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Unit 1:ホロスコープ −
Lesson 2:スタティックな側面−惑星とハウス


猿にもわかる!インド占星術講座
ベイシックスキル−入門編
 
Topic 2: ハウスの象意


ホロスコープを読むとき、惑星と同時にハウスの強弱も調べます。強い惑星や弱い惑星の象意と一緒に、強いハウスと弱いハウスの象意を重ねて、浮かび上がってくるテーマが、その人の人生における中心的なテーマとなります。ですから、ハウスの象意は、惑星の象意と同様あるいはそれ以上に重要です。

それぞれのハウスについて、経験的に作用すると思われる象意を中心に以下に掲載します。できるだけ記憶するようにこころがけてください。


 ダルマハウス(法則)
 アルタハウス(富)
 カーマハウス(欲望)
 モクシャハウス(解脱)

第1室
上昇する太陽は身体(健康)を表わします。なぜなら、上昇する星座は、人間の体も高揚させるからです。このため、身体はラグナと同一視されます。ですから、身体になにか起きる場合、ほとんどラグナやラグナの支配星が関係しています。
第2室
身体を維持していくためには、食べ物、衣服、お金(収入)が必要です。最初は両親から与えられますが、後に自分自身で調達しなければなりません。ですから、第2室には、家庭という意味もあります。その他、言葉スピーチもこのハウスの象意です。このハウスに火星が在住すると悪口をつきやすく、土星が在住すると嘘をつきやすくなる反面、木星が在住すると良い言葉を話す傾向があるとされています。また、死(マーラカ)のハウスとも言われています。
第3室
お金を得るためには働かなければいけません(労働)。勇気努力も見せなければいけません。このような努力は、伝統的な社会にあっては弟妹の協力を得て初めて可能となります。ですから、第3室は、労働、トレーニング、勇気、努力、弟妹を意味します。第3室には、吉星よりも凶星が在住する方が良いとされています。理由は2つあります。ひとつは、凶星は重労働を意味します。もうひとつは、第3室は凶のハウス(第3,6,11室)の1つとされており、凶のハウスに凶星があることによって、凶意が2重否定され、結果的に凶意は相殺されると考えます。
第4室
努力(第3室)して収入(第2室)を得ると、資産を得、それによって食いつないでいけるようになります。第4室は、母親、資産(土地や建物)、乗り物などを表わします。母親の幸福や家屋、乗り物はこのハウスと関係します。また、心の安定を表わします。
第5室
入れ物がそろったら、次は子供と教育、そして趣味の追及です。第5室には伝統的に、幼・青年期においては教育を意味し、成人・中年期には子供を意味し、壮年期以降は精神的な鍛錬(修行)を意味します。聖者パラーシャラは、このハウスの象意として教育を強調しています。
第6室

教育(第5室)が修了すると、キャリアが始まり、健やかな健康作りの段階に入ります。また、それと同時に、病気、敵対、借金の問題も出てきます。第6室はこれらの象意を意味します。第6室は、第3室と同様に、凶星が在住する方が吉星が在住するよりも良いとされています。

第7室
職(第6室)につくと、人間関係(ビジネスパートナー)が形成され、やがて人生のパートナー(妻・夫・同棲相手)を欲するようになります。恋愛人間関係、ビジネスパートナーは、第7室の象意です。死(マーラカ)のハウスとも言われています。
第8室
家庭に落ち着くと、次は長生きをして人生を謳歌したいと思うようになります。第8室は、寿命(生命)のハウスです。
第9室

やがて、良い行ない(宗教的な善行)によって長生きできるので、長寿の願望が良い行ないを助長します。第9室は宗教性のハウスです。また、伝統的に家長は宗教の師にも擬せられました。北インドでは、父親は第9室で表されます(南インドでは第10室が父親を表わしています)。派生して、第9室は、教師、師のハウスです

第10室
行ない(業:カルマ)のハウスです。父親が子供をに就かせたり、あるいは自分で努力してキャリアを形成しようとします。第10室は職業、名声のハウスです。南インドでは、父親は宗教上の師というよりも職業上の師として見るので、第10室は父親を表すとされています。職業や昇給・昇進はこのハウスを見ます。
第11室
第11室は、第10室から見て第2室なので、第2室と同様に収入のハウスを意味します。第10室でなにを得るかは、このハウスで見ます。また、それゆえに、達成を意味し、称号(タイトル)、名誉なども意味します。また、第3室は弟妹を意味しますので、第11室は兄姉のハウスでもあります。なぜならば、第11室から第3室目は兄姉の弟妹、すなわち自分自身を表わすからです。願望成就のハウスと言われています。
第12室
第11室で得た収入は、このハウスで消費されます。そこから、損なうハウスと呼ばれています。人生の最終段階のハウスでもあるので、死の準備のハウスでもあり、解脱を意味するモクシャハウスでもあります。
 
12番目の部屋の意味合い
12番目のハウスは、損なうハウスなので、そこからハウスの象意に新たな意味が加味されます。

たとえば、生命を意味する第8室から12番目のハウスである
第7室は、生命を損なうので、を意味するマーラカのハウスとされています。

第8室から8室目の第3室は、第8室と同様に生命を意味します。ですから、そこから12室目の
第2室は、生命を損なうので死を意味するマーラカのハウスとされます。

また、宗教性や功徳を表わす第9室から12室目の第8室は、宗教性や功徳を損なうので、悪徳や隠れて何かをする(秘密)という意味もあります。また、第8室はモクシャハウスでもあるので、それにモクシャハウスの意味合いが加味されて、タントラマントラという意味合いも生じます。

人間関係を意味する第7室から12室目の
第6室には、人間関係を損なうことから、競争、係争、敵対関係などの意味が加わります。
   
とりあえず、これだけは覚えよう!
一言で言えば
人間関係で言えば
第1室
健康
自分
第2室
収入
第3室
欲求
弟・妹
第4室
建物
母親
第5室
学習
子供
第6室
競争
第7室
対人関係
配偶者(妻・夫)
第8室
寿命
第9室
教師
父親
第10室
職業
第11室
達成
兄・姉
第12室
喪失


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