(※ブラウザーによっては、写真が横になるかもしれませんm(__)m・・・特にサファリ。)

サイババ作製、第二弾です。

あれから、原型を手直しし、型を取って樹脂でキャスティング(注型)しました。
先週、サイセンターで50人ぐらい集まる研修会があったのですが、そこの受付に飾りました。

まぁ、ほとんど気づかれなかったですが・・・・
まだ腕が足りないということですね(^^;

 

以下に、作製記を記します。

作製の流れは、大まかに以下のような感じになります。

 

【1.原型を作成】

  1. 樹脂粘土や蝋で作製します。紙粘土や木彫りでもいいです。

【2.シリコン型の作製】

  1. 型枠を作り粘土に半分埋め込む
  2. 粘土に湯道と凸凹を付ける
  3. シリコンを流し込む
  4. 裏返し、粘土を外し、型にシリコンバリアを塗る
  5. シリコン樹脂を流し込む
  6. 型から原型を外す
  7. 型の出来上がり

【3.キャスティング(樹脂注型)】

  1. 離型剤を型に塗る(別に無くても剝がれますが、あった方が良いです)
  2. 型を組み、ウレタン樹脂を流し込む(※エポキシ系樹脂でもよいが粘度が高い)
  3. ランナーやバリを取り除く
  4. パテなどで補修をする。また、お好みにより、色付けなどをする。

 

 〔サイババ作製記〕

では、作製記です。

まず、原型をプスラチック粘土で作ります。
これは、以前報告した通りですが、あれから少し手を入れました。

 

そして、これに、プラスチックの枠を作り、粘土で原型を半分埋めます。(下図)

写真にある太めのアルミ線は、樹脂の流れる通路(湯道)になります。
湯道は、樹脂を流し込んだとき、下から入って、上に抜けるようにします。(※樹脂が上から入ると、気泡がたまりやすい)

また、玉や凹みがありますが、これは型を合わせた時に、型同士がずれないようにするためにつけます。

型用のシリコン樹脂、ディスポカップ、はかり、真空デシケーターなどを準備します(下図)

まず、シリコン樹脂に固化用の添加剤を加え、よく混ぜて、型に流し込みます。

 

そのままだと、空気を巻き込んだりして、型にポア(気泡・空隙)などが発生しやすいため、真空に引いて、脱泡処理をします。(※必ずしも必要ではないですが、やった方がいいです)

ちなみに、この真空デシケーターは、大学で働いてた時代にゴミ捨て場から拾ってきたものです。

真空に引くと、このように、強制的に泡が出てきて、中の空気が抜けます。

シリコンが固まったら、裏返して、反対側の粘土の部分を取り除きます。

粘土が残っていると、できてくる型の細かい形状が潰れますのでしっかり取り除きます。

取り除けたら、型の反対側の面を作りますが、そのまま流し込むとシリコン同士が引っ付いてしまうので、離型剤を塗ります。(商品名:シリコーンバリア)

ブロックで壁を作って、シリコン樹脂を流し込み、また真空に引いて脱泡します。

ブクブクブク・・・

 

固まったら、シリコン同士を外します。こんな感じになります(↓)

中の原型を取り除けば、モールド(型)の出来上がりです。
樹脂の注ぎ口(湯口)は適当にカッターで切って広げておきましょう。

これで、頭の型は出来上がりです。

 

さて、次にこの型を合わせて、今度はウレタン樹脂(二液性)を流し込みます。
このウレタン樹脂は2つの液体を混合するのですが、混合後2~3分で固まりだしますので、手早く作業します。
10秒ぐらい混ぜて、1分ぐらいで注ぎ込みます。
湯道が細いと、流れが悪くて時間がかかり、途中で固まってしまいます。

写真では注ぎ口に液が溜まるように、粘土で枠を作っています。

で、1時間後ぐらいに、型を外します。
外す瞬間はすごく楽しみです!^^

こんなふうになります。(↓)

で、型から外して、ババヘッドの出来上がりです!^^(※湯道にたまった樹脂(ランナー)は切り取ります)

 

はい、お次は胴体部分ですね。足の部分が凹んだ構造になっています。(↓)
こういうのは、二つ割の型での作製は難しいです(※大きな逆テーパーがつくようなものは、キャスティング後に物が抜けなくなる。)

ちゅうわけで、この型は、裏と表と足部分の三つ割りの型にします。
要は、足側にも型を分割して作製し、足の下方に型が抜けるようにします。こうすれば、へこみの部分も作製できます。

たまに、型取りのサイトの解説を見ていると、『逆テーパーになるものは作れない』みたいに書いてあるところがありますが、シリコンモールド自体を多分割の割型にすれば、逆テーパーでも作ることができます。
ただ、型の作製は非常にめんどくさくなりますが・・・・(※あと、キャスティング後のバリやパーティングラインの処理も大変になる)

 

さて、まず、本体の正面の部分の型を作製します。

まず、粘土で埋め込みます。

流し込む樹脂の通り道と、玉、凹みなどをつけます。

これを、真空デシケーターに入れて、シリコン樹脂を流し込み、真空に引いて脱泡します。

ブクブクブク・・・

 

はい、次は足の部分のシリコン型を作ります。

足の部分の粘土を除去します。(背中側の粘土は残す)
シリコン同士が接触する部分は、離型剤を塗ります。

壁作って、シリコンを流し込み、脱泡します。

固まったら、今度は背中側の粘土を取り除きます。

足側の型(モールド)ができていますね(↓)

 

同様に、離型剤塗って、ブロックで壁を作って、シリコン樹脂を流し込み、真空引きして脱泡します。

 

で、固まったら、中の原型を外して、型を合わせて、ウレタン樹脂を流し込みます。(↓)
(※横から液が漏れやがったので、クランプ使って挟んでいます。多重割型にすると、漏れやすくなると思います)

 

固まったら、型を外します。

型から、中の製品を取り出します。

ちなみに、型は以下の写真で分かるように、3つの型からなっています。

 

 

腕も同じ様に作製します。

まぁ、上記と同じなので、大幅に割愛しますm(_)m

 

で、全部のパーツを作ったものが以下になります。

これをウレタン用接着剤でつければ完成です。
本当は、ホワイトのパテで首や腕の付け根などにある隙間を埋めたかったのですが、なんか白の色が異なって、逆に目立つからやめました。

海洋堂とリボルテックタケヤから発売予定です(嘘)

 

樹脂ではなく、蝋(ワックス)で作れば、ロストワックス法で金属鋳造(金や銀や真鍮など)で作製することも可能です。
結構、お金かかりますが・・・

 

量産型は以上ですが、色を塗ってシャア専用をを作ってみたいと思います。

まず、色を調合します。

エアーブラシで吹きます。

顔の色塗りをしたのですが・・・
あまりうまくできませんでしたので、秘仏としますm(__)m

以上です。

関連記事: