惑星の象意  WHAT PLANETS INDICATE


惑星

家庭・社会
精神性
太陽
太陽系の王である太陽は、いつでもどこでも王様です。王としての威厳は、ホロスコープのなかでの太陽の位置とかかわりがあります。

家庭 家庭においては、太陽は父親に相当します。威厳があり、家庭を運営する上でのあらゆる権限の象徴です。
社会 社会においては、太陽は君主にあたります。現代の民主主義においては、太陽は高位高官に相当します。

太陽系の支配星とも言える太陽は、サンスクリット語のストートゥラ(stotra:讃歌)ではヴィシュヌ神と同格であるとされていますが、一般には、シヴァ神として知られています。しかし、ヴィシュヌ神、シヴァ神、ブラフマン神のどれでもよく、重要なのは、人々が精神的な生活を望むようになるように導き、ギヤーナ(Gyana:智慧)と呼ばれる神の叡智を人々に授ける役割を果たすことなのです。そして、それゆえに、アートマカーラカ(Atmakaraka:真我の表示体)とも呼ばれているのです(注意:ジャイミニ占星術で「最高位の惑星がアートマカーラカになる」という表現がありますが、それとは異なるアートマカーラカです)。ですから、太陽は、博愛の傾向やサットヴァ性と関係します。

太陽以外で、王族を表す惑星は、月です。

家庭 母親とか、母親に関係するあらゆるものを意味します。
社会 社会の賢者、著名人、土星にアスペクトされるとカリスマを表します。

もし太陽がアートマ(魂)なら、月はマナス(心)です。人の精神的なパートは、月がつかさどっています。人の幸不幸を作りだすのは心です。コントロールされた心は、集中力を発揮し、瞑想に導きます。また、月は、凶星である土星や火星によって傷つくと、強い厭離〔おんり〕(vairagya:ヴァイラギヤ)の思いが沸き起こります。偉大なヨーギーや聖者のホロスコープには、月が土星や火星によって傷ついているケースが多いのです。私も、これまでに書いた書籍の中で、このサインを取り上げることが少なくありません(特に、「The Yogis, Destiny and the Wheel of Time」)。けがれのない精神、神聖な場所への巡礼を好むこと、神々への崇拝、サットヴァ性から生じる優しさ、穏やかさ、などは月と関係しています。だから、高揚の星座やヴァルゴーッタマ(Vargottama) の位置にある月は、その象意が強くなるので、好まれています。

火星
占星術では、火星は、生まれながらの指揮官です。

家庭: 弟と妹を表します。
社会: 火星は、結婚と深い関係があるとされています。インド占星術で結婚による幸せ(マンガリャ: Mangalya)と火星(クジャドーシャ:Kujadosha)が重視されている理由は、ここにあります。社会生活においては、火星は、軍隊、警察、制服姿の男性、高位高官、役人、管理者、不動産業者などと関係があります。

火星は、「地球の子供(Bhoomi-suto)」と呼ばれるほか、「司令官」とも呼ばれています。火星は、苦行を行う決意を表すともいえます。火星は、ヴィシュヌ神とその化身を表すとも言われ、ヴェーダ経典の中では、サーマ・ヴェーダ(Sama Veda)とみなされています。
私の経験からいえば、火星が第4室か第10室に影響を与えている場合、それがグルならば、アシュラムを形成します。火星が第5室にある場合、新しい宗教的な組織を打ち立てます。建築家や不動産業者は、火星が第4室や第10室、あるいはそれらの支配星に影響を及ぼしていなければなりません。これを宗教家や精神世界に携わる人にまで拡大して適用すると、アシュラムやモスク、教会、シナゴーグ、そして宗教的な施設の創立者で、土地や建物を獲得したいという強い欲求を持つ人になるでしょう。

水星

占星術では、水星は王子を意味します。

家庭: 従兄弟、母方の叔父を意味します。
  注意1: ウッタラ・カーラームリタ(Uttar-Kalamrita)では、カーリダーサ(Kalidas)は水星には、母方の祖父や弟妹または兄弟姉妹の意味があるとしています。
  注意2: 女性の人生において、もし水星が土星とアスペクトを組むなどして傷つけられている場合、生殖能力の劣る夫を意味します。
   
社会: 水星は、知識を意味します。現代民主主義においては、ビジネスを意味します。だから、水星の象意は、非常に多岐にわたります。たとえば、数学者、彫刻家、占星術家、天文学者、学者、著述家、マントラやヤントラの秘密を知っている人、司会者やアナウンサーなどです。現代では、水星は、資産運用の専門家、税理士や公認会計士、ジャーナリスト、新聞記者、紙を扱う商売をしている人などに相当します。

聖者パラーシャラ は、水星の期間に、ヴィシュヌ・サハーストラナーマの朗誦を処方しています。周知のとおり、水星とヴィシュヌ神は同一と見なされており、水星が精神的なハウス(第4室、第8室、第12室)や法則のハウス(第1室、第5室、第9室)に強くてよい状態で在住するとき、経典や占星術(神の科学であり、もっとも重要なヴェーダンガ)を修めたいという強い欲求が沸き起こります。

水星は、一般に人を巡礼の旅にいざないますが、それが長旅になることはありません。ヴィシュヌ神を祭る寺院の建立は、水星の働きに負うところが大きいとされます。ヴィシュヌ神の顕現はすべて水星と同一視され、それゆえに水星は、もっとも優れたヴィシュヌ教の信者といえます。水星は、自己をコントロールする強い傾向を促します。また水星は、祭事を行う人を表しますから、マントラやヤントラに惹かれることは、水星の傾向としてよく知られています。水星は、アタルヴァ・ヴェーダ(Atharva Veda) を象徴します。

木星

木星は、神々のグルとしての栄誉ある地位を与えられており、聖職者や、聖なるものを表します。

家庭: 子供、兄、家庭の知恵者として尊敬されている長老。
  注意1: ウッタラ・カーラームリタ(Uttar-Kalamrita)では、木星の他の象意として、孫や祖父が挙げられています。
  注意2: ブリグ・システム(Bhrigu System)では、火星が妻を意味するのに対して、木星は夫を意味します。
社会: 伝統的に、僧侶や学者、王様に助言を与える立場にある人(古代のはなし)の表示体は木星でした。現代では、多くの新しい職業がこれらに加わります。
  注意: 裁判官、教師、弁護士などのほか、王様に助言を与える立場にある人は、今では、法律の専門家となるでしょう。そのほかにも、たとえば心理学者や銀行家、経営者なども含まれるでしょう。

もしあなたが占星術家で、あなたのホロスコープの木星と水星が傷ついていれば、あなたの予言はあまり当たらないでしょう。しかしスピーチと関係する第2室と木星が関係(在住やアスペクト)し、加えて第2室あるいはその支配星が傷ついていなければ、あなたは予言の才能に恵まれるでしょう。また、そのような場合、すぐれた説法を説くこともできるでしょう。説法をする人は、実際の経験に裏づけられた経典の知識を持っていなければなりません。

木星は、ダルマ(法則)の真髄を意味します。神の叡智のより微細な部分、あるいは苦行、神への礼拝、布施などの精神的な修行は、木星と関係します。ヴァラーハミヒラ によると、木星が第10室にあるのはたいへんよいとされています。木星は厳格な道徳家を表すので、木星の影響によって言動はたいへん道徳的になります。木星はシヴァ神を意味するので、木星の影響が強い人は、真の宗教や精神性のためには自己犠牲を惜しみません。

金星
金星は、伝統的に、阿修羅(asura〔monsters〕)のグルとして知られており、64の芸術の主とされています。金星が、文化とおしゃれの星といわれるゆえんです。

家庭: 伝統的な社会においては、配偶者との性生活を意味します。伝統社会でない場合、金星は、本人の性生活を意味します。一般に、金星は、妻として扱われてきました。日の出の後に生まれた人にとっては、金星は月に取って代わり、母親の役割を果たすとされています。
  注意: 一般に、金星は家庭の繁栄、乗り物、宝石、高価な持ち物を意味します。
社会: 芸術を意味する金星は、すべての芸術を意味します: 絵画、踊り、歌、ドラマ、文学、詩、あるいは、脚本家、詩人、ダンサーなどは、金星の守備範囲です。
  注意: 現代では、香水、ホテルマン、レストランのオーナー、ソフトプログラマー、食肉のディーラーも、金星と関係があります。

伝統によると、金星は阿修羅(asura)のグルとされ、教養ある宗教家を意味します。金星の特徴は見栄っ張りです。しかし、宗教的な情熱を敬虔さに変えていくことができる人も中にはいます。第10室に金星をもつ人を何百人も鑑定してきましたが、精神的な探求にまじめに取り組んでいるというよりは、体面を繕うためにやっているケースがほとんどでした。おそらく、金星の影響で煩悩的な日常生活を送る人が大多数なのでしょう。金星と関係するヴェーダ経典は、ヤジュル・ヴェーダ(YajurVeda)です。金星の良い面は、聖歌を好み、宗教に関係する場所を飾り、女神を始めとする神々を讃える歌を好んで作るところにあります。

土星
インド占星術家は、土星に関しては、やや迷信的過ぎるようです。たとえば、土星は、トラブル、悲しみ、老い、病気を表示します。しかし、インド占星術の聖典を見れば、土星には、見逃されがちな良い面があることが分かります。私がこれまでにいくつもの本で発表してきた研究では、土星の肯定的な側面について多くの実例を使って強調しています。

家庭: 老人や召し使い。古い、荒廃した家(特にレンガ造)。夜に生まれた人にとっては、土星は太陽の代わりと見なせるので、父親を意味します。
社会:

もし太陽が貴族であるとするなら、火星は専制家で、土星は民主主義者です。国家がある期間にとる政治体制について予言する場合、これは役に立つでしょう。下層階級や民主主義者、身体障害者、老人らは、古来、土星が表示してきました。現代の社会でいうならば、土星は選挙を通じて権力の座につこうとする人とでも言えるでしょう。火星が関係してくれば、鍛冶屋や産業資本家。木星が関係するならば心理学者、金星なら芸術家。水星なら彫刻家。

  注意: 土星の職業が実に広範囲に及ぶ事実をなおざりに理解していると、多くの誤った判断をしてしまうので、注意が必要です。

「土星は惨めさを表す惑星である」というのは、完全に誤った記述です。出生図やトランジットに吉相の土星がない場合、本当の意味での現世あるいは欲望からの厭離(おんり)は絶対に生じません。土星は、自己犠牲(tyana:ティヤーナ)を意味します。自己犠牲と智慧(Gyana)は、宗教的な人生を送る上での強固ないしずえとなります。土星が弱い場合、修行者(sadhak:サダカ)に惹きつけられます。そしてさらに月が傷ついている場合、劣等な神に惹かれるでしょう。

ラーフ
土星の次に評判が悪いのが、このラーフです。占星術家が、もっと研究を重ねない限り、今まで以上に占星術にダメージを与えてしまうでしょう。

家庭: 父方の祖父(ウッタラ・カーラームリタ〔Uttar-Kalamrita〕では、母方の祖父も該当します)、老人、病人、家庭からのはぐれもの。
社会: 外国人、エンジニア、建築家、スペースエンジニア、政治家、スチュワーデス、パイロット、新しい技術に関する専門家。

ラーフは、ラーマヌジュチャリア(Ramanujacharya)によると、ガンジス川での沐浴や聖地巡礼に関係するものとして、良いものとされています。これは、内向的であるケートゥと違って、ラーフが外向的であることに起因します。ラーフは、人々を何度も宗教や修行に向かわせますが、そのアプローチの方法は一風変わっています。そして一風変わった宗教的なアプローチを意味します。

ケートゥ
ケートゥは、占星術であつかう惑星のなかで、もっとも不可解な惑星です。精神的であり、神と関係する一方で、医学的な観点からは、不可解な側面があります。

家庭: 母方の祖父(ウッタラ・カーラームリタ〔Uttar-Kalamrita〕では、父方の祖父も暗示しています)、家庭における変わり者。
社会: ケートゥは、医者や病気を治癒する人を育てるのに重要な働きをします。また、他の惑星との絡みで、発明家になったり、微細な自然の神秘をあつかう人を意味したりもします。
  注意: ケートゥは、言語や言語学者を意味します。人々がコンピューターを学ぶ今日では、コンピューター・プログラマーは、ケートゥの表示に含まれます。

ケートゥと木星のどちらが、より解脱をもたらすのか?これは難しい問題です。しかし、ケートゥは、神の神秘をもっとも微細に体現しているという意味で、解脱をもたらすものと呼ばれています。

第12室にケートゥがあるとき、吉とされます。ケートゥには、常に人を隠遁へと導き、沈黙の行を行わせる傾向があります。

 


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