メルマガのコラムからです(ちょっと追記しました。)


 

今日は少し、宝石処方についてコメントします。

ラオ先生は、『金属や宝石処方には何の根拠もない。聖典には書かれていない!』 みたいなことを言っていますが、実際は、アーユルヴェーダー系の聖典には、金属や宝石に関する多くの記述があります。

また、本家のヴェーダー聖典ではないですが、プラーナや、ウパ・ヴェーダー(=副ヴェーダ)と呼ばれるヴェーダーの補足聖典のようなものには、宝石処方に書かれたものも多数存在します。(※アーユルヴェーダも、ウパ・ヴェーダの一つ)

プラーナのなかでもマハー・プラーナ(主要なプラーナ)である、「アグニ・プ ラーナ」や「ガルダ・プラーナ」には宝石のことが述べられています。
また、ヴァラーハミヒラの「ブリハット・サンヒター」や、ジョーティシュの論書、「ラトナ・パリクシャ」 と「マニ・マーラ」にも宝石処方のことが述べられています。

例えば、「ラトナ・パリクシャ」は古代の宝石の書です。ラトナとは宝石のことです。カウティリア (Kautilya)のアルタシャストラ(実理論) であり、宝物の責任者によって使用されてきました。宝石類を、主要な宝石(Maha-Ratna) と代替宝石( Upa-ratna)に分類しています。
「ラトナ・パリクシャ」はヴェーダのように天啓聖典ではないのですが、ウパヴェーダ(副ヴェーダ)と言われています。 ウパニシャッドの時代と同時代(紀元前 323-299)のものです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Ratna_Pariksha
https://ja.scribd.com/doc/62474863/Ratna-Pareeksha

 

また、ラクシュミー・ジュエリー様のHPに面白い記述があったので、抜粋してご紹介します。

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http://kanako-laxmi1011.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-8479.html

 

古代インドの叡智の集結であるアーユルヴェーダの古典からも、金属類についての記載を以下に引用します。

「アーユルヴェーダでは薬草以外に金属、宝石、鉱物などを薬として用いている。アーユルヴェーダの教えでは、存在するものすべてにが宇宙意識のエネルギーを与えられているという。物質のすべての形態はこのエネルギーが単に外部に具象化されて形をもったものであるので治療に使うことが出来るプラーナエネルギーを蓄えている。インドの見者は瞑想によって、これらの癒しのエネルギー効果を発見したのである。
宝石や金属を肌につけると、肉体細胞や深い組織に対して電磁気的影響を与えると同時に、肉体、心、意識の正常な機能にたいする有害な影響を除去できる。例えば銀や鉛の腕輪を身につけると初期の肝障害なら治すことが出来るのである。
肉体の健康は、霊的、あるいは精神的状態ばかりでなく、宇宙からの影響も受けている。家が銅の避雷針から守られているように、人体も宝石や金属によって環境の電気的、磁気的放射から守ることが出来る。純粋の金属は霊光を放射して、惑星からの陰性の影響を、力強く退けるのである。
全ての金属は莫大な治癒エネルギーを内蔵している。水銀、金、銀、銅、鉄、鉛、錫などの重金属も治療に使われる。

《金》

神経強化剤としての効果を持つ。記憶力、知性をよくし、心筋を強くしてスタミナを増す。金はヒステリー、てんかん、心臓発作、肺や脾臓の弱りに良い。(中略)金は熱性なのでピッタ体質の人には注意して使わねばならない。中には金に敏感で触れると発疹を起こす人もいる。

《銀》

非常に重要な薬用金属のひとつである。銀は冷ます作用があるのでピッタの過剰を治療するのに良い。銀は力とスタミナを高める。ヴァータ異常に使われるが、カパの人には注意して使われなければならない。るいそう、慢性の発熱、発熱後の衰弱、胸焼け 、腸の炎症、肝臓の機能異常、月経過多などによい。銀の灰は炎症性の心疾患や肝臓、脾臓障害に非常に有効である。」

~インド伝統医学の日常実践法 現代に生きるアーユルヴェーダ ヴァサンドラッド著 平河出版1992年より~

 

宝石類の着用

「宝石や金属が(惑星の)悪い作用に拮抗作用し、惑星の良い影響を増すために用いられる。(中略)その人に有益な宝石が使用される場合、オージャス(活力)を増し、幸福、富、長寿を与え、悲歎を取り除き、悪霊から人を保護する補助となる。」

「貴金属を着用することは、財運、吉兆さを招き、長寿を導き、華やかさを与え、心配事を取りのぞき、気分を陽気にし、魅力的でオージャス(活気)を増す。」 ‐チャラカ 総論 5章

「好ましい方法により宝飾品で身体を飾りなさい。貴金属は清潔、幸運、満足を与えると知りなさい」 -ニガントゥ・ラトナーカラ 2巻

「貴金属を着用することは、悪い星回りを取り除き、栄養を与え、悪夢を鎮め、罪、不運を追放する。幸福をもっともよく招く。」 -ヨーガ・ラトナーカラ ニッティヤヴィディ

~アーユルヴェーダ日常と季節の過し方VBアタヴァレー 平河出版 1987年より~

 

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