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インド占星術.comは、ジョーティッシュ・インド占星術による鑑定、および解説・研究するサイトです。

 

会社方針VEDA & JYOTISH

ヴェーダ

インド占星術は、「ヴェーダー」と呼ばれる思想・文献と関連があります。
ヴェーダーは「知る」という意味の「ヴィド」から来ています。すなわち言葉上では「知識」そのもの物を意味します。
ヴェーダーというのは、一般には、神々への賛歌、神話、哲学的思索、祭式の規定など、宗教的な内容をもり、古代インドのバラモン教の聖典を構成する文献群を指します。ただし、ヴェーダは口承によって伝えられ、その正確さには驚くべきものがあります。文献として筆写さえるようになるのは、かなり後代になってからのことです。そのため、ヴェーダーそのものについては発祥の年代や作者いうものが明らかになっていません。聖仙(リシ)が神秘的霊感によって感得したものとされたり、または時のはじめから存在し、人格的作者をもたないとも言われます。そのため、ヴェーダは「天啓聖典」(シュルティ)と呼ばれることもあります。

●ウパニシャッド

インド占星術において、そのベースとなる「転生輪廻」と「業(カルマ)」の観念はウパニシャッドというものに明確にされています。 ウパニシャッドはヴェーダにおける哲学書です。ウパニシャッドという言葉は「近くに坐す」という意味を持ちます。また、ウパニシャッドはヴェーダンタ(ヴェーダの末尾)とも言われます。
内容としては、祭式の根本的意義、宇宙の根本原理、解脱への認識方法が追求されており、核心をなすのは「梵我一如」(ぼんがいちにょ)の思想であると言われます。「梵我一如」とは、世界の根本原理(ブラフマン)と個物・個人の本体(アートマン)とが究極的に同一であるという考え方です。簡単に言ってしまえば、神と私たちの本質は同じであると言うことです。この真理を悟れば、輪廻の連鎖を断ち切って解脱することができるとされれます。要するに「悟り」とは自分の本性を知ることに他なりません。インド占星術でも、人生の目的となる4種の室があり、その中の最後の目的がモクシャ(解脱)であるとされます。

ヴェーダンガ(Vedanga)

難解なヴェーダを読み解くためには、事前に修めなければならない6つの教えがあり、それらをヴェーダンガ(Vedanga=ヴェーダの手足) と呼びます。6つとは、Shiksha(サンスクリットの発音)、Chhanda(サンスクリットの音韻)、 Vyakarana(サンスクリットの文法)、 Nirkta(難解な単語の説明)、 Kalpa(経典の理解ととマントラの利用)、Jyotisha(占星術)です。


ヴェーダとインド占星術(ジョーティッシュ)の関係表




ヴェーダの基礎として、サンスクリットの文法や発音は納得がいくとして、なぜ占星術がヴェーダの基礎になるのでしょう? それは、祭祀を行うにはすべて適切な時に行うことが必要だったからです。曜日・ナクシャトラ・ティティ・星回りなど、現在もムフルタにより祭祀・儀式が行われており、それを知るのに、占星術が欠かせない物となったわけであります。


ヴェーダ思想とジョーティッシュ

ジョーティッシュも、ヴェーダの一部でありますから、ヴェーダ、ヒンドゥイズムの基本的な思想を受け継いでいます。 例えば、惑星や星座、ナクシャトラには、対応する神様や神話があり、それらの星に対応するマントラもあります。
また、ヴェーダ、ヒンドゥイズムの基本概念・思想の中で、特に色濃く反映しているものが輪廻転生(サンサーラ)の思想と因果応報(カルマ)思想でです。 インド占星術占星術では、基本的に輪廻転生の存在を肯定し、前世のカルマ(=行為による因縁)を受け継いで来たものだとします。


運命とカルマについて

以下(枠内)は大森一氏による「Karma&Rebirth in Hindu Astrology by K.N. Rao」からの翻訳です。


運命とは何か?

(これは多くのところで記述される言葉です。ヴァールミーキが著したラーマ・ヤナからの引用です。王位に就く代わりに、森へ14年間幽閉されようとしているとき、ラーマの王がラクシュマーナに説明している場面です。運命によって生じたものはすべて、賢者は受け入れます。ここに運命とはなにか、そしてそれがどのように機能するのかについて、少し辛口で説明されています。)

幸福や不幸というかたちでカルマが返ってきてはじめて、私たちは運命の存在に気づきます。だれが運命に立ち向かえると言うのでしょう?

幸福と不幸、恐れと怒り、利得と損失、創造と破壊などは、運命の気まぐれです。

偉大な修行者であっても、運命がそう望むなら、修行を途中で断念しなければなりません。偉大な修行者でさえ、運命によって欲望と怒りに突き動かされ、理想の状態から転落しなければならないこともあります。

予告もなにもなく突然に起こり、努力してもどうすることもできず、わけもわからずに新たな状況に立ち至ってしまう、これは運命のなせる技です



では、運命を形成させる物は何でしょう・・・
それは「カルマ」だとされています。

「カルマ」とは直訳すると「行為」を意味します。一般に使用される意味としては、「行為により蓄積される因縁」という意味でもっぱら使われます。カルマの法則とは、「良いものにしろ、悪いものにしろ、与えたものが自分に返ってくる」という因果応報の法則のを指します。物理法則的には作用・反作用の法則ということができます。物理法則における作用反作用の法則が厳密に成り立つように、カルマも基本的には、消えたり、免除される物ではありません。
すなわち、インド占星術において、またインド思想においては、現在、味わっている悲喜・苦楽・善悪・幸不幸は、過去のカルマの結果だとされます。そして、現在の行為の善悪が未来に良い結果・悪い結果を生み出します。要は、過去の行為が現在を作り、現在の行為が未来を形成しているということです。

インド占星術において、チャートに現れてくる運命という物は、カルマの結果ということができます。

カルマには以下の4つがあります。

サンチッタカルマ
過去世の蓄積したカルマ
パララブダカルマ
サンチッタカルマのうち、現世で受けなければならないカルマ
クリヤマナカルマ
今生で生み出されたカルマ
アーガマカルマ
未来で受けるカルマ

書きかけ



占星術の起源について

占星術の起源についての説は多々ありますが、チグリス川とユーフラテス川の間のメソポタミア南部にその起源があるといわれています。その始まりは、紀元前2000年より前に、ごく初歩的な形の占いが行われていたというのが一般の学説です。
ところが、インド占星術はもっと古いとされます。ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラ(BPHS)を書いたとされるパラシャラは、マハー・バラタの時代の人で紀元前3000年より前です(マハー・バラタを書いたとされるヴィヤーサ仙は、パラシャラ仙とサティヤヴァティの子です。また、一説には、クリシュナの誕生日は紀元前3228年と言われています。 ヴィヤーサはこちら。サティヤヴァティはこちら

なぜ、インド占星術の歴史は認められていないのでしょう?
それは、西洋の歴史学者の思惑があるようです。

下記のような解説があります。

ヴェーダの天文学の神話

 ヴェーダ文学は興味深い神話をもっている。ヴェーダの暦は地球の軸の歳差運動によって変化する春秋分と夏冬至の位置によっている。
「ヴェーダンガ・ジョーティシュ」によれば春分はアスレーシャ(Aslesha)すなわち蟹座から23度20分の星座(Nakshatra)に位置していたという。これは紀元前1400年であったことを示す。ブラーフマナやヤジュル・ヴェーダ、アタルヴァ・ヴェーダによれば、春分はクリッティカ(Krittika プレイアード、古くは牡牛座)にあり、夏至(ayana)はマガ(Magha 古くは獅子座)にあったという。これは紀元前2500年の時点を示す。春分や夏至に関する記述はおびただしく存在し、疑念をはさむ余地がない。つまりハラッパー文化の時代には高度な天文学がすでに発展していたのである。  
しかしこうした記述は西欧の学者に無視されるか、非科学的とみなされてきた。というのももしそれが正しいなら、ヴェーダの時間をはるか古代にもっていかなければならなかったからだ。ヴェーダに天文学の記述がないというわけではなかった。西欧の学者は考古学的証拠がないかぎりまともに取り扱おうとしなかった。しかしいままで見てきたように、ハラッパー・サラスヴァティー文明の考古学的証拠はつぎつぎと発見されているのだ。  さらに付け加えるに、古代ギリシア文書に古代の天文学的記述が発見され、それは人類の叡智のひとつとして賞賛されてきたが、ヒンドゥーの文書のなかに発見されても、だれも評価しようとしなかった。むしろヒンドゥー文化は非科学的だとさえ言われたのだ。

『超古代サラスヴァティー文明 』  デーヴィッド・フローリー著   訳:宮本神酒 より


よく、韓国の歴史学者の間で、「とんでも韓国起源説」なるものが出てきますが、西洋の歴史学者たちも、自分たちの文化を崇高な物にするために、自分たちの文化を起源にしたがっているようです。インド占星術もそうした思惑の被害者かもしれません。

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