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〔技法:トランジットする惑星とハウスの関係〕

トランジットの技法では、惑星が何室に入っているかによって、吉凶や特定の意味が出てきます。

下記のトランジットの惑星と室の関係を示しますが、
基本的には出生図の月を1室として見ます。(チャンドラ・ラグナ)。

ただ、月でなく、アセンダント・ラグナから見たハウスでもいいような気がします。

昔は、出生時刻が正確でないため月ラグナを使っていたという事情があり、そのため月を基準にして考えるのが一般化しているためではないかという仮説があります。

そのあたりの事情は、東西占星術研究所に書かれていますのでご一読ください。

http://tozai-astrology.com/jyotish/kensyo/ken07.html

太陽
1ハウス 移転、富の損失、不快 良い気分、食物
2ハウス 富の損失、恐れ 出費、障害
3ハウス 収入、健康、成功、勝利 富の獲得、幸福
4ハウス 不和、不名誉 事故、病気、不信、恐れ
5ハウス 悲しみ、病気、当惑 不和、失敗、悲しみ
6ハウス 敵の残滅、健康 幸運、健康、富の取得
7ハウス 旅行、不健康 友情、利益、尊敬
8ハウス 闘争、不和、病気 困難、出費、緊張
9ハウス 侮辱、別離、障害 脅迫、心配
10ハウス 成功、名誉、利益 利益、幸福、成功
11ハウス 名誉、健康、収入 幸福、金銭の獲得
12ハウス 闘争、富の損失、支出 不幸、損失、怪我

 

水星 金星
1ハウス 困難、論争、損失 健康、喜び
2ハウス 利益、成功 金銭の獲得、幸運
3ハウス 不運、放浪、トラブル 幸運、楽しい交際
4ハウス 幸運、取得 財の獲得
5ハウス 貧乏、口論、苦痛 幸福、子供の誕生
6ハウス 成功、有名 敵への不安、出費
7ハウス 病気、口論、不安 心配、妻(夫)とのロ論
8ハウス 喜び、幸運、出産、取得 収入、幸運
9ハウス 不運、心配事、障害 金銭、衣服、友人の獲得
10ハウス 楽しみ、利益、調和 不快、スキャンダル
11ハウス 幸福、利益、出産 喜び、利益
12ハウス 損失、不和、病気 利益、平安、新しい友人

 

火星 木星
1ハウス 悲しみ、事故 旅行、不安、報償
2ハウス 出費、事故、口論 利益、金銭の獲得
3ハウス 利益、力、喜び 障害、不健康
4ハウス 困難、病気、胃の問題 金銭の損失、出費
5ハウス 損失、敵や子供の問題 幸福、出産、利益
6ハウス 取得、成功、敵の粉砕 不運、敵、心配
7ハウス 疲労、配偶者の問題、論争 健康、幸運、性的喜び
8ハウス 損失、危険、心配、病気 病気、危険、不満
9ハウス 損失、侮辱、病気 成功、出産、精神的
10ハウス 変化、悲しみ、突然の富 別離、不健康、散財
11ハウス 金銭の獲得、心の平安 利益、成功、病の回復
12ハウス 病気、失墜、出費、論争 障害、トラブル、悲嘆

 

土星 ラーフ・ケートゥ
1ハウス 危険、損失、恐れ、旅行 病気と不安
2ハウス 悲しみ、事故、不快 損失、ロ論、誤解
3ハウス 利益、繁栄、成功 幸福、良い経済状態
4ハウス 出費、病気、トラブル 病気、危険、悲しみ
5ハウス 悲嘆、障害、別離、論争 損失、心配
6ハウス 幸福、繁栄、健康、成功 喜び、幸福
7ハウス 心身の障害、苦しみ 損失、不安
8ハウス 不安、悪い評判、心配 生命の危険
9ハウス 損失、不健康、不運 口論、不安、損失
10ハウス 損失、職の変化、怠惰
11ハウス 悲惨、収入の増加 幸福、金銭の獲得
12ハウス 障害、病気、惨め、悲しみ 危険、心配、損失

 

以上の吉凶を単純にまとめると以下のような表になります。

惑星 吉祥なハウス 不吉なハウス
太陽 3, 6, 10, 11 1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 12
1, 3, 6, 7, 10, 11 2, 4, 5, 8, 9, 12
火星 3, 6, 11 1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 12
水星 2, 4, 6, 8, 10, 11 1, 3, 5, 7, 9, 12
木星 2, 5, 7, 9, 11 1, 3, 4, 6, 8, 10, 12
金星 1, 2, 3, 4, 5, 8, 9, 11, 12 6, 7, 10
土星 3, 6, 11 1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 12
ラ-フ/

ケートゥ

3, 6, 11 1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 12

 

全部覚えるのは難しいので、重要な月・太陽・木星ぐらいをまず覚えましょう。

(太陽以外の)凶星は全て同じで、3、6、11室だけが良いので覚えやすいですね。

※金星の8室は凶で取り扱っている書籍もあります。

 

〔トランジットの吉凶の妨害〕

上記で注意しなければいけないことですが・・・

上記の表は本多先生などの日本語の図書にも書いてある一般的な内容ですが、重要な情報が足らず、この表だけではミスリードされます。

なぜなら、これらの吉凶にはキャンセルする条件があるからです。

単純に当てはめただけでは、間違った判断を生み出すことになります。

 

トランジット中のある惑星が吉のハウスに在住している時に、特定のあるハウスに惑星があるとその吉意が妨害され無効なものとなります。

この、トランジットにおける妨害を 『Gochar Vedha(ゴーチャラ・ヴェーダーかな?)』と言います。

以下の表に、吉意の妨害を示します。(表の吉意の数字の真下に書いてある数字が、無効となるハウス番号です。例:太陽が3室にあるとき、他の惑星が9室にあると、その太陽の吉意は無効になります。)

 

また逆に、凶意の方も、ある室に惑星が入ることにより、無効となります。

以下に、凶意の妨害の表を示します。


さて、分かりやすいように、以下に例を挙げて説明します。

例)


上の図が、ある人の出生図で、下が現在のトランジットを示しています。
(※画像を張っております。見えない場合はご連絡くださいm(__)m)

金星のトランジットする際において、トランジット月は、出生図の月に対し8室目でした。これは、金星が「鉄の形態」となり、このトランジットの際に不利な結果を与えることが推察されます。

さて、今から金星についての、トランジットの妨害(Gochar Vedha)を考察してみます。

トランジットの「金星」は水瓶座にあり、出生図の月は蟹座です。したがって、トランジット金星は、出生図の月から8室目のハウスにあります。金星にとって、出生図の月から8ハウスは、縁起の良いハウスであり、それは好ましい結果を出すでしょう。

しかし、出生図の月から第5室目に土星が来ており、これは吉作用の妨害(Vedha)となります。(上記の表を参照のこと。金星にとって8ハウスは吉であるが、5室に星が来る場合、妨害(Vedha)となります)。

また、この土星は、現在のトランジットにおいて、「鉄の形態」でありました。そのことも、金星が良い結果を生み出す妨げとなるでしょう。

 

〔補足:ジャガンナータでの「吉のトランジット」と、その「妨害」の確認方法〕

さて、上記でトランジットにおけるハウスの吉凶や妨害を学びましたが、いちいち表を見ながら確認するのは非常に面倒ですね!^^

トランジットの検討で、めまぐるしく変化していく惑星の中で、9惑星全てについて確認するのは不可能に近いです。

そんなお困りのあなたに朗報です!^^

ジャガンナータでは、吉のトランジットとその妨害だけは確認することができます(凶の妨害は表示不可みたい)

1.まず、Transitタブにして、トランジットの基本情報を確認すると、「House」の欄の室番号の横に(good)と表示されているものがあります。これが現在、トランジットにおいて吉のハウスに入ったことを示しています。(下記図A参照)

2.また、「House」の右に「Under vedha from」という欄があります。この欄において、(good)のある右に惑星が書かれている場合があります。これが妨害となっている星です(下記図B参照)。ここに星の表示がある場合は吉の作用は無効となります。

3.また、さらに隣の「Causing vedha to」に惑星が書かれているものがありますが、この星が妨害している対象(吉のトランジットの惑星)をしめしています(下記図C参照)

 

これで、いちいち確認する必要もないですね!^^

(ただし、凶の妨害は自分で確認する必要があります^^;)

 

 

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