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前回、ヴェーダ(インド哲学)における悟りへの3つの道(修行)を紹介しましたが、今日は仏教では悟るためにどのように説かれているかを紹介します。

仏教では悟りを得るための行いとして、六波羅蜜という6つの修行があります。
これは、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の6つです。

以下に順に説明していきます。

〔布施 ふせ〕 

自分の持っているものを誰かにほどこすことや分かち合うことです。
お金や物がなくてもできる布施があります・・・「無財の七施」とか「無くて七布施」と言われます。また今度取り上げます。

また、マザー・テレサは、「あなたの中の最良のものを、世に与えなさい」と言いました。これは最高の布施でしょう。
http://indian-vedic-astrology.com/kotoba-mother-teresa-1.html

また、私は分かち合うことについて述べた和尚の言葉が好きですね。
http://indian-vedic-astrology.com/kotoba-osho-4step-3.html

 

〔持戒 じかい〕

戒律を守ること、行為をつつしむこと、ダルマ(法)・正しい行為・ルールを守った生き方をすることです。
仏教では、戒律として、五戒とか十戒、十善戒などがあります。
十善戒は以下のようになります。

  • 不殺生(ふせっしょう) 生き物を殺さない。
  • 不偸盗(ふちゅうとう) 盗まない。
  • 不邪淫(ふじゃいん) 不埒な行為・不倫をしない。
  • 不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。
  • 不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。
  • 不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。
  • 不両舌(ふりょうぜつ) 二枚舌のようなことを言わない。
  • 不慳貪(ふけんどん) 異常な欲・貪りを持たない。
  • 不瞋恚(ふしんに) 怒りを持たない。
  • 不邪見(ふじゃけん) 誤った見解を持たない。

 

〔忍辱 にんにく〕 

忍耐を持つこと、耐え忍ぶこと、トイレ掃除とか人の嫌がるような仕事をすることです。

また初期の経典は、「忍」を「認」の略字として用いていました。
災難など好ましくない事柄は宛名指名でやってきます。
つまり「私が受ける災難は私への指名」であって、誰にも代わってもらえない、と確認するのが「認」、すなわち「忍」と同じ意味になります。
確認できれば、納得して耐えることができるでしょう。

 

〔精進 しょうじん〕 

努力すること、はげむことです。
まずは最善をつくして努力すること。向上心を持って継続することです。

 

〔禅定 ぜんじょう〕 

瞑想すること、自己を見つめること、心身を静め落ち着けること、神または空に帰することです。

クリシュナムルティの瞑想の言葉が好きです。
http://indian-vedic-astrology.com/kotoba-K-meditation.html

 

〔智慧 ちえ〕 

学ぶこと、真理を見きわめることです。
十善戒の最後であり、智慧の完成(=悟り)が最終目的になるということです。

 

簡単に言えば、『人と分かち合い、人の道を守って、苦しみに耐え、努力し、瞑想し、学びなさい』 ということです。

皆様も六波羅蜜を意識して生活してみましょう!

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