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Unit 1:ホロスコープ −
Lesson 2:スタティックな側面−惑星とハウス


猿にもわかる!インド占星術講座
ベイシックスキル−入門編
 
Topic : 在住
 
星座を土地、ハウスを建物、支配星を大家とすると、次は、店子(たなこ)です。ハウスの住人です。

惑星が、あるハウスあるいは星座にあることを、在住すると言い、その惑星を在住星と言います。
在住星
住 人
支配星
大 家
ハウス
建 物
星 座
土 地

たとえば、下のチャートは、アセンダント(ASC)すなわち第1室に、火星が在住しています。第1室は蠍座でもあるので、蠍座に火星が在住しているとも言います。同様に、第2室の射手座には、ケートゥが在住しています。次の第3室の山羊座には、なにも在住していません。第4室の水瓶座にも、なにも在住していません。次の第5室である魚座には、月が在住しています。第6室の牡羊座には、なにも在住していません。第7室の牡牛座には、土星が在住しています。第8室の双子座には、ラーフと木星、金星が在住しています。これを別名、3つの惑星がコンジャンクトしていると言います。惑星が互いに接近しすぎるときには、惑星戦争の状態にあると言います。次に、第9室の蟹座には、太陽と水星が在住しています。太陽と水星の度数がとても近い場合、たとえば数度以内の場合、水星は太陽によってコンバストされていると言います。第10室から第12室には、惑星は在住していません。

これまで、よろしいでしょうか?(良くないといわれても、困りますが・・・)

 
住人の居心地
 
ハウスや星座の在住星は、建物の店子あるいは住人であると説明しました。

住人の立場に立ってみれば、居心地の良い建物(あるいは土地)とそうでない建物(あるいは土地)があります。

例えば、単純に考えて、大家が自分の家に住むのは、他人の家に住む場合よりも居心地がいいものです。仮に他人の家に住むとしても、その人と仲が良い場合とそうでない場合とでは、やはり居心地の良し悪しが違います。

インド占星術には、在住星の居心地の良し悪しを判断する基準があり、この概念は、鑑定においてとても重要になってきます。

一般に、居心地の良し悪しを決める要因として、つぎのようなものが考えられるでしょう。

 @建物(ハウス)との相性
 A土地(星座)との相性
 B大家(支配星)との相性
 C同居人(他の在住星)との相性

しかし、敷地(星座)と大家(支配星)との関係は一義的に決定されているので、結局、次の3つの要因だけを見ればよいことになります。

 @建物(ハウス)との相性
 A土地(星座)との相性
 B同居人(他の在住星)との相性

@建物(ハウス)との相性

それぞれの惑星には、相性の良いハウスがあります。

太陽
第10室
第4室
火星
第10室
水星
第1室
木星
第1室
金星
第4室
土星
第7室
 
まあ、これは正確に言うと、相性がよいと言うよりも、このハウスに在住する場合、その惑星の力が強くなるといった方が良いかもしれません。これを方角の強さと呼んでいます。 

この方角の強さの他に、一般にどの惑星も、ケーンドラのハウス(第1室、第4室、第7室、第10室)やトリコーナのハウス(第1室、第5室、第9室)に在住する場合、その惑星にとっては良いとされます。しかし、チャート全体にとって良いのかどうかは、また別の問題がありますが、それについては、ここではまだ議論しません。
 
ケーンドラ (良い順番)
第10室 > 第7室 > 第4室 > 第1室

トリコーナ (良い順番)
第9室 > 第5室 (>第1室)

※第1室は、通常トリコーナとしてよりも、ケーンドラとして見る。
 

また、逆に、一般にあまりよくないとされるハウスもあります。

第6室、第8室、第12室は、ドゥシュタナ・ハウスと呼ばれ、在住する惑星は否定的なエネルギーを帯びると言われています。このハウスに在住すると、惑星が持っている悪いテーマが強調されると言われています。

また、第3室、第6室、第10室、第11室は、ウパチャヤ・ハウスと言われ、人生の最初の方では困難があるが、年を取るに伴って努力によって改善されるハウスとされています。このハウスには、太陽、火星、木星、ラーフ、ケートゥなどの凶星が在住すると良いとされいますが、木星や金星、月、水星などの吉星が在住すると、それほど良くもなく悪くもなくなるといわれています。

 
ドゥシュタナ (悪い順番)
第8室 > 第12室 (>第6室)

ウパチャヤ (悪い順番)
第11室 > 第10室 > 第6室 > 第3室
 
A土地(星座)との相性

人にはそれぞれ相性の良い土地があるように、惑星にもそれぞれ、相性の良い星座があります。

まずは、故郷(ふるさと)ともいえる自分の星座です。

自分の星座は、基本的に居心地はいいものです。ムーラトリコーナ定座に分類されます。

次に、他人の土地ですが、高揚の星座最高星位)といって、自分の星座以上に居心地のよい星座があります。

また、他人の星座であっても友好な星座なら、居心地はそう悪くないでしょう。

段階的に、高揚の星座、友好な星座、中立の星座、敵対する星座、減衰の星座という順に、居心地は悪くなっていきます。

1)自分の星座(本来の星座)

    ・ムーラトリコーナの星座
    ・定座(高揚でもムラトリコーナでもない自分の星座)

2)他人の星座 

    ・高揚の星座
    ・友好な星座(友好星座)
    ・
友好でも敵対でもない星座(中立星座)
    ・
敵対する星座(敵対星座)
    ・減衰の星座

※例外1:ラーフとケートゥには、自分の星座がないとされていますが、蠍座と水瓶座は火星と土星以外に支配星を持っていて、それぞれケートゥ、ラーフであるとする考え方もあります。


居心地の良い順番に並び替えると、右図のようになります。

次ページ以降で、

 ・高揚/減衰の星座
 ・ムーラトリコーナ星座
 ・定座
  (高揚でもムラトリコーナでもない自分の星座)
 ・友好/中立/敵対星座

の順に、説明していきます。

 
B同居人(他の在住星)との相性
 


同居人、すなわち同じハウスに在住する惑星との相性も重要です。

端的にいえば、同居人の状態に良くも悪くも影響されると言うことです。

以下の要因を考慮します。

1)友好・敵対関係


基本的に、友好な星座の支配星とは友好で、敵対する星座の支配星とは敵対します。
たとえば、太陽は木星や火星、月とは仲がいいですが、土星や金星とは馬が合いません。
友好・敵対関係については、すでに説明済みですね。

2)吉星と凶星

吉星は、吉星と同居(コンジャンクト)すると、吉意が強まります。
凶星は、凶星と同居すると、凶意が強まります。
吉星は、凶星と同居すると吉意が弱まります。逆に、凶星は、吉星と同居すると脅威が弱まります。

吉星と凶星には、生来的(natural)な吉星/凶星と、機能的(functional)な吉星/凶星があるので、注意が必要です。

吉星と凶星についても、すでに説明済みですね。

ドリル 


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