インド占星術で使用する惑星は9つあります。 太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、ラーフ、ケートゥです。 中にはトランスサタニアンと言われる天王星、海王星、冥王星も用いる人たちもいます。その他、土星の衛星であるグリカやマーンディを使う場合もあります。またこれらの惑星の他にラグナがあります。ラグナは星ではありませんが生まれた時の東の地平線と黄道帯との交点をラグナといいます。
惑星 | 象意 | 1つの室の移動期間 |
太陽 | 自我、権力、名誉、プライド、政府、物事の中心、王、父親、心臓、目、胃 | 1ヶ月 |
月 | 心、情緒、人気、変化、日常、看護、養育、液体、昆虫、母親、女性、民衆、胸部、胃、子宮 | 2日6時間 |
火星 | 闘争、力、情熱、怒り、短気、速さ、火、犯罪、スポーツ、建設、兄弟、筋肉、肝臓、血液 | 45日 |
水星 | 知能、思考、コミュニケーション、商売、文筆、計算、占星術、親戚、皮膚、肺、腸、神経 | 1ヶ月 |
木星 | 幸運、宗教、智慧、神聖な知識、拡大、保護、財産、精神的指導者、子供、夫、脂肪、肝臓 | 1年 |
金星 | 愛情、結婚、芸術、音楽、快楽、調和、文化、恋人、妻、生殖器、視力、喉、腎臓、腰部 | 1ヶ月 |
土星 | 苦悩、貧困、疾病、障害、遅延、制限、寿命、労働、奉仕、犯罪、民主主義、改革、奴隷、神経 | 2年半 |
ラーフ | 貪欲、異常、勇気、向こう見ず、快楽主義、物質主義、外国人、悪性腫瘍、皮膚病 | 1年半 |
ケートゥ | 純粋、異常、禁欲主義、精神主義、哲学、真我、解脱、外国人、切り傷、潰瘍、伝染病 | 1年半 |
天王星 | 刺激、改革、発明、発展、閃き、分離、緊張、痙攣、電気、コンピュータ、エレクトロニクス |
海王星 | 混乱、消耗、疾病、損失、失敗、曖昧、理想、空想、神秘、霊感、石油、海洋 |
冥王星 | 極限、変容、爆発、生と死、独裁、独占、秘密、調査、幽霊、核、催眠、心理学、カルマ |
太陽は恒星であり、自らが光を発します。太陽の象徴は一国の王・魂(アートマ)であり、太陽の強い人は、威厳のある高潔さ、自信、勇気、カリスマ性、権力者、リーダーの資質を示します。その一方で、凶星が絡んだり、吉星の影響がない場合は、高慢、エゴイスト、我がままと言った欠点が出ることもあります。反対に、太陽が弱い場合は、自分に自信が持てなくなったり、、他人に支配されやすくなります。また、弱い凶星として位置づけられていますが、火星や土星ほどの悪影響はありません。ただ太陽に惑星が近づきすぎると「コンバースト(焼失)」といって、太陽の熱に焼かれる状態になります。コンバーストされた惑星は、その強さや外的象意(容姿・健康・物質的なこと)が傷つくとされています。
一般象意 | |||||||
王、魂、エゴ、勇気、プライド、地位、名誉、権力、政府、王室、健康、薬、不毛、熱、エネルギー、濃い赤 | |||||||
関連職業 | |||||||
企業や政府の管理職・政治家・ビジネスマンなど。特に管理能力に特徴がある | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
心臓循環器系・男性の右目・女性の左目・骨・脳 | 心臓障害・血圧の異常・視力の低下・頭部のピッタによる障害・高熱・癲癇・日射病 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
父親 | 赤 | 男性 | ルビー | 東 | 銅 |
月はラグナの次に影響力を持つ星です。インド占星術では、非常に重要視される惑星です。ASCが分からない時、またはラグナ(ASC)による鑑定をより発展させる時に、月をラグナとして鑑定します(チャンドララグナ)。またナクシャトラのベースとなる星であり、性格や運命のサイクルに大きな影響を及ぼします。
月は本来、弱い吉星ですが、変化が激しく、それにより、吉凶が大きく変わります。満ちていく月(シュクラ・パクシャ)、明るさの十分な月は吉星となり、反対に、欠けていく月(クリシュナ・パクシャ)、暗い月は凶星となります。
もし太陽がアートマ(魂)なら、月はマナス(心)です。変化の激しい月は移ろいゆく心を表し、人の精神的なパートは、月がつかさどっています。人の幸不幸を作りだすのは心です。月が暗かったり、傷ついたり、凶の室に在住すると、精神的に不安体だったり、ネガティブになったりします(逆に傷つくことで、精神的な希求や世間からの厭離・出家欲などが生じたりもします=サニヤシン・ヨガ)。明るい月は親しみやすい大衆性を持ち、周囲からの人気も出てきます。また、心を示す月は周りの環境も大事で、月が孤立している、かつアスペクトが無かったりすると、孤独や寂しさ、惨めさや不運をもたらします(ケーマドルマ・ヨガ)。また月は大衆性や人気運を表します。「12室」と絡めば、隠遁、鬱の傾向。土星からのアスペクトがあれば、喘息や肺炎に注意。月とケートゥがコンジャンクトすると、霊感に優れたり、霊媒的能力を持つ傾向があります。
また、月は王様の妻という側面から、母・妻・女性という象意があります。
一般象意 | |||||||
妻、女性、家族、心の安定、記憶力、快適さ、幸福、豊かさ、変化、名声、人気、旅行、昆虫、園芸、海産植物、海、川、湖、液体 | |||||||
関連職業 | |||||||
女性を相手にする職業:マタニティ産業・女性服飾・宝石店 大衆を相手にする職業:飲食業・日常用品店・広告業・マスコミ・音楽関係・芸術関係・芸能関係・ツアーコンダクター・運輸業・運転手 水に関連する職業:浄水機販売・ガソリンスタンド・漁業、霊能力者 |
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身体 | 病気 | ||||||
胸部・胃・体液(血液・リンパ液等)・男性の左目・女性の右目 | 肺や心臓などの胸部疾患・消化器系の疾患・血液に関連する疾患・女性の月経異常・子宮など婦人科系の疾患・視力の低下 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
母親 | 白 | 女性 | 真珠 | 北西 | 銀 |
火星は強い凶星。階級はクシャトリア(武士階級)。現代でいえば、政治家、警官、軍人など。軍人ゆえに、国民を守る義務があり、資産を示す4室目、生命を示す8室目にもアスペクトする(攻撃をしているとも見れる)。火星は情熱、集中力、怒り、スピード、力、争い、勇気、破壊を示します。また、「専門」、「技術」なども示し、外科手術、機械操作なども火星の象意となります。
火星の強い人はエネルギッシュで、行動力がある一方、怒りっぽく、血気盛んなところがあります。凶星や凶の質の影響で火星の象意が悪く出ると、暴力、論争、犯罪、訴訟、怪我、おおすぎる胃酸(胃潰瘍)を人生に持たらします。また、火星が減衰するなど弱い場合には、闘志や野心を欠き、謙虚は人柄になります。
火星に関する職業は、スポーツマン、外科医、エンジニア、専門職、武道家など。また、火星が土星と絡むと、構築能力に専門性が加わり、建築家や職人にも。特にこれが10室や4室と関わると、建築家や不動産上の傾向が強くなります。また、火星が第4室か第10室に影響を与えている場合、それがグルならば、アシュラムを形成します。火星が第5室にある場合、新しい宗教的な組織を打ち立てます。
家系が武士階級である場合、火星と土星が、1室あるいは1室の支配星と絡んでいます。また人間関係では、弟妹を示し、火星が3室にアスペクトしたり、コンジャクトすると、下の兄弟ができます(←火星・3室支配星が傷つかないことが条件)。また、結婚にも大きな影響を及ぼし、火星が7室に在住(クジャドーシャ)していたり、金星をアスペクトしていると、結婚にはマイナスになります。
一般象意 | |||||||
情熱、集中力、欲望、焦り、怒り、暴力、犯罪、スピード、精力、力、闘争、火、土地、不動産、科学、論理、乗物に乗る(運転・操縦)、外科手術 | |||||||
関連職業 | |||||||
プロスポーツ選手・格闘家・技術職・機械工・外科医・警察・自衛隊・警備会社・鉄鋼業・消防 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
筋肉組織・肝臓・血液・骨髄・生殖器・腎臓・副腎・頭部 | 肝臓機能低下・筋無力症・筋ジストロフィー・吹き出物・近視・腎臓疾患・副腎疾患・熱病・伝染病・盲腸・腫瘍・破傷風・痔・傷 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
弟妹 | 濃い赤 | 男性 | 赤サンゴ | 南 | 銅 |
水星は弱い吉星、もしくは中立とされます。中立がゆえに、吉星からの影響があったり、吉の室に在住するならば吉星として働き、凶星の影響がある場合は凶星として作用します。神話的には、木星の奥さんを月(ソーマ)が奪って、その結果生まれた子供が水星(ブダ)です。非常に美しい子供だったそうです。まだ若々しい星で、そのため性別は中性。非常に賢い星で、大きな象意としてはコミュニケーションと論理性・分析能力があり、前者は双子座で顕著になり、後者は乙女座で顕著になります。コミュニケーションと論理性の発展概念として、言葉、数学、学業、商業、会計、事務員、貿易、文筆、出版などの象意が出てきます。また、占い師の象意をもちます。占星術の学習を水曜日にすると良いと言われるのはこのためです。水星が良い状態の場合、特に太陽や木星の同居は、非常に賢くします。逆に凶星の影響があると神経質、理屈っぽく、嫌味で批判的な傾向。特に火星のアスペクトや影響があると、攻撃的な言葉を使うこともあり注意が必要です。水星が乙女座などに在住し強いと、恋愛や異性にのめりこむことが難しくなり、恋愛運が悪くなるとのこと(金星が減衰する星座というのも関係するかも)。 また、水星は8室や12室などの室でも比較的相性がよく、それほど悪い象意は出ません。また、水星の在住ハウスは何を学習し、情報を吸収するかをみます。3室なら著作家、5室なら創作・芸術系、12室なら、聖典に通じ、神秘的なことに興味を持つ傾向があります。
一般象意 | |||||||
知能、知識、論理性、合理性、情報、落ち着きの無さ、セックスレス、言葉、手紙、コミュニケーション、医療従事者、商業、貿易、出版、印刷、事務員、会計、文筆、教育、数学、占星術、踊り、移動 | |||||||
関連職業 | |||||||
作家・シナリオライター・コピーライター・評論家・会計士・税理士・学者・教師・医者・ビジネスマン・営業・秘書・アナウンサー・各種代理店・ツアーコンダクターなど | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
精神・神経、肺・皮膚・大腸・感覚器官 | 精神病や神経疾患の他に、呼吸器系疾患・熱病・皮膚病・吃り・便秘・痔・癲癇・腹痛・難聴 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
親戚、母方の叔父・叔母、従兄弟、養子 | 緑 | 中性 | エメラルド | 北 | 鉛・水銀 |
木星は最も吉意の強い星です。物質的で華やかな金星と異なり、精神的な幸福、成長・拡大・幸運をもたらします。“腐っても木星”などと呼ばれるように、多少支配する室が悪かったり、多少凶星の影響を受けても(ラーフは別)、木星の良い部分は残ります。木星は、宗教性・道徳性・精神性、献身と慈悲を象意に持ちます。木星の名前そのものもグル(教師・師匠)と呼ばれます。象意としては、知恵、法律、弁護士、裁判官、師、教師、医師、宗教家、カウンセラー、占星術師、上司、外国など。また、子供の象意ももち、木星および5室が良い時には、良い子供に恵まれます(ただし、5室木星在住は別)。また5室に木星がトランジットする時も、子供に恵まれやすい時期となります(←ダブルトランジットならなおさら)。木星の状態が良く、ケンドラやトリコーナと絡むと、成功、出世、幸福、発展がもたらされます。木星の状態が悪いと、怠惰、放漫、精神性の欠落になります。特にラーフが天敵で、グル・チャンダル・ヨガという「恩知らず」・「宗教性の欠落」する性格を形成します。ただ、これもいろいろな見方・条件があり、グル・チャンダル・ヨガがあるからといって、即、悪い人とはならないようです。
また、月や火星、太陽と仲良しで、良いヨガを組みます。 月と絡むと幸運・有徳のガジャ・ケーサリー・ヨガですが、実は結婚運があまり良くないという噂があります。(これは月が木星の奥さんを奪ったという神話から来てます)
木星は7番目以外にも、5・9番目アスペクトもするので、ダルマ・アルタ・カーマ・モクシャの種類のうちの在住する同一種類の室をアスペクトします。木星がいる室によって、ダルマ・アルタ・カーマ・モクシャのうち、どれに恩恵が在るか分かります。
ラオ先生の著作「星を見つめる聖者達」(Yogis, Destiny, and the Wheel of Time)の第10章に以下のような記事があります。 以下、大森一氏訳の記事になります。
グル・チャンダル・ヨーガ バスカラナンダ氏は、ある時わたしにこう言いました。 「現代は昔と違って、木星とラーフが一緒になって生じるグルチャンダル・ヨーガ(guru-chandal yoga)は、他の凶星がアスペクトしたりコンジャンクトしない限り、あまり悪く機能しないでしょう」また、「火星とのコンジャンクションが最悪であり、その次に土星が悪い」とも言っていました。 木星とラーフがコンジャンクトする時、「恩知らずのヨガ」(グルチャンダルヨガ)と呼ばれ、インド占星術では忌み嫌われる。確かに私の鑑定経験から言っても、このヨガの持ち主は、かつての教師、恩人、世話になった人に対する背信行為をする場合が多くみられる。このヨガの持主はそのような背信行為をすると、以後運気が衰退することも事実である。私はそのような場合、もう一度罵倒を覚悟で昔の世話になったに人に挨拶にいき、義理を返すように勧めている。この世において「良き因果を積む」「徳を積む」ことは、私の鑑定経験から言っても、「開運」の為に大変の重要な条件である。不徳の行為が最終的にその人を幸せに導くことは決してない。 しかし、一口に「グルチャンダルヨガ」と言ってもいろいろなケースがある。このヨガをもっているからその人が悪い人とは必ずしも言えない。むしろ逆の場合も多い。最近は、政治家の汚職疑獄、或いはコンプライアンス(法令順守)と言って、企業の反社会的行為に対して段々に世の中は段々厳しく対応するようになってきた。不当表示、詐欺行為、環境破壊、食品衛生、労働基準法違反等々の企業不祥事がそれに当たる。 そしてそれが発覚するケースは大部分が、内部告発によるものである。その内部告発者のチャートからよくグルチャンダラヨガが見られる。これなどは権力者側や企業側からみれば、裏切り行為、背信行為かもしれないが、社会正義の立場からみたら、彼等にこそ正義があると言えるだろう。だからグルチャンダルがあるから一概に良くない人物と決めつけることはできない。しかし、インドの伝統的価値観から言ったら、どのような事情があるにせよグル{師}や世話になった人を裏切るなどとんでもない行為ということになるのである。そこは国の違い、時代の変化に応じた判断が大切な所以である。 |
一般象意 | |||||||
グル、教師、医者、智慧、識別力、幸運、チャンス、財産、拡大、外国、宗教、献身、伝統的、占星術、ヴェーダ、聖典、マントラ、黄色 | |||||||
関連職業 | |||||||
宗教家・弁護士・裁判官・学者・教師・俳優・大臣・著述家・銀行家・商人・貿易 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
肝臓・脂肪・動脈 | 肝臓機能障害・イライラ・臀部の傷・肥満・過食症・水腫・鼓腸・消化不良・脳のうっ血・ヘルニア・糖尿病・皮膚病 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
子供、孫、父方の祖父母 | 黄色 | 男性 | トパーズ・イエローサファイア | 北東 | 金 |
金星は木星の次に吉意が強い星です。恋愛、結婚、芸術、文化、うつくしさ、贅沢さ、快楽など、世俗に関することは金星が司ります。金星が入る室の象意に、才能や美しさをもたらします。1室金星なら美形が多く、優しさや文化的な才能ももたらします。2室は顔の象意からこちらも美形に。また美食家になったり、言葉使いも丁寧で優しくなります。富や宝石にも恵まれる傾向。3室の金星は趣味や音楽、旅行。また交友関係も華やかになる傾向。4室なら、身の回りの贅沢さや快適さなどに恵まれます。6室は最も相性が悪いそうです。また、結婚の7室にあるときは、象意が二重になって、理想が高くなり結婚運が悪くなることがあります。12室の金星は意味深なところがあり、SEXに関することに関心があったり、運が良かったりします。金星に火星やラーフなどからの悪い影響があると、見栄っ張りになったり、浪費家になったり、性的に奔放だったり、煩悩が多かったりします。逆に乙女座で減衰すると質素になるとのこと。また金星から7室に火星があると、結婚運が悪くなる傾向(金星ラグナでのクジャドーシャ)。
一般象意 | |||||||
愛・結婚、恋愛・結婚問題、快適さ、贅沢、宝石、幸運、芸術、踊り、音楽、美しさ、ウォーター・スポーツ、水泳、試合、ゲーム、文化、乗物、白色 | |||||||
関連職業 | |||||||
音楽家・劇作家・映画関係・詩人・画家・服飾デザイナー・化粧品販売・自動車(乗物)販売・宝石商・建築・海軍・鉄道・運送 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
腎臓などの泌尿器系・生殖器系・内分泌系・喉・顎 | 泌尿器系疾患・生殖器系疾患・内分泌系疾患・皮膚病 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
配偶者、恋人 母方の祖父母 |
白 | 女性 | ダイアモンド | 南東 | 銀 |
土星は凶意が強い惑星です。奴隷や召使、障碍者、労働者階級をあらわします。性的に衰退した老人の星ゆえに、性別は中性です。努力を支援すの3室目と仕事を示すの10室目にもアスペクトします。土星の象意には、障害、病気、惨めさ、不幸、重労働、抑圧、苦悩、困難、悲しみがあります。これらは土星の教師的な役割で、結果的に人は哲学性や忍耐力、責任感や改革、自己犠牲や世俗・欲望からの厭離、カリスマ性をもたらします。偉大な聖者には、状態の良い土星が多く見られます。シュリ・ラーマ、シュリ・クリシュナ、ラーマ・クリシュナ、アマチなど、土星がいずれも高揚しています。また大衆・労働者階級を示す土星は民主主義に関わる星です。太陽が貴族であるとするなら、火星は専制家で、土星は民主主義者です。マンデーンにおいて、国家がある期間にとる政治体制について予言する場合、これは役に立つでしょう。職業としては、火星が関係してくれば、建築家や産業資本家。木星が関係するならば心理学者、金星なら芸術家、水星なら彫刻家などの傾向があります。
トランジットの土星の位置が悪い時は苦しい時期になります。 トランジットで土星が12室、1室、2室に来る時期をサディ・サティといいます。サディサティは「7年半」という意味で、この時期は比較的苦しみが訪れやすい時期と言われます。また土星が平和を示す4室(7室、8室、10室)を通過している時期もダヤと呼ばれ、身内の不幸や平安が奪われやすい時期といわれます。
一般象意 | |||||||
疾病、苦悩、悲しみ、貧困、奇形、恐怖、遅延、否定、破壊、障害、犯罪、農業、改革、建設、損失、安定、寿命、労働、民主主義、奉仕、科学、伝統や常識に基づかない行為、青色、黒色 | |||||||
関連職業 | |||||||
サービス業・重労働・肉体労働・鉄鋼業(などの金属関連)・木工・石工・建築業・採掘業・羊毛・皮革・刑務所・苦行者・召し使い・乞食・詐欺師 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
神経系統・骨 | 関節炎やリューマチ、胆石、虫歯など、神経・間接・骨に関係する病気 | ||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
召し使い | 黒 | 中性 | サファイア | 西 | 鉄 |
ラーフとケートゥは月の軌道と太陽の軌道の2つの交点を指します。このうち昇交点がラーフです。実際に存在する星ではなく、実体の無い影の惑星と呼ばれます。この星の象意としては、突発性、異常性、ブレーキの壊れた車、外国、外国人、アウトカースト、飽くなき欲望、追求、混乱、快楽主義、突発的な出来事を示します。ラーフは外向的で、強い煩悩を持ち、快楽の追求に向かいます。1室に入ったり、ラグナロードとコンジャクトすると、かなり個性的な人になります。
また、海外の意味が強く、ラグナロードがラーフとコンジャクトしたり、10室や4室関連にラーフが絡むような場合は、海外との縁が強いでしょう。ラーフはの在住する室は、その人が興味関心のあるテーマを表します。
また兄弟についても影響し、以下のような傾向があります。
@ ラーフが3室または11室に在住する場合、兄弟の中で最年長か最年少のいずれかである。
A 10室にラーフが在住すると、男兄弟が多い。
B 4室にラーフが在住すると女姉妹が多い。
ラーフは基本的に強い凶星の扱いですが、その吉凶はその在住する室やアスペクトする星に大きく依存します。「Brihat Parashara Hora Shastra」の36章では「ラーフやケートゥがケンドラかトリコーナに在住するか、あるいは、ケンドラかトリコーナの支配星とコンジャンクト、あるいはアスペクトされるなら、ラージャ・ヨーガ・カラカ(ラージャヨガを形成する表示体・吉星)になる」と書かれています。また、ディスポジター(在住する室の支配星)の状態によっても、吉凶が大きく依存すると言われます。
また、ラーフ期や、ラーフがアセンダントにトランジットするとき、非常に不安定になります。欲求に駆り立てられて、何か新しいこと経験をしたくなります。外国旅行をしたくなったり、奇抜な行動に出たり、急に髪形を変えたり、新しい領域への衝動が強まります。カルマの清算時期と言われ、人は自由意思を行使しにくくなり、運命(プララブダ・カルマ)の影響下に置かれやすくなります。また、欲求に駆り立てられるため、恋愛や結婚、富や名声、社会的な成功もこの時期に起きやすい傾向があります。非常にアップダウンの大きな時期になります。また、このラーフ期で得たものは、ラーフ期の終わりとともに失うとされ、この時期の終わりは苦しみが大きい傾向があります。
一般象意 | |||||||
アウトカースト、最下層民、外国人、罪深い女性、ヘビ、爬虫類、快楽主義、飽くなき現世的欲望、勇気、向こう見ず、無智、怠惰、偽善、異常、調査、外国での生活、物質主義、賭博 | |||||||
関連職業 | |||||||
エンジニア、建築家、スペースエンジニア、政治家、スチュワーデス、パイロット、新しい技術に関する専門家 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
粘液、悪性腫瘍、皮膚病、むくみ | |||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
父方の祖父 |
意外と重要な「ラーフ」 from Karma and Rebirth in Hindu Astrology, by K.N. Rao - ch. 2 ホロスコープにある惑星はすべて、わたしたちが過去に積んだカルマのどれかを表しています。カルマの結果は、良い場合もあれば、悪い場合もあります。いずれも、この生で経験しなければなりません。しかし、天体の蝕の原因となるラーフは、人生においても蝕の原因となります。ですから、だれのホロスコープでも、ラーフは、次のようにして調べなければなりません。 @ もし、ラーフが単独で、他のどの惑星からもアスペクトされていなければ、ラーフがもたらす結果は、ラーフが在住するハウスの状態とそのディスポジターの状態に左右されます。 A もし、ラーフが他の惑星とコンジャンクトしているなら、それらの惑星、支配するハウスに蝕をもたらします。 B もし、ラーフが他の惑星からアスペクトされているなら、その惑星が吉星なのか凶星なのかを見てください。 C もし、ラーフが凶星からアスペクトされているなら、それが火星なら暴力を、それが土星ならゆっくりとした破壊をもたらします。 D もし、ラーフが吉星からアスペクトされているなら、ラーフは吉星に変わります。 E 以上の結果は、ヨーガカラカや聖仙パラシャラの原則を考慮して修正されます。原則が適用される場合、ラーフは、ヨーガカラカのように振る舞います。 ラーフは、ホロスコープのなかで、その人がはまっているテーマの所在を表します。それが上昇のポイントであることもあるし、下降のポイントであることもあります。ラーフは、この点について間違いはありません。 reprinted with permission (訳:大森一氏) |
ラーフとケートゥは月の軌道と太陽の軌道の2つの交点を指します。このうち降交点がケートゥです。実際に存在する星ではなく、実体の無い影の惑星と呼ばれます。この星の象意としては、ラーフの逆で、禁欲主義、純粋さ、内向的。ラーフが物質的・快楽主義であるなら、ケートゥは精神性を高める方向に進む傾向。まるでお坊さんのような星です。ケートゥは、神の神秘をもっとも微細に体現しているという意味で、解脱をもたらすものと呼ばれています。
象意としては、外国人、外国。医療従事者、哲学。テクノロジー関係の仕事。オカルト主義。超能力。識別力。解脱、悟り、真我。精神性の高さ。突発性。信じられない出来事。偏屈。他には風邪、潰瘍、陰謀、毒のある言葉など。
また、ケートゥは、医者や病気を治癒する人を育てるのに重要な働きをします。ケートゥが10室に絡むと、医療従事者につく人が多い。また、他の惑星との絡みで、発明家になったり、微細な自然の神秘をあつかう人を意味したりもします。12室に在住するケートゥは吉とされ、この配置の人は、鋭い直感や霊感を持つ人が多い。また月がケートゥとコンジャクトしても、この傾向が発現します。
ケートゥは基本的に凶星の扱いですが、その吉凶はその在住する室やアスペクトする星に大きく依存します。「Brihat Parashara Hora
Shastra」の36章では「ラーフやケートゥがケンドラかトリコーナに在住するか、あるいは、ケンドラかトリコーナの支配星とコンジャンクト、あるいはアスペクトされるなら、ラージャ・ヨーガ・カラカ(ラージャヨガを形成する表示体・吉星)になる」と書かれています。また、ディスポジター(在住する室の支配星)の状態によっても、吉凶が大きく依存すると言われます。
また、ダシャーでのケートゥ期は、内向的に自分を見つめる時期になりやすい(世俗的なイベントは起きにくい)。
一般象意 | |||||||
アウトカースト、最下層民、外国人、医療従事者、真我、禁欲主義、解脱、超能力、識別力、幽霊、毒のある言葉、陰謀、オカルト主義、哲学 | |||||||
関連職業 | |||||||
テクノロジー関係の仕事、言語学者、コンピューター・プログラマー、医療関係 | |||||||
身体 | 病気 | ||||||
粘液、悪性腫瘍、皮膚病、むくみ | |||||||
人間関係 | 色 | 性別 | 宝石 | 方角 | 金属 | ||
母方の祖父 父方の祖母 |
キャッツアイ |