に5度近くの幅が生じることになります。

これまでに様々な星学家によってアヤナーンシャが提案されていますが、インド占星術家で最もポピュラーなのはインド政府の暦改訂委員長(Secretary of Calender Reform Committee)のラヒリ(Lahiri) が考案したアヤナーンシャです。その他、クリシュナムルティ(Krishnamurti)、ラーマン(B.V.Raman)、ファーガン=ブラッドリー(Fagan/Bradley)、リチャード・フック(Richard Hook)などによるアヤナーンシャが存在します。西洋星学家の間では、ファーガン=ブラッドリーのアヤナーンシャが多用されていると聞きますが、ダシャー・システム、すなわち西洋星学で言うトランジットを見る場合、あまり役に立たないのではないでしょうか。

アリシタ・バンガ Arishta Bhanga チャートにおける惑星のコンビネーションのひとつ。マイナスな星の配置による人生初期の危機を無効にすることができます。
アリシタ・ヨーガ Arista Yoga ハウスや惑星がドゥシュタ・ナハウス(6室、8室、12室)やその支配星と関連すると、アリシタ・ヨーガ(悲惨なヨーガ)を形成します。これは、関連するハウスや惑星が表示するものについての破壊・障害・困難・損失などを意味します。
アンタル・ダシャー Antar dasha

アンタル・ダシャーとは、メイン惑星周期(マハー・ダシャー)のサブ周期である。アンタル・ダシャーは、マハー・ダシャーの惑星並びにアンタル・ダシャーの惑星にあてがわれているタイムスパンによって、数ヶ月から数年間持続します

ヴァラーハミヒラ Varahamihira 6世紀の宮廷占星術家で、ブリハット・サンヒターの著者。ブリハット・サンヒターは古代インドの前兆占いの集大成であり、古典インド文化の百科全書として知られています。
ヴァルゴーッタマ Vargottama ラーシと9分割図のナヴァーンシャの両方で、ある惑星が同じ星座に位置すること。ヴァルゴーッタマの惑星は高揚の星座にある惑星のように強くなると言われています。しかし、減衰の星座でヴァルゴーッタマが成立する場合には逆に凶意が強くなります。
ヴィムショタリ・ダシャー Vimshotari Dasha

多くのダシャー・システムがある中で、ヴィムショタリ・ダシャー・システムは、すべてのインド占星術家によってもっとも多用され、もっとも信頼されているダシャー・システムです。このシステムでは、出生時の月が位置するナクシャトラの位置を始点としてダシャーが計算されます。(参照:マハーダシャーアンタルダシャー、プラティアンタル・ダシャー)

ヴィーパリータ・ラージャヨーガ Viparita Rajayoga 逆転のラージャヨーガと呼ばれ、、そのヨーガを構成する惑星のダシャーの最初には困難をもたらしますが、やがて現象が好転するというヨーガです。ドゥシュタナ・ハウス(6室・8室・12室)が互いに関連するときに形成されるヨーガです。ただし、他のハウスの支配星からアスペクトを受けたりして、他のハウスと関連しないことが条件です。
ヴェーダンガ Vedanga 難解なヴェーダを読み解くためには、事前に修めなければならない6つの教えがあり、それらをヴェーダンガ(Vedanga) と呼びます。6つとは、Shiksha(サンスクリットの発音)、Chhanda(サンスクリットの音韻)、 Vyakarana(サンスクリットの文法)、 Nirkta(難解な単語の説明)、 Kalpa(経典の理解ととマントラの利用)、Jyotisha(占星術)です。
ウパチャヤ・ハウス Upachaya House ウパチャヤ・ハウスは、第3室、第6室、第10室、第11室を指します。ウパチャヤ・ハウスに惑星が在住すると、最初は困難があるが、時間が経つにつれて努力によって改善されるとされています。ウパチャヤ・ハウスを支配する惑星は、やや凶星化するが、ドゥシュタナほどの悪影響はないとされています。

一般に、凶星がうパチャヤのハウスに在住するのは良いとされており、例えば第3室に凶星があれば、努力や強い意思力を意味し、第6室に凶星があれば、集中力を意味します。逆に吉星が第3室に在住する場合、怠惰さとなって現われたり、第6室に吉星が在住する場合は、集中力の欠如となって現われたりすることもあります。

影響力の強い順番に並べると、第11室>第10室>第6室>第3室となります。
ウパパダ・ラグナ Upapada Lagna ジャイミニで使われる重要なラグナのひとつ。12室から12室の支配星が在住するハウスまでの室数だけ、今度は12室の支配星から数えたところのハウスを指します。

ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラにあるシュローカ1−6の第30章には、ウパパダについて次のように書かれています。
オー、ブラフマンよ。私はいまウパパダについて教えを授けよう。妻や子孫による幸福をもたらす吉兆についての教えを。・・・このウパパダは、ガウナ・パダとも呼ばれている。もしウパパダが吉星からアスペクトされたり、吉星とコンジャンクトするなら、子孫と配偶者によって幸福がもたらされるだろう。しかしウパパダが凶のハウスに在住したり、あるいは凶星からアスペクトされたり、凶星とコンジャンクトしているなら、禁欲し、妻帯することはないだろう。もし(それでいて)吉星からアスペクトされていたり、凶星に吉星がアスペクトあるいはコンジャンクトしていたら、独身で終わることはないだろう。
ここで、太陽は、高揚の星座にあったり友好の星座にある場合は凶星とは見なされませんが、減衰の星座に在住していたり、敵対する星座に在住する場合は凶星と見なされます。

シュローカ7−12、ウパパダから2室目の影響:「もしウパパダから2室目が吉の星座か、あるいは吉星からアスペクトされていたり、吉星とコンジャンクトしている場合、同様のよい結果(妻と子供の)が得られるだろう。もしウパパダから2室目に惑星が減衰して在住していたり、あるいは減衰の状態にある惑星とコンジャンクトしていたら、妻に災いが降りかかるだろう。もしウパパダから2室目に惑星がナヴァーンシャで高揚して在住していたり、あるいは他の惑星からアスペクトされていたら、魅力的で徳の高い妻を娶るだろう。もしウパパダあるいはウパパダから2番目のハウスに自室の支配星が在住していたり、あるいはそれ以外の自室に在住していたら、妻は長生きするだろう。

ヴェーダ占星術 VedicAstrology アメリカでは"インド占星術"のことを"Vedic Astrology(ヴェーダ占星術)"と呼んでいますが、現在使われているインド占星術はヴェーダとあまり関係がありません。

だからラオ氏は、「ヴェーダ占星術」という呼び方そのものを否定しています。そもそも、Hindu Astrology と呼ばれるべきものを、アメリカ人が、Hinduという、ヒンズー教を連想させやすい呼び名を嫌って、そのかわりにVedic Astrology と呼んでいるのだとしています。一時、ラオ氏もかつがれてVedic Astrologyと呼んだこともありましたが、現在のラオ氏は、Hindu Astrology と呼ぶようにしているようです。

実際、ヴェーダには、天気やムフルタに関する記述はありますが、「予言を目的とするような占星術」に関する記述はありません。そのような占星術は後世になってできたものだと、ラオ氏から聞きました。

ラオの著書Karma & Rebirth in Hindu Astrologyからの抜粋です。「アメリカ人というのは、インドの精神性の伝統に関心を示すのはいいのですが、インド占星術(Hindu Astrology)のHinduという言葉に含まれるネガティブなイメージを払拭するために、インド占星術をわざわざヴェーダ占星術(Vedic Astrology)と置き換えて呼んでいます。しかし実のところ予言を目的としたヴェーダ占星術などもともと存在しません。これはアメリカ人の造語なのです」
カ行                                      占星術用語集へのリンク
ガージャケーサリ・ヨーガ GajakesariYoga 月と木星がお互いの位置から見てケーンドラに位置する場合、ガージャ・ケーサリ・ヨーガ(学者のヨーガ)を形成します。これは、記憶力・知性・長寿・名声・成功を意味し、政治や社会や宗教の組織の長となるヨーガです。ガージャ・ケーサリ・ヨーガが形成されていたとしても、それだけで、長寿・名声・成功……などを意味するわけではありません。ガージャ・ケーサリ・ヨーガを形成している月と木星が、十分に強い状態であるかどうかを検討する必要があります。これらの惑星が弱い星位にあったり、凶星から傷つけられている場合、このヨーガが良い影響を及ぼすことはできません。さらに、その前に、アセンダントやアセンダントの支配星が、十分に強い状態であるかどうかを検討する必要があります。なぜなら、アセンダントやその支配星は、自分自身(および健康)を表示する重要な感受点であるため、それが弱い場合は、何事も達成できないからです。これは、他のどのヨーガについても言えます。
活動星座 Movable sign /chara 牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座を指します。(参照: 不動星座デュアル<両方の性質を持つ>星座
カーラカ Karakas 表示体。惑星は、必ずなにかのテーマについて象徴します。たとえば、太陽は父親、仕事や地位を象徴しますので、父親・仕事・地位のカーラカであるといいます。月は母親や女性のカーラカです。火星は兄弟姉妹、建設、敵及び自己のカーラカです。水星は母方親類、友人及び労働のカーラカです。木星は子供、繁栄及び教育のカーラカです。金星は配偶者及び乗物のカーラカです。土星は病気、土地所有(不動産)、不健康及び損失のカーラカです。

北インド方式の表示体というのもあり、ラーフとケートゥを除いた7惑星について、在住する星座における度数の高いものから順に、 アートマ・カーラカ、アマティヤ・カーラカ、ブラトル・カーラカ、マトリ・カーラカ、プトラ・カーラカ、グナティ・カーラカ、ダラ・カーラカ と呼びます。それぞれ、以下のような意味合いがあります。そしてそれぞれがハウスに対応しています。

真我の表示体・・・・・・・・・・・・アートマ・カーラカ・・・・・1室(その人の本質を表わします)
心の表示体・・・・・・・・・・・・・・アマティヤ・カーラカ・・・2室(参謀として機能します)
兄弟の表示体・・・・・・・・・・・・ブラトル・カーラカ・・・・・3室
母親の表示体・・・・・・・・・・・・マトリ・カーラカ・・・・・・・4室
子供の表示体・・・・・・・・・・・・プトラ・カーラカ・・・・・・・5室
トラブル・親戚の表示体・・・・・グナティ・カーラカ・・・・6室
配偶者の表示体・・・・・・・・・・ダラ・カーラカ ・・・・・・・7室
カーラカムシャ Karakamsha

出生図のアートマ・カーラカが、ナヴァーンシャにおいて在住する星座を指します。たとえば火星がアートマ・カーラカで、それがナヴァーンシャで獅子座に在住する場合、獅子座はカーラカムシャとなります。ジャイミニ占星術で用いられる概念です。それは出生図上ではカーラカムシャと呼ばれますが、ナヴァーンシャではスワムシャ(swamsha)と呼ばれ、区別されます。

カーリーユガ Kali Yuga

仏教でいう末法の時代に相当します。正法はサティア・ユガとよばれます。この分類は、仏教で言う正法、像法、末法とは必ずしも一致しませんが、パラレルであると考えられます。

正法の時代には、3つの宝(Three treasures:仏・法・僧)があるとされますが、時代が下るにしたがってまず仏(法則を体現したもの)がいなくなり、次に僧(法則を実践するもの)がいなくなり、最後に法(法則)自体もなくなって3つの宝がなくなったときが末法の時代といわれます。人間の寿命も正法から末法に下るにしたがって短くなるとされています。

ラオによれば、カーリーユガの時代には天変地異や戦争が起きて世界が破壊され、そして正法の時代がまた始まるとされています。

カルマ Karma

日本語では「業」として知られている。身・口・意(思うこと、言うこと、行うこと)のすべてを指し、魂が輪廻転生する原因であるとされる。

アカルマ(善業)とヴィカルマ(悪業)の2種類に分類されるが、その分類の基準は、社会一般に通用する道徳や社会通念ではなく、パタンジャリのヨーガスートラにおける戒(禁戒、勧戒)や仏教における戒律(五戒や十戒)です。

吉星/凶星 Benefic/Malefic

惑星は、生来的に吉星か凶星かに分類されます。吉星は、木星、金星、水星、月です。凶星は、土星、火星、太陽、ラーフ、ケートゥです。水星と月は、一般に吉星に分類されますが、その状態の如何によって凶星の働きをすることもあり、吉と凶の両方の性格を持ち合わせています。

また、惑星はどのハウスを支配するかによって、生来的な吉凶の他に、後天的な吉凶の性格を帯びます。3、6、11室を在住するとき、どの惑星も凶星化し、1、5、9室を支配するとき、吉星化します。前者を機能的凶星(functional malefic)、後者を機能的吉星(functional benefic)と呼びます。2,8,12室を支配する惑星は中立化し、もう一方の支配ハウスの影響を受けます。また、ケンドラを支配する惑星は、中立化します。ケンドラを支配する吉星は吉意を失い、凶星は凶意を失います。したがって金星や木星がケンドラを支配すると、吉意がそがれます。

そして、たとえば乙女座ラグナの土星のように、5室と6室を支配するとき、機能的に凶星の要素もありますが、吉意をくみ取って機能的吉星とみなします。しかし土星にとって6室の水瓶座はトリコーナの星座なので、5室の山羊座より強いとして機能的凶星と見なす人もいます。

惑星の機能的な吉凶は、占星術家によって微妙に基準が違うようです。

逆行 Retrogate ある惑星が、地球上の観測点から見て、星座帯を横断して逆行するように見えることを逆行と言います。惑星が天球上を東から西に移動していくように見えるときを逆行と言います。実際に惑星は軌道上を逆行することはないのですが、地球との相対的な位置関係により、逆行しているように見えることがあります。内惑星の場合には、内合(コンジャクション)を中心としたしばらくの間だけ逆行になります。外惑星の場合には、衝(オポジション)を中心としたしばらくの間だけ逆行になります。これは、太陽の回りにおける惑星のスピードの違いから起きます。
グル・チャンダル・ヨーガ Guru-chandalaYoga 木星が凶星によって傷つき、本来の役割を見失い、チャンダラという低俗なレベルに堕落してしまうヨーガです。木星とラーフのコンジャンクションが典型的で、その場合は恩知らずで、ファナティックな宗教性を表わすとラオは言います。
グル・マンガラ・ヨーガ Guru Mangara Yoga 木星と火星がコンビネーションを形成すると、グル・マンガラ・ヨーガを形成します。叡智・実行力を意味します。
クンダリニー Kundalini クンダリニーとは、尾てい骨に眠るといわれている霊的なエネルギーのことで、覚醒すると背筋を上って頭頂にいたるとされています。修行者が高い精神性を獲得するためにはこのクンダリニーの覚醒が不可欠とされています。
ケーマドルマ・ヨーガ Kemadoruma Yoga 月の両側(前後のハウス)に、太陽・ラーフ・ケートゥ以外の惑星が在住していないとき、このヨーガが形成されます。このヨーガは、どちらかと言えばアリシタ・ヨーガ(悲惨なヨーガ)であり、このヨーガを持つ人は、健康・富・学業・知恵・妻・心の安定などあらゆるものを失うとされています。しかしこのヨーガは、月から数えてケーンドラ(1、4、7、10室)に惑星が在住する場合にいくらか緩和されます。
ケーンドラ Kendra 1、4、7、10室はケーンドラと呼ばれています。これらのハウスに惑星が在住すると、その惑星の象意が良くも悪くも強く出現しやすくなります。
高揚と減衰 Exaltation/Delibitation

同じ高揚の星座にあっても、高揚の星座の正確な度数(高揚の星座の最高点)により近く、しかもその度数を超えないときにもっともその高揚の星座の影響力は強くなります。これは減衰の星座についても同様で、同じ減衰の星座にあっても、減衰の星座の最高点により近く、しかもその度数を超えないときにもっともその減衰の星座の影響力は強くなります。最高星位と最低星位とも言われています。

それぞれの惑星の高揚の位置は次の通りです。

惑星 星座 度数
太陽 牡羊座 10
牡牛座
火星 山羊座 28
水星 乙女座 15
木星 蟹座
金星 魚座 27
土星 天秤座 20
コンジャンクション Conjunction

複数の惑星が同じハウスに在住するとき、コンジャンクトするといいます。このとき、お互いの惑星はアスペクト同様あるいはそれ以上に影響を与え合います。凶星と吉星がコンジャンクトした場合、凶星は吉星に対して悪い影響を与え、吉星は逆に凶星に対してよい影響を与えます。西洋占星術では、合とも呼ばることもあります。

コンバスト(燃焼) Combust

太陽に接近しすぎると、太陽の熱によって惑星は焼かれて弱くなると言われ、その現象をコンバスト(燃焼)と言います。どれくらい近いと燃焼されるかは、諸説ありますが、ラオが検証した結果によると、次のようになるそうです。

月:12°以内、火星:17°以内、水星:13°以内、木星:11°以内、金星9°以内。

サ行                                      占星術用語集へのリンク
サハム Saham サハムとは、感受点です。アセンダントと第7室の支配星の度数を足すと、ヴィヴァハ・サハム(Vivaha Saham)を得ます。結婚適齢期においてトランジットする木星がこの感受点にアスペクトするとき、結婚できるとされています。
サマディ Samadhi サマディとは死を意味し、その状態に至ると呼吸と心拍は停止し、意識は身体から抜け出すとされています。日本語の三昧の語源でもあります。パタンジャリが編集したとされるラージャヨーガの経典ヨーガ・スートラによれば、サマディを持って解脱とすると記載されているほど高い境地であるとされています。
サムスカール Samskar 準備、清め。輪廻転生。
サラスヴァティ・ヨーガ Saraswati Yoga 水星、木星、金星がケーンドラやトリコーナあるいは2室に在住し、しかも木星の配置が良い(自室や友好星座や高揚の星座に在住する)場合に形成されるヨーガ。

このヨーガを持つものは、教養・学識が高く、詩や経典に通じ、高等数学にも長けています。

一般に吉星がケーンドラやトリコーナに在住するのは良いとされています。2室に在住する場合には、富と言葉の巧みさを意味します。サラスヴァティは学習の女神です。このヨーガを持つ人は、賢く、教養があると言われています。

吉星が凶星によって傷ついていてはいけません。
サンニヤシ・ヨーガ Sanyas Yoga プラヴラジャヤ・ヨーガとして知られるサンニヤシ・ヨーガは、物質的生活や世俗を捨てて出家することを意味します。たとえば、4つ以上の惑星がケンドラやトリコーナのいずれかのハウスに集中しており、なおかつその4つの惑星のうちの一つが第10室の支配星である場合、死後に解脱する可能性があるとされています。

また、太陽によって他の惑星がコンバストされている場合、過去世において修行者であったが、なにかにとらわれがあって心の解放を得ることができなかったことを意味するとされています。このような人は、棚ボタ的に願望が成就する傾向があり、下積みを経ずして名声を得ることができるとされています。(例: インド前首相ラジフ・ガンジー、インドの有名な俳優アミターバ・バッチャン)

また、それ以外のサンヤシ・ヨーガとしては、次のようなものもあります。

●月が火星の星座に在住し、土星からアスペクトされている。
●ケートゥが12室に在住し、5室の支配星と9室の支配星と木星がアスペクトしている。
●月が土星の星座に在住し、土星からアスペクトを受けている。
●7室に凶星が在住し、9室に吉星が在住する(女性の場合)。
サンヒター Samhita マンデーン。社会占星術。天候、疫病、戦争、飢饉、旱魃などの社会現象を占う。
ジャイミニ Jaimini

聖者ジャイミニは、現在主流であるパラーシャラ方式のインド占星術を伝えた聖者パラーシャラとは別の占星術のシステム、ジャイミニ方式の占星術を残しました。ジャイミニ方式の占星術は、現在でも北インドの一部や南インドのアーンドラ・プラデーッシュ州のあたりで実践されています。修行と密接に関連する精神的な占星術を含め、その中には秘儀が多く隠されているといわれています。

ジャイミニ・システムは、パラーシャラのシステムと以下の点で大きく異なります。

@カーラカ: ラーフとケートゥを除く7つの惑星は、度数に応じて表示する意味が決まります。
Aアスペクト: 惑星は、活動星座に在住する場合には隣り合う不動星座以外の不動星座にアスペクトし、不動星座に在住する場合、隣り合う活動星座以外の活動星座にアスペクトし、デュアル(両方の意味を持つ)星座に在住する場合は、デュアル星座にアスペクトします。
Bダシャー: パラーシャラのダシャー・システムは星宿(ナクシャトラ)を単位としていますが、ジャイミニは12星座を単位とします。また、マハー・ダシャーの期間も、1〜12年間で、パラーシャラの6〜20年間と大きく異なります。
Cヨーガ: アートマ・カーラカ、アマティヤ・カーラカ、プトラ・カーラカ、ダラ・カーラカ、第5室の支配星が互いにアスペクトしたりコンジャンクトする場合にヨーガを形成します。
Dカーラカムシャ: カーラカームシャ(アートマ・カーラカがナヴァーンシャで在住する星座)を使います。
Eパダ(アルードラ・ラグナ): アセンダントからアセンダントの支配星が在住するハウスまでの室数だけ、今度はアセンダントの支配星から数えたところのハウスを指し、予言で使われます。
Fウパパダ・ラグナ: 12室から12室の支配星が在住するハウスまでの室数だけ、今度は12室の支配星から数えたところのハウスを指し、結婚運を見るときに使われます。

シャシャ・ヨーガ Shashayoga パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガのひとつで、土星が、山羊座・水瓶座・天秤座にあって、ケーンドラにある場合に形成されるヨーガです。土星のいい意味合いが協調されます。カリスマを伴い、多くの人から支持を受けたりします。
ジャータカ Jataka インド占星術は、以下の表に示すように、占う対象と目的によっていくつかに分類されます。個人の運勢を占う場合、一般にジャータカと呼ばれています。国家や会社、グループの運勢を占う場合は、サンヒターと呼ばれ、ジャータカと区別されます。

分 野 英 語 内 容
ジャータカ(Jataka) Natal Horoscopy 個人の運勢を占う。出生図、各種分轄図、ダシャーを使用。
ヴァルシャパラ(Varshaphal) Solar Return 1年間を占う。年間チャートを使用する。
プラシュナ(Prashna) Horary ホラリー。相談事の占い。相談されたときをもとにチャートを作る。
ムフルタ(Muhurtha) Electional 手術や結婚、契約などの重要なイベントのタイミングをはかるのに使われる。月の宿星図を使用。
サンヒター(Samhita)
Mundane 社会占星術。天候、疫病、戦争、飢饉、旱魃などの社会現象を占う。
シューバ・カルタリ・ヨーガ Shubha-Kartari Yoga ある惑星について、それから数えて第2室と第12室に吉星が在住しているときに形成されるヨーガ。健康、財産、名声、端正な容姿を意味します。吉星の代わりに第2室と第12室に凶星が在住するとき、正反対のパーパ・カルタリ・ヨーガが形成されます。
ジョーティッシュ Jytisha サンスクリット語で、光を意味し、占星術を指します。
星座交換 Exchange 西洋占星術ではミューチュアル・レセプションと呼ばれています。例えば第8室の支配星が第5室に在住し、第5室の支配星が第8室に在住するとき、第5室と第8室のあいだで星座交換が起きているといいます。このとき、第5室は子供を意味し、第8室は困難を意味しますので、子供がなかなかできなかったり、あるいはできても早死にしたり、子供のことでで苦しむことを意味します。
タ行                         占星術用語集へのリンク
ダシャー Dasha

ダシャー・システムとは、惑星サイクルのことで、出生図が表示するカルマ(傾向・特徴)が人生のどの時点で現象化するのかを予測する技法です。ダシャー・システムは、100種類以上も存在していますが、聖者パラーシャラ方式のダシャー・システムと聖者ジャイミニ方式のダシャー・システムに大別することができます。ダシャ−には、もっともポピュラーで信頼度の高い聖者パラーシャラ方式のヴィムショタリ・ダシャーと、次にポピュラーなヨーギニー・ダシャーがあります。惑星はダシャー期間にその力を十分に発揮し、もともと出生図において、その惑星が示している事象を現象化させます。

もっとも大きなサイクルのダシャーをマハーダシャーと言い、それをさらに小さく分類したものをアンタルダシャーと言い、さらに小さなサイクルはプラティヤンタルダシャー、その次はスークシュマダシャー、さらにその次はプラーナダシャーと呼びます。また、アンタルダシャーをブクティと呼び、プラティヤンタルダシャーをアンタルダシャーと呼ぶ流派もあります。

どこまでも細かく分類することはできるが、通常はマハーダシャーとアンタルダシャーだけを使用する占星家がほとんどです。しかし、より正確なタイミングを計算する時には、最低プラティヤンタルダシャーまで検討するべきでしょう。

マハーダシャーの支配星は現象の大きな傾向を表し、アンタルダシャーの支配星はマハーダシャーの惑星の示す範囲内でのより細かな傾向を表し、プラティヤンタルダシャーの支配星は実際に物事が現象化する正確な時期を表します。

ダーナ・ヨーガ Dana Yoga 富のヨーガです。収入を意味する2室と11室が、徳を意味する1、5、9室と絡むときに形成されます。このヨーガを形成する惑星のダシャーのときに、富をもたらします。
ダラパダ Darapada ジャイミニ方式で、結婚を見るときに使うパダ。7室のパダともいう。ダラパダがからむ星座の時期(ダシャー)に結婚しやすいとされています。7室から7室の支配星が在住するハウスまでの室数だけ、7室の支配星が在住するハウスから数えたところの星座。例えば、アセンダントが山羊座で、7室の蟹座の支配星・月が獅子座にある場合、乙女座がダラパダとなる。
チャイトラ・シュクラ・プラティパーダ Chaitra Shukla Pratipada ヒンドゥー・ニュー・イヤー・チャートのこと。
チャラ・ダシャー Chara Dasha ジャイミニ方式に数多くあるダシャーシステムのひとつ。27のナクシャトラを最小単位とするパラーシャラ方式のヴィムショタリダシャーとは異なり、12星座を単位とするダシャー・システムで、ひとつのマハーダシャーの期間は、最短は1年間、最長は12年間続く。
チャンドラ・マンガラ Chandramangal 月と火星がコンビネーションを形成すると、チャンドラ・マンガラ・ヨーガを形成します。実行力を意味し、富をもたらすヨーガです。
ディスポジター Despositor ある惑星について、それが在住しているハウスの支配星をその惑星のディスポジターと呼びます。例えば、土星が減衰の星座にある場合、土星のディスポジターが土星から数えてケーンドラの位置にあって、しかもそこで強い位置/高揚の星座にある場合、この土星が減衰の星座にあることによる悪い影響は解消されます。
デュアル星座 Dual signs /dwiswabhava 双子座、乙女座、射手座、魚座を指します。(参照: 活動星座不動星座
ドゥシュタ・ナハウス Dshtana houses 6室、8室、12室を指します。ドゥシュタナ・ハウスを支配する惑星は、否定的なエネルギーを運び、その惑星が在住したりアスペクトするハウスや惑星を傷つけるとされています。凶星や吉星の如何に関わらず、ドゥシュタナ・ハウスを支配することで、吉星は凶星に、凶星はさらに凶星になります。あらゆる病気、事故、卑屈、障害などと関係するハウスです。しかし、第6室はウパチャヤのハウスでもあるので、ウパチャヤの定義どおり、ここに凶星が在住することはよいとされています。

影響の強い順に並べると、第8室>第12室>第6室となります。
トランジット Transit 出生時の惑星配置とある時点での惑星配置を重ね合わせて見る占星技法を指します。
トリコーナ/トライン Trikona 1、5、9室はトリコーナと呼ばれます。ここに在住する惑星は、凶星なら凶意が弱まり、吉星なら吉意が強まります。また、個人の精神性を占うスピリチュアル・アストロロジーでは、1、5、9室はダルマ・トリコーナと呼ばれ、宗教行為と関係します。2、6、10室はアルタ・トリコーナと呼ばれ、富と関係します。3、7、11室はカーマ・トリコーナと呼ばれ、欲望と関係します。そして4、8、12室はモクシャ・トリコーナと呼ばれ、解脱を意味します。

魂は、ダルマ、アルタ、カーマ、モクシャという過程をたどって精神的な高みに至るとされており、例えば吉星が8室に在住すると一般に良くないとされていますが、精神性の観点から言えば、精神的な成熟度を加速させるという意味で良いとされます。

また、ダルマ・トリコーナモクシャ・トリコーナは、いずれも精神性の発達に深く関係するトリコーナですが、前者ではグルが必要であるのに対して、後者では必ずしもグルがいなくてもよいと、ラオから聞いています。
ナ行                                      占星術用語集へのリンク
ナクシャトラ Nakshatra 星宿。インド占星術には、天空を12で分ける12星座区分のほかに、27で分けるナクシャトラの分割法が存在します。これは、月が約27日で天空上を一周することに対応しており、月を重視するインド占星術では非常に重要な概念のひとつです。

各ナクシャトラは13度20分ずつ均等に分割されます。13度20分かける27で合計360度となり、先ほど説明した12星座の360度と同じになります。9つの惑星が、それぞれ三つのナクシャトラを支配しています(9×3=27)。

ナヴァーンシャ Navamsha 分割図のこと。配偶者を表すとされている。ラーシが表層意識のレベルでの自分を表すとすると、ナヴァーンシャは、潜在意識のレベルでの自分を表すとされます。
ニーチァ・バンガ Neecha-Bhanga このヨーガが形成されると、惑星が減衰の星座にあっても、減衰の意味合いががキャンセルされ、むしろ良い結果をもたらすとされています。

ニーチァ・バンガが形成される要件は、以下の通りです。
@惑星が減衰している星座の支配星が、アセンダントや月から見てケーンドラに在住する。
A惑星が高揚している星座の支配星が、アセンダントや月から見てケーンドラに在住する。
B減衰する惑星が、そのディスポジターと絡んでいる。
C減衰する惑星が、高揚する星座の支配星と絡んでいる。
D減衰する惑星が、そのディスポジターと星座交換している。
  (蠍座の月と蟹座の火星が該当します)
E減衰する惑星がお互いにアスペクトしあっている。
  (山羊座の木星と蟹座の火星が該当します)

一般に減衰する惑星の時期(ダシャー)には、悪いことが起きるとされていますが、ニーチャバンガが形成されると、凶意がキャンセルされ、惑星の吉意が出るとされています。
ハ行                                      占星術用語集へのリンク
バギャティパティ Bagyathipathi 幸運を表わす第9室の支配星のこと。
パダ(アルーダ・ラグナ) Pada /Aroodha Lagna カーラカムシャと同様に、ジャイミニ・システムで予言するとき重要な役割を果たすラグナ(アセンダント)。アセンダントからアセンダントの支配星が在住するハウスまでの室数だけ、今度はアセンダントの支配星から数えたところのハウスをパダと呼ぶ。

例えば、アセンダントが牡羊座で、火星が双子座に在住する場合、双子座は牡羊座から3室目なので、パダは双子座から3室目の獅子座となります。 同様に、アセンダントが乙女座で、その支配星・水星が天秤座に在住する場合、アセンダントのパダは、蠍座になります。 同様に、アセンダントが乙女座で、その支配星・水星が射手座に在住する場合、アセンダントのパダは、魚座になります。

アセンダントだけではなく、全部のハウスにパダが存在し、例えば、第12室のパダはウパパダと呼ばれ、結婚と関係すると言われています。
パド・プラプティ Padprapt 地位を得ること。職に就くこと。
バドラ・ヨーガ Badrayoga パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガのひとつ。水星が双子座・乙女座に入っていて、しかもそこの位置がケーンドラの場合、バドラ・ヨーガが形成されます。このときは、水星の支配的影響力が強くなって、チャート全体における水星の影響力がものすごく強くなります。
パーパ・カルタリ・ヨーガ Paap Kartari yoga 生来的な凶星が第2室と第12室に在住してアセンダントを挟撃するような形になるときに形成されるヨーガ。犯罪者としての傾向が出てきたり、不健康、不健康な食事、過度な性欲、他人の財を横取りしようとする傾向を示します。
パーパディ・ヨーガ papadhi yoga アセンダントや月を第1室として見て、第6室、第7室、第8室に凶星が在住するとき、パーパディヨーガが形成されたと言う。
バラティヤ・ヴィディア・バーヴァン Bharatiya Vidya Bhawan K.N.ラオ氏が主宰している占星術のコミュニティスクール。ニューデリーにある小学校を毎週土日だけ使用させてもらっている。初級コースと上級コースがあり、2年で修了する。生徒数は、現在700名。生徒のほとんどは30代以降。授業は英語とヒンディー語で教えられている。ラオは、2年コースを修了した生徒を対象とした特別研究コースを担当している。研究コースの成果がJOAの記事となり、それがある程度まとまった段階で、テーマごとにまとめられて出版されるという流れができている。
パラーシャラ Parashara インド占星術の古典ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラ(B.P.H.S.: Brihat Parashara Hora Sastra)の著者。一説によれば、インド占星術の父と呼ばれる聖者ブリハット・パラーシャラは、マハー・バーラタを含むヴェーダを著わしたとされており、それはこのカーリ・ユガの始まりであったとしています。つまり、紀元前3102年頃とされ、ヴァラーハミヒラが活躍した時代(紀元5世紀)から遠く離れていることになります。
ハンサ・ヨーガ Hamsayoga パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガのひとつで、木星が、射手座・魚座・蟹座にあって、ケーンドラにある場合に形成されるヨーガ。寛容・宗教的・教えるのが上手・自己犠牲などの木星の要素が強調されます。
パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガ Pancha Mahapursha Yoga 「5つの偉大な人格のヨーガ」という意味。火星、水星、木星、金星、土星の5つの惑星が非常に強い位置にあるときに形成されるヨーガ。火星が強いときはルチャカ・ヨーガ。水星が強い場合は、バドラ・ヨーガ。木星の場合は、ハンサ・ヨーガ。金星は、マラヴィヤ・ヨーガ。土星は、シャシャ・ヨーガ
表示体 Significator

象徴するもの。例えば、インド占星術では、金星は男性にとって結婚を象徴するもなので、結婚の表示体となる。

ヒンドゥー・ニュー・イヤー・チャート Hindu New Year Chart 別名、チャイトラ・シュクラ・プラティーピカと呼ばれる。双子座で太陽と月が同じ度数で重なるときのチャートで、その1年を表わす年間チャートとしてマンデーンでの予測に使われます。日本のヒンドゥー・ニュー・イヤー・チャートを作りたければ、占う年において、太陽と月が双子座で重なる日時を東京に関して求め、それをもとにチャートを作成すればよい。
ブッダ・アディチャ・ヨーガ BuddhaAditya Yoga 太陽と水星がコンジャンクトすると形成されるヨーガ。学識があり、甘い言葉を発し、賢く、人につくして財を成し、学究肌で、外見がよい。ブッダは水星、アディチャは太陽を意味します。
不動星座 Fixed signs/sthira 牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座を指します。(参照: 活動星座デュアル<両方の性質を持つ>星座
プラシュナ占星術 Prashna インド占星術でのホラリー占星術のこと。
ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラ B.P.H.S:Brihat Parashara Hora Sastra インド占星術の父と呼ばれる聖者ブリハット・パラーシャラが表したとされる、インド占星術の代表的な古典。一説によれば、聖者ブリハット・パラーシャラは、マハー・バーラタを含むヴェーダを著わしたとされており、それはこのカーリ・ユガの始まりであったとしています。つまり、紀元前3102年頃とされ、ヴァラーハミヒラが活躍した時代から遠く離れていることになります。
プールヴァ・プーニャ Purva Punya プーニャには、「吉兆、幸先よい、幸運な、好都合な、美しい、快い、芳香のある、善良な、価値のある、純粋な、神聖な」という意味があります。つまり、功徳を表わしており、プールヴァ・プーニャは、プーニャに「前の」を意味するプールヴァがついているので、前世からの功徳という意味になります。
プルシャルタ Purushartha 古くから伝わる4つのプルシャルタ(Four Purusharthas)という教え: 最初は、ダルマ(Dharma:宗教行為)、2番目はアルタ(Artha:お金を稼ぐ欲求)、3番目は物質生活を楽しむカーマ(Karma)、そして最後はモクシャ(Moksha:解脱に向かって努力すること)です。トリコーナもこの教えに沿って分類されており、、ダルマ・トリコーナは第1、5、9室。アルタ・トリコーナは、第2、6、10室。カーマ・トリコーナは、第3、7、11室。そして、モクシャ・トリコーナは、第4、8、12室となります。
分轄図/ヴァルガ Varga

分轄図。インド占星術では、ラーシ(Rashi)と呼ばれる出生チャートだけではなく、目的によってその他に15種類のチャートを使います。これにより、たとえば双生児の似かよった出生チャートでも、他の分割図を参照することで判別が可能となります。ラーシも含めたこれら16種類のチャートを分轄図、あるいは作者の名前にちなんで、聖者パラーシャラのヴァルガ・チャート(Vargas of Parashara)と呼びます。16種類の分轄図は次の通りです。

ラーシ(出生図)、ホーラー(2分轄図)、ドゥレッカナ(3分轄図)、チャトゥルタ-ムシャ(4分轄図)、シャプタ-ムシャ(7分轄図)、ナヴァーンシャ(9分轄図)、ダシャームシャ(10分轄図)、ドヴァダシャームシャ(12分轄図)、ショダシャームシャ(16分轄図)、ヴィムシャ-ムシャ(20分轄図)、チャトゥルヴィムシャ-ムシャ(24分轄図)、バームシャ(27分轄図)、トゥリムシャ-ムシャ(30分轄図)、カヴェーダ-ムシャ(40分轄図)、アクシャヴェ-ダ-ムシャ(45分轄図)、シャシュティヤ-ムシャ(60分轄図)

●分割図のグループ:

@6組の分割図: シャドヴァルガ(Shadvarga): ラーシ、ホーラー、ドゥレッカナ、ナヴァーンシャ、ドヴァダシャームシャ、トゥリムシャ-ムシャ
A7組の分割図: シャプタヴァルガ(Sptavarga): ラーシ、ホーラー、ドゥレッカナ、シャプタ-ムシャ、ナヴァーンシャ、ドヴァダシャームシャ、トゥリムシャ-ムシャ
B10組の分割図:ダシャーヴァルガ(Dashavarga): ラーシ、シャシュティヤ-ムシャ、ホーラー、ドゥレッカナ、シャプタ-ムシャ、ナヴァーンシャ、ダシャームシャ、ドヴァダシャームシャ、ショダシャームシャ、トゥリムシャ-ムシャ
Cすべての分割図: ショダシュヴァルガ(Shodashvarga): ラーシ、ホーラー、ドゥレッカナ、チャトゥルタ-ムシャ、シャプタ-ムシャ、ナヴァーンシャ、ダシャームシャ、ドヴァダシャームシャ、ショダシャームシャ、ヴィムシャ-ムシャ、チャトゥルヴィムシャ-ムシャ、バームシャ、トゥリムシャ-ムシャ、カヴェーダ-ムシャ、アクシャヴェ-ダ-ムシャ、シャシュティヤ-ムシャ

ホラリー占星術 Horary あるテーマについての疑問(質問)が生じた瞬間のホロスコープをもとにして、様々な事象について判断する占星術。
マ行                                      占星術用語集へのリンク
マハー・ダシャー Maha Dasha メインとなる惑星時期。ヴィムショタリ・ダシャーでは、パラーシャラ方式のマハー・ダシャーの期間は6年から20年にわたるが、ジャイミニ方式のチャラ・ダシャーでは、1年から12年しかない。(参照: ダシャーアンタルダシャ−
マラヴィヤ・ヨーガ

Malavyayoga

パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガのひとつで、金星が牡牛・天秤・魚座にあって、しかもケーンドラにある場合に形成されるヨーガ。
マーラカ

Maraka

2室と7室は「死のハウス」と呼ばれています。寿命に達し、このハウスの支配星が絡む惑星のダシャーのとき、死を迎える場合があります。寿命に達していない場合は、災難・病気に遭うこともあります。ちなみに、寿命は、8室と土星でみることもあります。
マンデーン Mandane 社会や政治経済の動向、あるいは戦争や紛争、地震や旱魃・飢饉などの自然災害を予言する占星術。国や地域を人と見なしてその出生図を求め、その災害や幸・不幸を占う。国や地域の出生日時を定義するのに困難が伴います。ちなみに、日本の場合は、平和憲法の公布された日時よりも、明治に大日本帝国憲法が公布された日時の方が、これまでの日本の履歴をよく説明できるとする意見があります。しかしそれに対してラオは、戦前はともかく、戦後の日本については明治憲法公布日とは異なる建国日があるはずだと言っています。(参照: サンヒター
マントラ Mantra インド占星術では、それぞれの9つの惑星に対するマントラが存在します。惑星が傷ついたとき、その力を回復するためにそのマントラを処方しますが、本場のインドでは、天王星、海王星、冥王星を使わないため、これら3つの惑星に対応するマントラは存在していません。
ムリチュバーギャ Mrityubhaga 各惑星についてそれぞれ12星座毎に致命的な度数があり、その度数に在住する惑星が致命的になる度数をムリチュバーギャと言います。ムリチュバーギャは、30分前後を許容度数とします。月やアセンダントなどの早く移動する惑星や感受点は、前後40分くらいの比較的広い許容度数をとります。しかし、どちらにしても、ムリチュバーギャの正確な度数に近いほど影響力は大きくなります。そして、ムリチュバーギャに在住する惑星が、さらに凶星と関連することによって傷ついている場合は、悪影響が長引くが、他にあまり傷つけられている要素が無い場合は、一時的に悪影響が出るにとどまります。

ムリチュバーギャに在住する惑星は、アスペクトしたりコンジャンクトする惑星に、悪影響を与えます。ムリチュバーギャに在住する惑星のマハー・ダシャーよりも、ムリチュバーギャに在住する惑星のアンタル・ダシャーや、ムリチュバーギャに在住する惑星と関連する惑星のアンタル・ダシャーのときに、その悪影響は発揮されます。

モクシャ・トリコーナ Moksha Trikona 第4、8、12室を指します。プルシャルタの教えでは、ダルマ(Dharma:宗教行為)、アルタ(Artha:お金を稼ぐ欲求)、カーマ(Karma:物質生活を楽しむ)を経て、モクシャ(Moksha:解脱に向かって努力すること)に至るとされており、このトリコーナのハウスは、解脱と関係があるとされています。
ヤ行                                      占星術用語集へのリンク
友好星位と敵対星位 Friend/Enemy 友好惑星が支配する星座に在住するとき、惑星は十分に力を発揮することができる。この状態を惑星が友好の星座にあると言います。逆に、敵対惑星が支配する星座に在住するとき、惑星は十分に力を発揮することができません。この状態を惑星が敵対の星座にあると言います。
ヨーガ Yoga インド占星術におけるヨーガとは、ストレッチ運動などに代表されるようなハタ・ヨーガの「ヨーガ」とは異なります。ここでいう「ヨーガ」とは、インド占星術における特定の惑星配置をさします。ラージャヨーガダーナ・ヨーガなど、数多くのヨーガが知られており、チャートを特徴付ける役割を果たします。
ヨーガ・カーラカ Yogakaraka

アセンダントから5室か9室を支配する惑星をヨーガ・カーラカと呼びます。たとえば、双子座がアセンダントの場合、金星は5室の支配星で、土星は9室の支配星となり、それぞれはヨーガ・カーラカとなります。この場合、土星は9室の他に8室も支配するので、9室の吉意が薄れます。だから、この場合は金星がもっとも良い惑星となります。ラージャヨーガ・カーラカは単独でラージャヨーガを形成する惑星なので、混同しないように。

ヨーギー・カルベ Yogi Karve 直感で瞬時にホロスコープのアセンダントの位置を決めることのできる超能力者として有名。ムンバイ(ボンベイ)に住んでいる。ラオは、チャートのアセンダントがわからないとき、ヨーギー・カルベの助けを借りたことがこれまでに何度かある。
ヨーギニー・ダシャー Yoginidasha ダシャー・システムのひとつです。ヴィムショタリ・ダシャーは1サイクル120年ですが、ヨーギニー・ダシャーは36年で1つのサイクルを形成します。サイクルの順番とそれぞれに割り当てられる期間はヴィムショタリ・ダシャーとは異なります。
ラ行                                      占星術用語集へのリンク
ラグナ Lagna

アセンダントのこと。ASC、上昇宮とも呼ばれる。出生時に、東の地平線にあった星座。

ラーシ Rashi

出生図のこと。インド占星術では、ラーシを基準に、16種類の分割図が存在する。ラーシ自体も分割図の一種と見なされることもある。代表的な分割図は、ナヴァーンシャ(9分割図:配偶者)、ドレーッカーナ(3分割図:兄弟姉妹)、ダシャーンシャ(10分割図:職業)、ヴィムシャーンシャ(20分割図:精神的追求)などです。

ラージャヨーガ Rajayoga 王者のヨーガ。トリコーナとケーンドラ(1室・4室・7室・10室)が関連すると、ラージャヨーガとよばれる大変すばらしい状態を形成します。関連するとは、アスペクトやエクスチェンジ(星座交換)、在住、などで互いに関わることを指します。例えば、5室の支配星と1室の支配星が相互にアスペクトを形成したり、同じハウスに入ったり、あるいはエクスチェンジ(ハウスの支配星同士が入れ替わること="パリヴァルタナ・ヨーガ")したりすると、ケーンドラの1室とトリコーナの5室が関連することになり、ラージャヨーガを形成します。また、トリコーナの9室の支配星が、ケーンドラの1室や10室に入ったりすることによっても、ラージャヨーガは形成されます。

ラージャヨーガは、関連するハウスや惑星が象徴するテーマについての繁栄・利益をもたらしたり地位を与えたりします。

ラージャヨーガ・カーラカ Rajayoga karaka ラージャヨーガ・カーラカは単独でラージャヨーガを形成する惑星。例えば天秤座がアセンダントのとき、土星は4室と5室の支配星となり、ラージャヨーガ・カーラカとなります。
ルチャカ・ヨーガ Ruchaka Yoga

パンチャ・マハー・プルシャ・ヨーガのひとつで、火星が、牡羊座、蠍座、最高星位の山羊座にあって、しかもケーンドラにあるときに形成されます。火星がケーンドラにあって高揚の星座にある場合は、すごく力が強くなります。いろんな社会的にもうまくいったり、仕事上でうまくいったり。そういういいコンビネーションですが、このルチャカ・ヨーガの場合、そういういいもの得られるが、それと同時に終わりは事故とか火事とか、そういう悲劇的な死に方することが多い。

ワ行                                      占星術用語集へのリンク
惑星 Planets インド占星術で扱う惑星は、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星、ラーフ、ケートゥの9つです。太陽は、厳密には恒星ですが、便宜上、惑星と呼んでいます。また、ラーフとケートゥは太陽と月の軌道の交点ですが、占星術では惑星、あるいは「影の惑星」と呼んでいます。インド占星術では、天王星、海王星、冥王星は用いません。

惑星は、生来的に吉星か凶星かに分類されます。吉星は、木星、金星、水星、月です。凶星は、土星、火星、太陽、ラーフ、ケートゥです。水星と月は、一般に吉星に分類されますが、その状態の如何によって凶星の働きをすることもあり、吉と凶の両方の性格を持ち合わせています。

また、惑星はどのハウスにあるかによって、生来的な吉凶の他に、後天的な吉凶の性格を帯びます。3、6、8、12室にあるとき、どの惑星も凶星化し、5、9室にあるとき、吉星化します。前者を機能的凶星(functional malefic)、後者を機能的吉星(functional benefic)と呼びます。
惑星戦争 Planet war ある二つの惑星が、互いに1度以内でコンジャンクトしている状態。度数が小さい方の惑星が、度数がより大きい方の惑星の力を半分奪い取ります。つまり、度数が小さい惑星が惑星戦争の勝者になり、度数が大きい惑星が敗者となります。
惑星の状態
State Of Planets

惑星は、人間同様、調子が良かったり悪かったりします。調子の良いときには、惑星のテーマが良い形となって現われますが、逆に悪い調子のときには、惑星のテーマが悪い形となって出現します。惑星は、一般に、次の順に良い状態から悪い状態へと推移します。

高揚の星座にあるとき→ムーラトリコーナの星座にあるとき→本来の星座にあるとき→強力な友好星座にあるとき→友好星座にあるとき→中立星座にあるとき→敵対星座にあるとき→減衰の星座にあるとき。