【1.チャラ・ダシャーについて】

ジャイミニ系のダシャーをチャラ・ダシャーと言います。

星座系のダシャーとなります。

日本人インド占星術師は、ヴィムショッタリー・ダシャーと、チャラ・ダシャーと、ヨーギニ・ダシャーが3大人気ダシャーですね。

チャラダシャーは吉凶と物事が起きることがはっきり分かりやすいので、出生時刻修正などにも使えます。

 

〔ジャガンナータでの設定方法〕

ジャイミニ系の有名なダシャーにチャラ・ダシャーというものがあります。

表を出せなきゃしょうがありませんので、まず、ジャガンナータでの設定方法から説明します。

まず、Dasaのページに行き、下のRasi-dasasのタブをクリックします。


その後、上部のダシャー名前が出ている部分をクリックし、Chara dasas (K.N.Rao)を選びます。

 

すると、Rao先生の7カラカに対応した、チャラ・ダシャーが表示されます。


〔チャラ・ダシャーの原理〕

さて・・・コンピュータの発達した現代では、それほど覚える必要はないのですが、一応、チャラダシャーの原理・計算方法から行きます。かなり複雑です。

チャラ・ダシャーは星座ベースのダシャー(Rasi Dasha)です。
従って、牡羊座期とか蟹座期などという呼び名になります。

 

≪サイクルの順番(マハーダシャー)≫

まずは、マハー・ダシャーの解説です。

①:ラグナからスタート:

例えば、ラグナが獅子座にあれば、その人のチャラダシャーは、獅子座期から始まります。

②:9室が牡羊座・牡牛座・双子座・天秤座・蠍座・射手座の人は順旋となり、ダシャーは時計回り(右回り)に進む

例えば、獅子座ラグナの人は、9室が牡羊座だから順旋で、獅子座期→乙女座期→天秤座期・・・となります。

③:9室が蟹座・獅子座・乙女座・山羊座・天秤座・魚座の人は逆旋となり、時計反対周り(左回り)に進む

例えば、山羊座ラグナの人は、9室が乙女座だから逆旋で、山羊座期→射手座期→蠍座期・・・と進みます。

以下の分類をしっかり覚えてください。

9室が決まれば、ラグナが決定しますが、なぜラグナでなく、「9室が~座」という書き方をするかというと、古典がそう説明しているからです。

また、ラグナで分類を覚えると、上記の分類以外にもう一つの分類を覚えなければいけなくなるからという理由もあります。(あとで出てきますが、長さを出すときは上記の分類を使うので、ラグナで覚えると、2つの星座の分類を覚えなくてはいけなくなります。この2分類で書いてあるテキストもあります)

 

≪サイクルの長さ(マハーダシャー)≫

チャラダシャーにおける各星座の期間の長さの出し方を以下に示します。蠍座と水瓶座は追加の例外則がありまして、また後で示します。

  • ①:その星座を1室目として、その支配星が何室目にあるのか数える
  • ②:その時、順旋の星座の場合は、順旋(時計回り)で数え、逆旋の星座の場合は逆旋(反時計回り)で数える。(※考慮するのは、支配星の在住星座ではなく、支配星座(=①の星座)の方です)
  • ③:上記の②で数えた数から1を引いた数字が、チャラダシャーにおける、その星座の期間の年数となる
  • ④:ただしその星座にその支配星が入っていた場合(=要するに定座・1室目)は、③の方法だと、1-1=0になってしまいますが、この場合は1室を、ぐるっと一周した13室目と見て、13-1=12で12年となります。

 

〔蠍座と水瓶座について〕

蠍座と水瓶座は少し特別ルールがあります。

チャラダシャーを考える時、蠍座の支配星は火星とケートゥの2つあります。
また、水瓶座も支配星が2つあり、土星とラーフです。
従って、どちらの支配星で考えるか、選ばなくてはいけません。

以下のようなルールがあります。

  • ⑤:蠍座に火星が在住し、ケートゥが他の星座に在住する場合、ケートゥを数えます
  • ⑥:蠍座にケートゥが在住し、火星は他の星座に在住する場合、火星を数えます。
  • ⑦:蠍座にケートゥも火星も在住する場合は、1室目となり、12年間です。
  • ⑧:蠍座以外にケートゥも火星も在住する場合、ここは流派でいろいろあります。

⑧-ラオ派:火星とケートゥで、他の星と多く同居している方を選びます。
⑧-ラオ派:同居する星の同じ数なら、(その星座の中)度数の高い方を選びます。

⑧-その他の流派:同居を考えず、単に火星とケートゥを比べて、度数の高い方を選ぶ流派もあります。

水瓶座は支配星が土星とラーフの2つあります。
上記の蠍座と同じルールになります。

 

≪サイクルの順番と長さ(サブ・ダシャー)≫

次はサブ・ダシャー(アンタル、プラティアンタル・・・など)についてです。

マハーダシャーとかなり異なります。

まず、サイクルの順番なのですが、ラグナではなく、その知りたいダシャーの1個上の上位のダシャーの星座の9室目で見ます。

例えば、アンタルダシャーを出したいなら、マハーダシャーとなった星座から9室目の星座が順旋なら時計回りに、逆旋の星座なら反時計回りに進みます。ただし、スタートは、マハーダシャーの星座の次の星座から始まり、マハーダシャーの星座は一番最後になります。

例えば、マハーダシャーが牡羊座期だとすると、9室目は射手座で順旋ですから時計回り、始まりは、牡羊座の次の星座からですから、牡牛座期から始まり、以下、双子座期、蟹座期・・・と続きます。

次に長さですが、マハーダシャーの長さを、12等分したのが、アンタル・ダシャーの長さ、アンタルダシャーの長さを12等分したのが、プラティアンタルダシャーになります。

例えば、マハーダシャーの牡羊座期が1年だったら、その各アンタルダシャーは各約1か月、プラティアンタルダシャーは約30÷12=2.5日です

 

〔チャラ・ダシャー例:ビルゲイツ〕

はい、大変わかりにくいと思うので、またビル・ゲイツをの例を出します。


1.まず、ラグナは双子座ですね。従いまして、ダシャーのスタートは、双子座期からになります。

2.双子座ラグナの人の9室は水瓶座になります。これは逆旋の星座です。従って、ダシャーは逆回りとなり、双子座期→牡牛座期→牡羊座期→魚座期・・・となります。

3.次に、それぞれのダシャー期間の長さを出します。まず双子座期から出します。

・双子座の支配星は水星で、乙女座在住です。

・双子座は順旋の星座なので、順回りにGeからViを数えると4室目です。

・従って、4から1を引いて、3年がこの双子座期の長さになります。

・よって、ビルゲイツの場合、生れたその日から、3年間が双子座期です。

他も同様に見ていってください。

 

次に、水瓶座と蠍座に行きます。

水瓶座の支配星はSaとRaがありますので、特別ルールに従い見ていきます。

・SaはSu、Veの2惑星と同居しています。Raに同居している星はありません。

・従って、ここではSaを選び、見ていきます。

・水瓶座は逆旋でAq→Liなので5室目。1を引いて4年が水瓶座期です。

蠍座期も支配星はMaとKeがありますので、特別ルールに従い見ていきます。

MaはMeと同居しています。Keは同居している星がありません。

従って、ここではMaを選び、見ていきます。順旋Sc→Viなので11室目。1を引いて10年が蠍座期になります。

 

計算し、まとめますと、以下の表のようになります。

星座期 方向 計算 開始 終了
Ge: 順旋 Me:Ge→Vi:4-1=3 1955/10/28 1958/10/28
Ta: 順旋 Ve:Ta→Li:6-1=5 1958/10/28 1963/10/28
Ar: 順旋 Ma:Ar→Vi:6-1=5 1963/10/28 1968/10/28
Pi: 逆旋 Ju:Pi→Le:8-1=7 1968/10/28 1975/10/29
Aq: 逆旋 Sa:Aq→Li:5-1=4 1975/10/29 1979/10/29
Cp: 逆旋 Sa:Cp→Li:4-1=3 1979/10/29 1982/10/28
Sg: 順旋 Ju:Sg→Le:9-1=8 1982/10/28 1990/10/28
Sc: 順旋 Ma:Sc→Vi:11-1=10 1990/10/28 2000/10/28
Li: 順旋 Ve:Li→Li:13-1=12 2000/10/28 2012/10/28
Vi: 逆旋 Me:Vi→Vi:13-1=12 2012/10/28 2024/10/28
Le: 逆旋 Su:Le→Li:11-1=10 2024/10/28 2034/10/29
Cn: 逆旋 Mo:Cn→Pi:5-1=4 2034/10/29 2038/10/29

次に、マハーダシャーが双子座(Ge)期におけるアンタルダシャーを見ていきます。

双子座から9室目は水瓶座ですから虐旋・反時計回りです。

マハーダシャーは双子座(Ge)ですが、双子座(Ge)期から始まらず、次の星座の牡牛座(Ta)から始まります。双子座(Ge)期は一番最後に回ります。

長さは、マハーダシャーの双子座(Ge)期が3年ですから、3年÷12=3で、各3か月です。

マハーダシャー 開始 終了

Ge

1955/10/28 1958/10/28
アンタル・ダシャー 開始 終了
Ta: 1955/10/28 1956/1/25
Ar: 1956/1/25 1956/4/24
Pi: 1956/4/24 1956/7/27
Aq: 1956/7/27 1956/10/28
Cp: 1956/10/28 1957/1/24
Sg: 1957/1/24 1957/4/25
Sc: 1957/4/25 1957/7/28
Li: 1957/7/28 1957/10/28
Vi: 1957/10/28 1958/1/25
Le: 1958/1/25 1958/4/25
Cn: 1958/4/25 1958/7/28
Ge: 1958/7/28 1958/10/28

ちょっと複雑ですが、分りましたでしょうか?
自分のチャートでも調べてみてください。

次回は、チャラ・ダシャーの読み取り方をやろうかと思います。

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