予言には、@What、AHow、BWhenの3つの要素が必要です。つまり、予言をするということは、@なにが(What)、Aどのように(How)、Bいつ(When)現象化するのかを明示することに他なりません。
ホロスコープからは、@なにが(What)とAどのように(How)出現するのかを読み取ります。つまり、「なにが」を惑星とそれが支配するハウスと在住するハウスから読み取り、それが「どの程度良いのか、あるいは悪いのか」を、関係する惑星やハウスの状態から読み取ります。このWhatとHowをカルマと呼びます。たとえば、異性にめぐり会得るのか、そしてどの程度素敵な異性なのかは、ホロスコープからわかります。
しかしいくら素敵な異性とめぐり会うカルマがあったとしても、それがいつなのかは、非常に重要な問題です。3歳や80歳のときに素敵な異性とめぐり会えたとしても、結婚には結びつきません。
インド占星術には、ホロスコープに出ているカルマがいつ現象化するのかを読み取る技法があります。それがダシャーと呼ばれる技法です。ダシャーは、「ラオ先生のやさしい占星術」ではほとんど説明されていませんので、このユニットでは重点的に説明したいと思います。
なにが(What)
どのように(How)
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ホロスコープ
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いつ(When)
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ダシャー
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ダシャーには、惑星ベースのダシャーと星座ベースのダシャー、そして星座と惑星の両方を混用するダシャーの3種類があります。
分類
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例
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惑星ベースのダシャー |
Vimshottari,
Yogini, Dwisaptati, Shodashottari, etc. |
星座ベースのダシャー |
Chara, Mandook |
惑星・星座ベースのダシャー |
Kaal Chakra, |
惑星ベースのダシャーは、太陽の時期、月の時期、火星の時期、・・・というふうに、ある時期においてもっとも影響力の強い惑星を示します。惑星ベースのダシャーで代表的なダシャーシステムは、ヴィムショッタリ・ダシャー(Vimshottari)とヨーギニ・ダシャーです。いずれも、聖者パラシャラが残した占星術の体系に属します。
星座ベースのダシャーは、牡羊座の時期、牡牛座の時期、双子座の時期・・・という風に、ある時期においてもっとも影響力の強い星座を示します。星座ベースのダシャーで有名なのは、ジャイミニ・システムのチャラ・ダシャーです。聖者ジャイミニが残した占星術の体系で、聖者パラシャラの体系と大きく異なります。
さて、一番普及しているダシャーは、ヴィムショッタリ・ダシャーですが、KNラオは、複数のダシャーシステム、理想的には3つ以上の異なるダシャーを併用して確信度を上げるアプローチを薦めています。
たとえば、ヴィムショッタリ・ダシャーとヨーギニ・ダシャー、そしてチャラ・ダシャーを併用するアプローチがそれに当たります。その際、ヴィムショッタリ・ダシャーをもっとも重用し、他のダシャーは補助として使うようにするとよいとされています。ヴィムショッタリ・ダシャーとヨーギニ・ダシャーはパラシャラのシステムであるのに対して、チャラダシャーはジャイミニのシステムですから、それらを混同しないように注意する必要があります。
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