PACDARESとは、KNラオ氏が初学者用に考案したチャートの分析手順です。この講座のテキストである「ラオ先生のやさしいインド占星術」は、PACDARESで貫かれております。
PACDARESは、チャートをどういう視点から、どういう順番に見ていったらいいのかを示すものです。
P |
Position |
A |
Aspect |
C |
Conjunction |
D |
Dhana
Yoga |
Yogas |
A |
Arishta
Yoga |
R |
Raja
Yoga |
E |
Exchange |
S |
Special |
Yogas |
Pは、Position、すなわち惑星の配置を意味します。チャートを見てまず最初に、何室の支配星はどの惑星で、何室に在住しているのか、を把握します。
Aは、アスペクト(Aspect)です。今度は、どの惑星が何室にアスペクトというかたちで影響を与えているのかを確認します。
Cは、コンジャンクション(Conjunction)です。どの惑星がどの惑星と何室でコンジャンクトしているのか、を確認します。
次は、DARESという順に進むところなんですが、私は敢えて、Eに進みたいと思います。
Eは、エクスチェンジ(Excahnge)です。星座交換と呼ばれていますが、どの惑星がどの惑星と星座を交換しているのかを確認します。具体的な例を示すと、火星が双子座に在住し、水星が牡羊座に在住する場合、互いにそれぞれの支配星座に在住しているので、星座交換しているといいます。このとき、お互いの関係が深まり、それぞれの惑星が示すテーマは強調されます。
以上、PACEの手順を踏むことで、チャートに現われる惑星とハウスの絡みを漏れなくダブりなく把握することができます。この絡みの強さの程度は、順に、星座交換(E)、コンジャンクション(C)、在住(P)、アスペクト(A)となります。
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「絡み」の強さの順位
1
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星座交換(E) |
2
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コンジャンクション(C) |
3
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相互アスペクト(A) |
4
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在住(P) |
5
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片側アスペクト(A) |
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惑星、ハウス、星座の絡み具合が把握できた段階で、どういうテーマが良くて、どういうテーマが悪いのかがわかってきます。
次は、テーマの解釈に進みます。
Dは、ダーナ・ヨーガ(Dhana
Yoga)です。富を表わす絡みの有無を調べます。惑星とハウスの絡みに、収入を表わすハウス(2、11室)と、徳を表わすトリコーナ(1,5,9室)の絡みがあるとき、ダーナヨーガが形成されます。このヨーガが形成されると、そのヨーガに絡む惑星のダシャー期に、富がもたらされると解釈できます。ちなみに日本語の「旦那(だんな)」は、このダーナ(富)から来ているといわれています。
Aは、アリシュタ・ヨーガ(Dhana
Yoga)です。事故/病気/不幸を表わす絡みの有無を調べます。惑星とハウスの絡みに、ドゥシュタナハウスがしつこく絡んでくると、事故・病気・不幸に見舞われやすくなります。発現のタイミングは、関係する惑星のダシャーの時期です。
Rは、ラージャ・ヨーガ(Raja
Yoga)です。成功を表わす絡みの有無を調べます。惑星とハウスの絡みに、チャートの柱であるケンドラ(1,4,7,10室)と徳を表わすトリコーナ(1,5,9室)の絡みがあると、ラージャヨーガが形成されているといい、関係する惑星のダシャーの時期に成功や昇進がもたらされやすくなります。
Sは、スペシャル(Specia)の略です。ダーナ・ヨーガ、アリシュタヨーガ、ラージャヨーガ以外で、チャートを特徴付けている重要な徴を読み取ります。たとえば、ケーマドルマ・ヨーガが現われているとか、惑星が集中しているとか、シャシャヨーガがあるとか、様々です。
以上の手順を踏まえてチャートの特徴をとらえる訓練をしていけば、鑑定力は着実にアップすると、KNラオ氏がおっしゃっておりました。
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